7月23日(火)は、まずは司牡丹社内にて令和5酒造年度の「のみきり」やったがやき。
こりゃあ冬から春にかけて醸造したお酒の保存状態や品質をチェックするために、全てのお酒の貯蔵タンクのノミを切って(タンクの口を開けること)、ひっとつひっとつ夏場に利き酒するっちゅう、酒屋の伝統的な社内行事のひとつながよ。
「ノミ」を「きる」き「のみきり」ながやき。
準備ができたっちゅう連絡が醸造部からあり、ワシゃあ9時過ぎにゃあ「平成蔵」に行って、利き酒をさいてもうたがよ。
今年の令和5酒造年度は、タンク貯蔵の日本酒(普通酒6本、本醸造酒8本、純米酒15本、特別純米酒21本)が50本やったがやき。
さらに、瓶貯蔵の日本酒(生酒、生貯蔵酒、ひやおろし、吟醸酒、純米吟醸酒、大吟醸酒、純米大吟醸酒、スパークリングなど)が24種類と、平成11酒造年度から平成19酒造年度までの長期熟成大古酒用の純米大吟醸酒が8本やったがよ。
これに加えて、焼酎が22本、焼酎ベースの柚子リキュールが7本、日本酒ベースの柚子リキュールが1本やったがやき。
これらあ全てを利き酒してチェックしたがやけんど、数があるだっけに、なかなかこれがシンドイがよ。
さて、令和1〜2酒造年度は、連続でかなり米が溶けにくうて杜氏も苦労して、令和3酒造年度は久々に溶けやすかったき司牡丹全体として素晴らしい出来映えやったがやけんど、令和4酒造年度はまたまたかなり溶けにくい年で、令和5酒造年度もさらに溶けにくい年やって、杜氏は結構苦労したようながやき。
けんど、その苦労の甲斐あって、溶けにくい年にありがちの薄っぺらい酒にゃあならんと、スッキリと美しい麗しさのある酒となり、その中にも品格ある膨らみと輪郭の感じられる、上等のお酒ばっかしやったがは、流石はベテラン浅野杜氏ながよ。
またここ数年は毎年のことやけんど、精米歩合60%の特別純米酒、「船中八策」になる分が、造りや搾ってから後の品質維持らあのブラッシュアップの成果もあって、際立って美しゅうに感じたがやき。
ここに並べられちゅうがは原酒やき、「船中八策」やったら原酒でアルコール度数17度あるがやけんど、特に2月以降のタンク貯蔵分が、そんな度数の高さを感じさせんばあ美しい酒質やって、さらに雑味もまったく感じんばあキレイに熟成しちょって、まっこと嬉しい限りやったがよ。
また瓶貯蔵の中じゃあ、「司牡丹・土佐の超辛口本醸造・ひやおろし」と、「船中八策・ひやおろし」の美味しさが、例年以上に特に際立って光っちょったがやき。
2つの「ひやおろし」ともに、今年の9月から出荷開始となるがやけんど、現時点でも絶妙なバランスで美味しゅうに低温熟成されちょって、これが9月になりゃあさらに美しいうま味が増すろうきに、発売がこぢゃんと楽しみながよ。
とにかく今年の司牡丹も、日本酒(普通酒・本醸造酒・純米酒・吟醸酒・大吟醸酒)にしろ、焼酎にしろ、リキュールにしろ、例年以上に「どれを飲んだちハズレがない!」と言うていただけるはずやき、皆さんも是非安心して、ガンガンお召し上がりいただけましたら幸いながぜよ!(ただし飲み過ぎにゃあ注意ぜよ!)
さて、続いてその晩は、16時半から高知県酒造組合会議室にて、公益社団法人高知県貿易協会さん主催の「米国輸入商社との意見交換会」が開催されたがやき。
今回招かれた米国輸入商社は、Skurnik Wine & Spirits 社の日本酒類部門マネージャーのジェーミー・グレーブスさんで、米国東海岸担当の高知県食品海外ビジネスサポーターの清水さんと、高知県産業振興部地産地消・外商課輸出振興室と高知県貿易協会の方々、あとは高知県酒造組合の蔵元メンバーと技術顧問の上東先生らあが集まったがよ。
まずはジェーミーさんから、米国のトレンドについてのお話があったがやき。
いま、米国じゃあ日本料理店がこぢゃんと増えちょって、特にニューヨークは寿司店だらけやっちゅうがよ。
居酒屋もドンドン増えちょって、若い料理人は特に日本食に興味を持っちゅうっちゅうがやき。
また、柚子メニューもスゴい人気で、柚子、醤油、出汁、味噌らあは日本料理店以外でも使われるようになっちゅうっちゅうがよ。
いまはインターネットで様々な情報が流れるき、「すきやばし次郎」のドキュメンタリーらあも流され、寿司の奥深さがかなり多くの方々に伝わっちゅうっちゅうがやき。
ほんで、そんなえい流れが自然に日本酒にもつながっちゅうっちゅうがよ。
ほんじゃき、アメリカンレストランやフレンチレストランらあにも日本酒が入るようになっちゅうっちゅうがやき。
続いては、サポーターの清水さんからの報告ながよ。
確かにニューヨークじゃあもはや日本酒は当たり前かもしれんけんど、米国の外れの方に行きゃあ、まだまだ日本酒をハードリカーやと思うちゅう人が多いっちゅうがやき。
また、米国はカクテル文化やき、そのカクテルの素材としても柚子はかなり浸透しちゅうっちゅうがよ。
梅酒で有名なCHOYAさんも、柚子酒を出しちゅうっちゅうがやき。
この後は、皆さんからの質問に対しての回答らあがあったがよ。
売れ筋のネーミングやデザインっちゅうんはあるんかっちゅう質問にゃあ、日本語が分からん米国人でも、一目見て覚えられるようなデザインやネーミングがえいっちゅうがやき。
日本人やちワインを何種類か飲んだら、次の日にゃあ何ちゅう銘柄のワインやったか覚えてないように、米国人やち何種類か日本酒を楽しんだら、次の日にゃあ銘柄が思い出せんっちゅうがよ。
ほんで、次に日本酒を注文する時に、前回美味しかった日本酒を注文したいと思うたち、リピートできんっちゅうことが起こるっちゅうがやき。
ほんじゃき、米国人でも直ぐに覚えたり発音できたりする「作(ざく)」とか、または「美丈夫」みたいにラベルに猫の絵が入っちゅうとか、満月が入っちゅうとかの記憶のフックになるようなデザインが大事やっちゅうがよ。
また、飲食店にゃあ、日本酒に対する知識も興味もないような、レベルの低いスタッフも少のうないき、彼らあでも簡単に言語化できるような、伝えられるようなネーミングやラベルやデザインや物語らあがありゃあ、売りやすうなるし、またお客さんもリピートしてくれるっちゅうがやき。
他にも、いろんな質疑応答らあがあり、盛り上がったがよ。
こうして17時半過ぎばあにゃあ、意見交換会はお開きとなったがやき。
ジェーミーさん、清水さん、こぢゃんと参考になるお話を、まっことありがとうございましたぜよ!
ほんでこの後は、ジェーミーさんと清水さんらあを囲んでの懇親会が、「いつものところ 十刻(ととき)」さんにて、18時から開催されたがよ。
各社が1本お酒を持ち込みしての懇親会やっちゅうことで、司牡丹は「二割の麹が八割の味を決める」(純米酒)を用意さいてもうたがやき。
また、今回は予算を決めて飲み放題コースをお願いしちょったがやけんど、「昼獲れグビ鰹」が入荷しちゅうっちゅうことやったき、こりゃあジェーミーさんらあに食べさいちゃりたいっちゅうことで、急遽こちらを予算外にて追加注文さいてもうたがよ。
さて、みんなあで土佐酒を注ぎ合うて乾杯し、早速「昼獲れグビ鰹の刺身」をいただいたがやき。
土佐人やち滅多に口にできん、昼獲れで鮮度抜群でグビグビの鰹刺身のあまりの美味しさに、ジェーミーさんも清水さんも、大感激やったがよ。
当然、辛口の土佐酒との相性は最高で、そっから後は、飲んで食べて語り合うて、飲んで食べて語り合うて、一気に盛り上がっていったがやき。
「刺身盛り」の「鰹のタタキ」も大好評で、「揚物盛り」の「川エビ唐揚げ」や「メヒカリ唐揚げ」らあにも、ジェーミーさんは大悦びやったがよ。
さらに「寿司盛り」の「焼き鯖棒寿司」や「土佐巻き」も、「これまたうまいっ!」っちゅうて、大絶賛やって、土佐酒を次々にガンガン酌み交わしまくりになったがやき。
さらに、この翌日の7月24日が土用の丑の日やっちゅうことで、「鰻の柳川風」も出され、こちらも皆さん大悦びやったがよ。
「十刻」の坂本さん、お気遣いまっことありがとうございました!
後半も、「四万十鶏の塩胡椒焼き」や「ちくきゅう」や「花ニラのお浸し」をいただきもって、さらに飲んで食べて語り合うて杯も箸も進みまくり、会話も弾みまくりで大盛り上がりに盛り上がり、みんなあが立派な酔っぱらいになって、大団円のお開きとなったがやき。
ジェーミーさん、清水さん、そしてご参加いただきました皆さん、まっことありがとうございましたぜよ!
土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、こちらをクリック!
司牡丹酒造株式会社