「結局のところ、最悪の不幸は決して起こらんがやき。たいていの場合、不幸を予期するきに悲惨な目にあうがぜよ。」(バルザック)
19世紀のフランスを代表する小説家で、イギリスの作家サマセット・モームをして「世界の十大小説家」の中で「確実に天才と呼ぶにふさわしい人物」と言わしめた、オノレ・ド・バルザック(1799〜1850)さんの言の葉ながよ。
実は、世の中にゃあ「絶対に大丈夫」やと言えるようなもんは、何ひとつないっちゅうんが真実ながやき。
ほいたら、「最悪の不幸は決して起こらん」らあて、言えんことになるやいかと思うかもしれんけんど、まったくの逆ながよ。
「絶対に大丈夫」やと言えるようなもんは何ひとつないきにこそ、「最悪の不幸は決して起こらん」と言い続けにゃあいかんがやき。
もし、「絶対に大丈夫」やと言えるようなもんは何ひとつないきに、あらゆる不幸を想定したり、予期したりしよったら、心配性の権化みたいになってしまうがよ。
ほいたら、心配で自身の心を痛めつけることになるし、たとえ悪い人やないと思われちょったとしたち、暗い話ばっかしらあて誰っちゃあ聞きとうないき、他人からも嫌われてしまうことになるがやき。
ほいたらそれが、あらゆる不幸を引き寄せる要因になってしまうがよ。
つまり、心配してえいことらあて何ひっとつないっちゅうことながやき。
ほんじゃき、「最悪の不幸は決して起こらん」っちゅうて言い続けることが、不幸を遠ざける最善の策やっちゅうことになるがぜよ。