「雌伏もまた静かなる戦いながぜよ。」(早乙女貢)
1968年に「僑人の檻」で第60回直木賞、1988年に「會津士魂」で第23回吉川英治文学賞、2003年に「わが師 山本周五郎」で第16回大衆文学研究賞特別賞を受賞しちゅう歴史小説・時代小説作家、早乙女貢(1926〜2008)さんの言の葉ながやき。
「雌伏」たぁ、将来に活躍の日を期しもって、他の下に屈従することっちゅう意味ながよ。
そりゃあつまり、ただ単に他の下に屈従するだっけやのうて、「将来に活躍の日を期しもって」っちゅう点が重要ながやき。
いま現在、他の下に屈従しちゅうに、将来に活躍の日を期すことができる人っちゅうんは、実はなかなかおらんもんながよ。
長年屈従しちょったら、それに慣れてしもうて、いつの間にか卑屈な人間になってしもうて、 いつの間にか将来に活躍の日を期する思いらあ、雲散霧消してしもうちゅうもんながやき。
ほんじゃき、かの歴史小説作家の早乙女貢さんは、雌伏もまた静かなる戦いじゃっちゅうて、表現しちゅうがよ。
雌伏しゆう間に、屈従に慣れてしまわんように、卑屈な人間になってしまわんように、将来に活躍の日を期する思いを失うてしまわんように……毎日毎日自分との静かな戦いを繰り返し繰り返し続けゆう人だっけが、ホンマに雌伏しちゅう人やっちゅうことながやき。
そういう人だっけが、晴れて将来に活躍の日を迎えることができるがぜよ。