「辛抱強さはえいもんやけんど、それが順風満帆のときやったらなおえいぜよ。」(ニザーム・アルムルク)
トゥルクマン系のイスラム王朝、セルジューク朝の黄金期を担うた大宰相、ニザーム・アルムルク(1017〜1092)さんが、彼の著書「統治の書」の中に遺した言の葉ながやき。
逆境に対して辛抱強う耐えることができる人っちゅうんは、まっこと素晴らしい人ながよ。
けんど、そんな素晴らしい人やったち、その逆境が終わって順風満帆になった途端に、辛抱強さらあどっかに吹っ飛んでしもうて、急にワガママ放題になったり傲慢になったりすることが、意外に少のうないがやき。
長年辛抱強うに耐え忍んできたき、その反動で一気に開放して弾けてしまいとうなる、そんな気持ちになるがは当然やき、こぢゃんとよう分かるがよ。
開放して弾けるばあやったらえいけんど、それがこうじてワガママ放題になったり、傲慢になったりしてしもうたら、そりゃあ違うっちゅうことながやき。
あのツラい逆境のときに、辛抱強うに耐え忍ぶことができたがやったら、順風満帆のときにワガママ放題になったり傲慢になったりせんように、今度はそんな誘惑に、辛抱強うに耐え忍ぶこともできるはずながよ。
ホンマもんの辛抱強さっちゅう資質は、実は逆境のときやのうて順風満帆のときにこそ、その真価を発揮するもんながぜよ!