「人に対して感じるあらゆるいらだちや不快感は、自分自身を理解するがに役立つことがあるがぜよ。」(カール・グスタフ・ユング)
スイスの精神科医・心理学者で、深層心理について研究し、分析心理学(ユング心理学)を創始したカール・グスタフ・ユング(1875〜1961)さんの言の葉ながやき。
他の人はあんまり気にせんような些細なことやち、何でかしらんけんどいらだちや不快感を感じるっちゅうようなことが、誰にやちあると思うがよ。
何でそんな些細なことに自分がいらだちや不快感を感じるがからあて、普段はあんまり考えたりするようなこたぁないかもしれんけんど、そこをちくと深うに考えてみることが、自分自身を理解するがに役立つっちゅうて、かのユングさんは伝えてくれゆうがやき。
たとえば、ワシゃあ平日の朝起きて仕事に出かける前に、突然カミさんからいろいろ質問されたりすると、ちくといらだちや不快感を感じることがあるがよ。
何でそう感じるがか、最初は分からんかったがやけんど、ある時に何でそう感じるがやろうかと深う考えてみたことがあるがやき。
ほいたら、気づいたがよ。
つまり、朝起きて家を出て仕事に入るまでの行動は、何ちゃあ考えんでもできるように習慣化されちょって、一切意思決定せいじゃちえいようにパターン化されちゅうがやき。
人間が1日に意思決定できる量は限られちゅうきに、この習慣化によって、ワシゃあ仕事に使える意思決定量をできるだけ増やそうと、無意識にしよったっちゅうことながよ。
ほんじゃき、その何ちゃあ考えんでもできる習慣化しちゅう流れの中に、意思決定せにゃあいかんような質問を突然投げかけられたら、仕事を邪魔されたように感じて、いらだちや不快感を感じるっちゅうことながやき。
これに気づいたことによって、自分自身が無意識にしゆうことに対して、理解が深まったと感じたがよ。
あとは、カミさんにこのことを共有して理解してもろうて、質問は朝やのうて夜寝る前とかにしてもらえりゃあえいっちゅうことながやけんど……「夜はいっつも飲んで酔っぱろうちゅうやいか!」っちゅうて、言い返されるだけやろうのう。