「山から遠ざかりゃあますますその本当の姿を見ることができるがよ。友人にしたちこれとおんなじぜよ。」(ハンス・クリスチャン・アンデルセン)
デンマークを代表する童話作家、詩人であり、「人魚姫」「みにくいアヒルの子」「マッチ売りの少女」「雪の女王」など、彼の童話は子供から大人まで人気が高うて、現在も多くの国で愛され続けゆう作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセン(1805〜1875)さんの言の葉ながやき。
たとえば富士山に登りゆうときにゃあ、岩やら石ころやらだらけで、とてもあの美しい富士山の形らあて、想像することすらできんがよ。
けんど遠くから眺めりゃあ、あの稜線が美しい日本一の富士山の姿を拝むことができるがやき。
かのアンデルセンさんは、友人にしたちこれとおんなじやっちゅうがよ。
つまり、仲のえい友人でありゃああるばあ、四六時中一緒におったりするもんやき、近くの姿しか見てないことがほとんどながやき。
なんぼ仲がよかったとしたち、その友人の近くから見た姿しか見てなかったとしたら、それじゃあその友人の本当の姿を、その友人の全貌を知ったことにゃあならんっちゅうことながよ。
ほんじゃき、友人の本当の姿を知りたけりゃあ、四六時中一緒におるがやのうて、たまにゃあ距離をおいてみて、遠くから眺めてみることながやき。
ほいたら、えいことも悪いことも含めて、その友人の意外な一面を知ることができたりして、まっとまっと多面的にその人間性らあも知ることができるっちゅうことながぜよ。