「これしかできんっちゅう奴しか残らん。何じゃちできる奴は最後まで残らん。アンバランスなほうが残っていくがぜよ。」(木村裕一)
「あらしのよるに」で講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞JR賞を受賞しちゅう絵本作家、童話作家の木村裕一(1948〜)さんの言の葉ながやき。
子供の頃や若い頃は、勉強やちスポーツやち、何をやらいたち上手な同級生を、こぢゃんとうらやましゅうに思うたもんながよ。
若い頃は、だいたいそういう奴が一番モテるもんやき、うらやましゅうに感じたがやろうけんど、ほいたら若い頃に何をやらいたち上手にできてモテた同級生が、いま何かの分野で事を成しちゅうかっちゅうたら、意外に何ちゃあ成してなかったりするもんながやき。
人生は長いようで短いもんやきに、何じゃちソツのうこなして、何でもできる人っちゅうんは、実は全部が中途半端で終わってしまいがちやき、気をつけにゃあいかんがよ。
それよりか、子供の頃から、若い頃から、できんことや苦手なことだらけやっちゅう方が、早いうちから諦めがついて、むしろその方がえいっちゅうことながやき。
ある程度歳をとったら分かるけんど、自分が苦手としちょったり、自分ができんことらあて、それが得意な人や、専門家らあに任せてしもうた方がえいがよ。
ほんで自分は、自分が得意としちゅうことや自分ができること、これしかできんっちゅうようなことに集中すりゃあえいがやき。
それでこそ、事を成すことができるっちゅうことながぜよ。