2025年10月25日

幸せの言の葉<1983>

「政治に命をかけるやつもおりゃあ、まんじゅう作りに一生を捧げる者もおる。ワシ一人が世の中のことを考えちゅう、苦しみを一人で背負うちゅうと考えゆう人間や、それを露骨に表す者を、ワシゃああんまり信用せんがよ。政治や人生観を考えちゅう人間が偉いがやのうて、一生懸命生きちゅう人が一番偉いがであり、ほんで、そりゃあしごく当然のことながぜよ。」(高橋三千綱)


「九月の空」で芥川賞を受賞(1978)し、純文学、エッセイ、時代小説、劇画原作等々、幅広い分野で執筆活動を続けた作家、高橋 三千綱(1948〜2021)さんの言の葉ながやき。


チビッとやち世の中をようしょうと頑張りゆう時、ワシらあは自分一人だっけが世の中のことを考えちゅうと思い込んでしまいがちながよ。


また、困難や障害に遭遇して苦しみゆう時、ワシらあは苦しみを一人で背負うちゅうと考えてしまいがちながやき。


けんど、そんなふうに考えちゅう人や、それを露骨に表すような人を、かの高橋三千綱さんはあんまり信用せんっちゅうがよ。


当然のことやけんど、世の中のことを考えちゅう人は自分だっけやないし、困難や障害に遭遇して苦しみゆう人も自分だっけやないがやき。


そんな簡単なことにすら気づけんようじゃあ、そりゃあ結局自分のことしか考えてないっちゅう証拠で、つまり実は大して世の中のことらあ考えてないし、大して苦しみゆうわけやないっちゅうことながよ。


本気で、全身全霊で世の中のことを考えゆうがやったら、他人や周りのことまで考えが及ぶはずやし、困難や障害に遭遇して苦しみゆうがを本気で解決したいがやったら、自分だっけやのうて他人や周りの力を借りにゃあ解決できんっちゅうことに気づくはずなやがやき。


結局、世の中のことを考えよろうがよるまいが、障害に苦しみよろうがよるまいが、政治に命をかけようがかけまいが、まんじゅう作りに一生を捧げようが捧げまいが……本気で一生懸命生きちゅう人が一番偉いっちゅうことながぜよ。




Posted by tsukasabotan at 09:00│Comments(0)