NHK朝ドラ「らんまん」関連書籍が続々出版!司牡丹も載っちゅうぜよ!
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10:13
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馬場啓一氏の新著「毀誉褒貶 だから魯山人」はこぢゃんと面白いぜよ!
今回は、久々のお薦め書籍で、ワシの憧れの存在でもあるダンディーな文筆家、馬場啓一さんの新著「毀誉褒貶 だから魯山人」(馬場啓一 著 夏目書房新社 令和4年7月23日発行 2500円+税)を、ご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 毀誉褒貶 だから魯山人](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/b/6/b6c2217a.jpg)
ちなみに馬場さんは、東京で開催された司牡丹のお酒の会らあで、何度かご一緒さいていただいたことがあり、またかなり昔になるけんど、ジャズ雑誌「Swing journal」の馬場さんの連載コーナー、「JAZZ VIP ROOM」にて対談さいてもうたこともあるがやき。
馬場さんは、ミステリ、ジャズ、映画、酒、ファッションっちゅう幅広いジャンルに造詣が深うて、そんな分野のエッセイを手がけらるほか、小説も執筆されるっちゅう文筆家であり、何ちゅうたちダンディーでカッコえいき、憧れの先輩っちゅうイメージを、ワシゃあ勝手に抱かいてもうちゅうがよ。
![写真2 毀誉褒貶 だから魯山人2](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/4/3/435daeb4.jpg)
これまでに、ジャズ・ミステリー・酒についてや、白洲次郎さんや池波正太郎さんについての著書らあを執筆されてこられた、そんな馬場さんの新著が、今回はかの北大路魯山人さんやっちゅうがやき、こりゃあまっこと楽しみやったがやき。
しかも、さすがは馬場さんっちゅう感じの、ご覧のとおりのちくと凝った、カッコえい装丁の書籍になっちょって、この書籍を眺めたり、手にして愛でたりするだっけで、ワクワクしてくるっちゅうもんながよ!
![写真3 毀誉褒貶 だから魯山人3](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/e/8/e868025b.jpg)
ほいたら早速、その内容についてをちくとご紹介さいていただきますぜよ。
魯山人さんに関する書籍は、これまでにワシも何冊か読んだことがあるけんど、それらあは魯山人さんの料理に関する書籍やって、今回の馬場さんの新著は、「魯山人の人間観」「魯山人の誕生」「魯山人の性格」「魯山人の才能」「魯山人昇天」「その後」っちゅう具合に多岐にわたり、北大路魯山人っちゅう人間そのものを炙り出しちょって、まっことこぢゃんと面白かったがやき。
まず、魯山人さんがその才能を最初に開花さいたがは、二十歳そこそこのときに大日本書道展に入賞し、第二位を獲得(一位は空席のため実質一位)するっちゅう、華々しいデビューやったっちゅうがよ。
学歴ものうて、これっちゅう師にも就かんと、人一倍の努力っちゅう全くの自力のみで、この高みに到達したっちゅう事実が、その後の魯山人さんに強烈な自負と自信を与えたことやろうっちゅうがやき。
ちなみにこの入賞の作品「千字文」は、時の宮内大臣田中光顕さんのお買い上げとなったと書かれちょって、田中光顕伯爵といやあ、我が町佐川町出身の偉人で、司牡丹の命名者でもあるきに、ちくと縁を感じさいてもうたがよ。
さて、著者の馬場さんは、魯山人っちゅう不思議で厄介な人格を解き明かすカギは、学校における同級生同士の、「ワシおまん」っちゅう深い気脈の通じ合いを有する知己を持たんと、師との上下関係も形式的にゃあ経験せんかった魯山人さんにとっちゃあ、出会う人間の全てが警戒心を抱いて接する必要のあるもんやったっちゅう点にあるっちゅうがやき。
誰が敵か、味方か、わからんし、そもそも世の中に味方らあておる筈もないっちゅうんが、魯山人さんの人間観やなかっつろうかっちゅうがよ。
ほんじゃき、「要するに、おまんとワシ、どっちが偉いがぜよ?」っちゅうんが、魯山人さんの土壌にあり定理となっちゅうっちゅうがやき。
最初から強う出て、先手必勝で、勝てる相手としか喧嘩をせんし、ひと目で自分より弱いと踏みゃあ、コテンパンにやっつけて戦意を奪う……動物と一緒やっちゅうがよ。
後にパリまで出向いて、かのピカソさんに会うた際に、魯山人さんはまったく敬意を払わんと、バカにしたっちゅうこともあるっちゅうがやき。
そんな魯山人さんやに、大磯の吉田茂さんに会うた際にゃあ、さすがにコチコチになって、帰り際に靴を左右間違えて履こうとしてしもうたっちゅうがよ。
吉田茂さんといやあ、高知県出身の総理大臣であり、司牡丹を愛飲された方やきに、ここでもまたちっくと縁を感じさいてもうたがやき。
さて、魯山人さんは書家から入り、篆刻家として身を立てよった頃、金沢の油屋で土地の素封家、細野燕台さんの家に1ヶ月ばあ居候したっちゅうことが、その後の方向性を決定付けたっちゅうがよ。
ここで魯山人さんは、居候の負い目引け目を解消させるために、細野一家の三度の食事を作り、彼らあをこぢゃんと満足さいたっちゅうがやき。
さらに、漢学に詳しゅうて書画骨董にも造詣が深かった燕台さんは、茶人としても鳴らし、魯山人さんに大きな影響を与えたっちゅうがよ。
燕台さんは、古来の名品から今出来のもんまで、数多くの酒器や食器を所有しちょって、それらあを惜しげものう魯山人さんに見せたっちゅうがやき。
今出来のもんっちゅうんは、他でもない燕台さん自身が作った酒器や食器やったっちゅうがよ。
細野家に窯があったわけやのうて、これらあは全て加賀山代の陶芸家須田菁華さんに注文し、職人に轆轤をひかいて出来上がったもんで、これらあに自ら絵付けして焼いたもんやったっちゅうがやき。
自分好みの食器を、自分で作り上げる満足に目覚め、そして面倒な下ごしらえは職人に任せりゃあ済むんやっちゅう発見に瞠目し、さらにゃあ自分でこしらえた食器に自分で作った料理を乗せて提供する喜びにも、こん時に気づいたがやないかっちゅうがよ。
ほんで、後に論議の元となる、魯山人は自分で轆轤をひかんき真の陶芸家たぁ言えんっちゅう批判も、その根源はここにあるっちゅうがやき。
著者の馬場さんは、もっとも現在じゃあ、答えはハッキリしちゅうっちゅうがよ。
確かにそうやったとしても、そのことが陶芸品としての価値を損なうもんやない、自らが手掛けちゅう以上、北大路魯山人さんの作品は真価を失わんっちゅう見方に落ち着いちゅうっちゅうがやき。
すなわち、下ごしらえっちゅう感じで職人が轆轤を回して作ったもんやち、それを魯山人さんは丹念に、しかし一瞬のもとに性根を見極め、それに沿うてカタチを整えたっちゅうがよ。
同じ窯でこしらえて、同じように形成されたもんやち、魯山人さんの物真似作品は、当の魯山人さんの手になるもんたぁ雲泥の違いを見せたっちゅうがやき。
オリジナリティとか個性とよばれるもんが、これであり、そしてそれこそが芸術の本質に他ならん、魯山人さんが手を加えりゃあ土は息を吹き返したっちゅうて、馬場さんは語られちゅうがよ。
その後、魯山人さんは大正14年に、かの有名な会員制の美食倶楽部、「星岡茶寮」を開店させるがやき。
さらに開業の2年後、北鎌倉の自宅近く山崎の地に、「星岡窯」を開くがよ。
これまでの人類の歴史において、自分でこしらえた料理を供するために、ただその一つの目的のために陶芸の窯を開いた人間はおらん、そしておそらくこれからもおらんやろうと、馬場さんは強調されるがやき。
また、魯山人伝説のハイライトとも呼ぶべき、パリのトゥール・ダルジャンの鴨料理を、日本から持ち込んだ粉ワサビと醤油で食べたっちゅう武勇伝も、馬場さん独自の切り口で紹介されちゅうがよ。
トゥール・ダルジャンの創業は1582年やき、魯山人さんが訪問した際にゃあ創業から370年ばあ経っちゅう老舗中の老舗の名店であり、そんな店でこういう振る舞いをした人間はおらんし、今後もおらんやろう、魯山人さんにして可能な所業やっちゅうがやき。
傍若無人と言やあそれまでやけんど、たとえば番号付きで出された鴨が実は見せるためだっけのもんで、肝心の料理は奥で成されよったらあっちゅうことを、魯山人さんはしっかり看破しちゅうっちゅうがよ。
また、日本でロクなもんを食べてない日本人が、フランスで初めてありついた西洋料理を有り難がるがは当然で、それを真に受けて、人々がフランス料理を持ち上げるがはおかしいっちゅう魯山人さんの言葉を取り上げ、馬場さんは「一理ありますね。評価の基準の問題。」っちゅうて、語られちゅうがやき。
さらにゃあ、フランス料理店自体の問題として、魯山人さんは、その素材の程度の低さ、水の悪さ、十年一日のその料理技術の停滞、チープな器に粗野なボーイなどなど、苦々しゅう指摘しちゅうっちゅうがよ。
魯山人さんにゃあ、伝統と評判の上に胡座をかいたフランス料理と料理屋が、無性に腹立たしいもんに映り、我慢ならんかったがやろうと、馬場さんは語られちゅうがやき。
ほんで、このご著書のラストを、以下のように締め括られちゅうがよ。
「魯山人の体内にゃあ毒が含まれちょった。河豚がそうであるように。けんどそれを知ったち、心ある人は魯山人を褒めたがやき。
短い付き合いで終わった人も多いけんど、長う付き合いをした人も、又おったがよ。魯山人を認めて、の事ながよ。
このように魯山人にゃあ、始めっから毀誉褒貶が備わっちょったがやき。
大いに褒められ、絶賛され、同時に大いに人々から悪口を浴び、低められた魯山人。
文字通り毀誉褒貶である。
本書を『毀誉褒貶 だから魯山』と銘打ったがは以上の理由によるがぜよ。」
さらに「あとがき」にゃあ、次のとおり書かれちゅうがよ。
「魯山人のような破天荒な男は、そうおらん。軌跡を追うがは、ほんじゃき楽しかった。読んで面白うなかったら、そりゃあ書き手の責任ながやき。」
馬場さん!魯山人さんの一生をリアルに追体験さいてもうたようで、まっこと面白かったがよ!
魯山人さん自身の破天荒な面白さももちろんやけんど、馬場さんの名ナビゲートのお陰で、より一層面白う読み進めさいていただき、終盤に近づくにつれ、「まだ終わらんとってほしい!まっと読みたい!」っちゅう気持ちがドンドン強うなっていき、読破した際にゃあちくと「魯山人ロス」になってしもうたばあながやき。
「毀誉褒貶 だから魯山人」……こぢゃんとお薦めさいていただきますぜよ!
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司牡丹酒造株式会社
Posted by tsukasabotan at
09:22
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発売2ヶ月で1万3000部超え!「匠が教える 酒のすべて」ぜよ!
今回は、世界中のあらゆるお酒のプロフェッショナル、株式会社リカープラザ代表で、大人気の「Sake-Salon」(https://www.chikako-ohkoshi.com/ )も運営されゆう大越智華子さんのご著書、「匠が教える 酒のすべて」(大越智華子 著 三笠書房 2021年11月5日発行 1800円+税)をご紹介さいていただきますぜよ。![写真1 匠が教える 酒のすべて](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/3/5/35a47f50.jpg)
![写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/b/b/bbf31620.jpg)
ちなみにこちらの書籍は、発売されてまだ2ヶ月経たんうちに1万3000部を超え、既に3刷目で3000部の重版が決定したっちゅうばあ人気になっちゅう書籍ながやき。
キャッチコピーにあるように、「世界を旅するように酒を楽しむ!」「写真&イラスト満載!」「5000人以上が目からウロコと絶賛!SAKEは知の宝庫だ!」っちゅう、まさに世界の「酒」について知りたいっちゅう方にゃあ、入門書として最適ながよ。
第1章の「ビール」から始まり、「ワイン」「スパークリングワイン」「日本酒」「焼酎」「ウイスキー」「ブランデー」「スピリッツ」「リキュール&カクテル」ときて、第10章の「フォーティファイドワイン」まで、オールカラーで写真やイラストや図や雑学らあが満載やき、この書籍を読んでから酒場に行きゃあ、至福の時間がよりリッチになり、人生もますます豊かになるっちゅうもんながやき。
ワシもあらためて通読さいてもうたけんど、とにかく「分かりやすい」「面白い」「予想より深い」っちゅう三拍子が揃うちゅうきに、300ページ以上もあるに、いつの間にか読破してしもうちょったがよ。
詳しゅうは、やっぱし入手して是非読んでいただきたいがやけんど、ご参考までに、ワシが「へぇ〜!」とか、「なるほど!」とか、「こりゃ面白い!」とか思うた部分をいくつかピックアップして、ちくとご紹介さいていただきますぜよ。
まずは第1章のビールから。
近年クラフトビールが世界中で人気やけんど、その発祥はアメリカで、1980年代に若いチャレンジャーらあのマイクロブルワリーが造った個性的なビールが、インターネットを通じて瞬く間に世界に広がり、2017年にゃあついに2.6兆円を超える市場になったっちゅうがやき。
アメリカの醸造所は2019年時点で何と8300軒以上にものぼり、近年はワイン王国フランスやち、3000軒の醸造所があるっちゅうがやき、こりゃ凄いことながよ。
ちなみに、クラフトビールによう見かけるビアスタイルに、「IPA」(インディアン・ペール・エール)があるけんど、 その由来についちゃあ、ワシゃあこの書籍で初めて知ったがやき。
ホップがビールの原材料になったがは、15世紀くらいかららしいがやけんど、当時は殺菌防腐効果のためやったらしいがよ。
19世紀頃に、イギリスの植民地やったインドへ、イギリスから長期間かけてビールを輸送する際に、殺菌防腐効果のあるホップを多く入れる手法が生まれ、これが「インドへのためのペール・エール」とちゅう意味で、「IPA」と名付けられたっちゅうがやき。
ほんで、1970年代になって、アメリカで苦み成分と香気成分を豊富に含んだホップ生産が成功し、苦みが効いた香り高いビール醸造に成功するがよ。
そん時に、苦みビールの代名詞やった「IPA」っちゅう呼称を復活さいて、それが世界中に広まったがが、現在の「IPA」やっちゅうがやき。
まっこと、「へぇ〜!へぇ〜!へぇ〜!」やったがよ。
続いては、第2章のワイン。
この章からは、意外に知られてない「国産ワイン」と「日本ワイン」の違いについて、取り上げさいていただくがやき。
まず、「日本ワイン」っちゅうたら、日本国内で収穫されたブドウだっけを原料にしたワインのことながよ。
一方「国産ワイン」は、日本国内で瓶詰めされた全てのワインを指すがやき。
つまり「国産ワイン」たぁ、簡単に言うたら、海外のグレープマスト(発酵する直前の発酵原料)やブドウジュースらあを原料としたもんで、実は国内製造ワインの約80%はこちらのワインやっちゅうがよ。
紙パックやプラスチックボトルのワインは、ほぼこういったワインで、バックラベルを見りゃあ確認できるっちゅうがやき。
こんなこたぁフランスやイタリアじゃあ考えられんことやけんど、何で日本はこうなってしもうたかっちゅうたら、ワイン市場が急速に広がる中、国内で生産されるワイン用ブドウが少なかったことと、また、日本にゃあブドウの原産地や品種、醸造方法らあの定義を定めた法律がなかった(酒税法と酒類の公正規約事項のみがあった)きやっちゅうがよ。
それが、ついに2018年に施行された国税庁の「果実酒等の製法品質表示基準」において、国産ブドウのみを原料とする果実酒にゃあ「日本ワイン」っちゅう表示ができることになり、さらに輸入原料を使用したワインについちゃあその旨をラベルに明記せにゃあならんと定められたっちゅうがやき。
ちなみにワインのバックラベルに表記されちゅう、「酸化防止剤(亜硫酸塩)」の文字に過剰反応する人が少のうないもんやき、日本じゃあ「酸化防止剤無添加のワイン」なるもんが大量生産され、安価で販売されゆうけんど、実はこりゃあつまり、酸化防止をする必要もない、加熱されたブドウ果汁や濃縮還元ブドウジュースを大量に使用しちゅう、本物のワインたぁ全く別物のワインやっちゅうことながよ。
ワインの「酸化防止剤=SO2(二酸化硫黄)」は、古代ローマの時代から使われよって、添加量は極力少ない規定以下に定められちゅうき、ワインを美味しゅう保つために必要なもんやきに、是非理解していただきたいっちゅうて著者は語るがやき。
さて、あまりに長うなるきに、こっから後はワシが面白いと思うた部分の項目のみを、以下にいくつかピックアップさいてもうたがよ。
⚫️シャンパンにも一番搾りと二番搾りがある!
⚫️日本最古の酒米「雄町」は160年以上の歴史を誇る!
⚫️「泡盛」と「琉球泡盛」の違いは?
⚫️焼酎のお湯割りは焼酎が先か、お湯が先かで味わいが変わる!
⚫️日本洋酒酒造組合が定めた「ジャパニーズ・ウイスキーの定義」とは?
⚫️Whisky?Whiskey?「E」の秘密とは?
⚫️こんなにある!世界のブランデー!
⚫️世界の四大スピリッツ、ウォッカ、ジン、ラム、テキーラの違いとは?
⚫️ラムの表記、RUM、RHUM、RONの違いとは?
⚫️タイタニック号の最後の晩餐で登場したリキュールとは?
⚫️世界三大フォーティファイドワインの違いとは?
どうぜよ?こうやって項目だっけ列挙されたら、詳しゅう知りとうなってこんかよ?
ちゅうことで、こっから先を詳しゅうに知りたい方にゃあ、是非本書の購入をお薦めいたしますぜよ。
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司牡丹酒造株式会社
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10:34
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発酵醸造ミステリー「山田錦の身代金」!大幅加筆修正し待望の文庫化ぜよ!
今回は、1年前に書籍化され、ワシのblog & Facebookでも紹介さいてもうた、山本モロミさんの発酵醸造ミステリー小説、「山田錦の身代金」(山本モロミ 著 幻冬舎 2020年10月1日発行 1200円+税)が、「山田錦の身代金」(山本薫 著 幻冬舎文庫 令和3年10月10日発行 710円+税)として早くも待望の文庫化されたき、そちらをご紹介さいていただきますぜよ。
![10月30日のブログ写真1 山田錦の身代金](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/8/b/8b4b1a17.jpg)
![10月30日のブログ写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/e/2/e22b9fdb.jpg)
ちなみに著者の山本モロミさんは、この作品で作家デビューされ、文庫化にあたり山本薫さんっちゅうペンネームに変更されたがやけんど、実は日本酒と食のジャーナリストとして活躍中の山本洋子さんの旦那さんながやき。
山本洋子さんは、「週刊ダイヤモンド」に「新日本酒紀行〜地域を醸すもの〜」を連載中で、昨年8月末に講演で高知に来られた際に、司牡丹酒造に旦那さんと一緒に取材にお越しいただいちょって、同連載に司牡丹を取り上げていただいたがよ。
そん時に旦那さんは先に東京に帰られて、その晩は洋子さんをワシが土佐の夜の町にご案内さいてもうたきに、その御礼っちゅうことで、デビュー作のご著書をお送りいただき、今回もまた文庫本をお送りいただいたがやき。
山本薫さん、まっことありがとうございますぜよ!
ほんで、読み始めていきなりビックリしたがやけんど、イントロからして昨年のデビュー作とまったく違うちょったがよ。
「大幅に加筆修正」っちゅう言葉はよう聞くけんど、まさかこればあ変わっちゅうたぁ思いもよらず、ビックリしたっちゅうわけながやき。
しかも、1年前に読んじゅうきに、実は読むつもりもない状態でペラペラと頁をめくりよったら、一気に引き込まれてしもうて、再び読破してしもうちょったがよ。
元々が、面白うて目が離せんなるミステリー小説やったがやけんど、さらに展開がスリリングになり、演出がドラマチックになり、こりゃあすぐに映像化の話がくるがやないかと思うたばあ、こぢゃんと面白かったがやき。
ほいたら、その内容やけんど、ネタバレせん程度にちくとご紹介さいていただきますぜよ。
まず簡単にアラスジをご紹介すりゃあ、世界一の日本酒といわれる烏丸酒造の純米大吟醸酒の原料となる山田錦の田んぼが、人質にとられるっちゅう話ながよ。
脅迫状が烏丸酒造に届き、見りゃあ一本100万円を超える純米大吟醸酒の元となる田の一角が枯らされちょったっちゅうんが、事件の発端やったがやき。
そんな酒蔵にボッチり居合わせた、主人公である「日本酒と食のジャーナリスト」山田葉子さんを中心にした個性豊かな面々が、複雑に絡み合う事件の真相をめぐり、密室の謎やアリバイ崩しらあに挑んでいくがよ。
もちろん山田葉子さんっちゅうんは、著者の奥さんである山本洋子さんがモデルながやき。
他にも、実在の人物である「獺祭」醸造元の旭酒造の桜井会長さんが登場したりと、日本酒ファンの気持ちをくすぐって飽きさせんがよ。
さらに、山田葉子さんらあが日本酒の原料や造り方らあについてを、何ちゃあ知らん警察の方に分かりやすう説明したり、また実際の酒造りシーンらあも随所に登場するき、日本酒について何ちゃあ知識のない方々が読んだち面白う読めるし、読了したら知らんうちに日本酒についての知識が獲得できちゅうっちゅう、一石二鳥の前代未聞の発酵醸造ミステリー小説ながやき!
特に、日本酒1升瓶1本を造るがに、どれっぱあの酒米が必要かっちゅうんを、主人公の葉子さんが説明するあたりは、まるで本物の洋子さんの講演を聴きゆうかのように秀逸ながよ。
田んぼ1坪、つまり畳2畳から、一般的な純米酒が1升瓶1本造れるっちゅうがやき。
さらに計算してみりゃあ、20歳以上の成人が1人1日1合の純米酒を飲みゃあ、それだっけで1万ヘクタールの田んぼが必要になるっちゅうがよ。
そりゃあちょうど、減反されゆう田んぼ分ながやき。
つまり、20歳以上の日本国民が、純米酒を1日1合飲みゃあ、減反が不要になるっちゅうことながよ!
また、ストーリーの中で登場する、一子相伝の秘伝「玉麹」の技についちゃあ、まっことそんな凄い技術が実在しちょったら、どんな日本酒が生まれるがやろうかと考えただっけで、まっことワクワクしてくるっちゅうもんながやき。
もしかしたら、一般の方が普通に本書を読んだら、「玉麹」が実在しちゅう秘技やと勘違いしてしまうかもしれんばあ、まっことリアルに描かれちょって、そんなあたりもこぢゃんと面白いがよ。
さらに、物語のクライマックスで主人公の葉子さんがアツうに語る、米に関する愛情あふれる言葉は、まさに至極の名言といえるがやき!
しかもその名シーンが、1年前のデビュー作よりか、さらにドラマチックに変更されちょって、一層の感動の名シーンにバージョンアップしちゅうがよ!
著者の奥さんである洋子さんが、実際に講演らあでよう語られゆうその言葉は、まっこと心に響いてグッとくるし、ワシらあ日本酒蔵元はみんなあ、心に留めちょくべきもんながやき。
その名言についちゃあ、あえてここじゃあ紹介は控えさいていただきますきに、知りたい方は是非本書をご購入くださいや!
山本薫著「山田錦の身代金」・・・日本酒ファンやったら必携の、日本酒初心者や飲んだこともないライトユーザーやち読んだらきっと日本酒が飲みとうなる、さらに昨年のデビュー作を読んじゅう方が再度読んだちこぢゃんと楽しめる、極上の日本酒エンターテインメントながぜよ!
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お薦め書籍「日本酒がワインを超える日」ぜよ!
今回は、岐阜の「蓬莱」醸造元・有限会社渡辺酒造店の渡邉久憲社長のご著書、「日本酒がワインを超える日」(渡邉久憲 著 発行:クロスメディア・パブリッシング 発売:インプレス 1480円+税 2021年10月1日発行)を、ご紹介さいていただきますぜよ。
![10月23日(土)の写真1 日本酒がワインを超える日](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/e/8/e82952a0.jpg)
![2021.10.23写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/7/3/730b983c.jpg)
実はワシゃあ、3年ばあ前の12月18日に、「酒販ビジネス実践会」(http://syuhan-business.com/ )の増田先生と、渡辺酒造店さんの見学にうかごうたこと(2018年12月21日のブログ参照)があったがやき。
そんときも、渡邉社長の突き抜けた商品開発力やマーケティング力、そして「エンタメ化経営」に、ちくと度肝を抜かれたがよ。
そんな渡邉社長の独特の経営手法がふんだんに盛り込まれちゅう本書は、日本酒蔵元や酒販店はもちろん、異業種の方々にとったち、こぢゃんと参考になるはずながやき。
渡邉社長は、29歳で実家の酒蔵に入社し、そっからの4年間は苦難の連続やったっちゅうがよ。
4億円あった売上は2億6000万円まで減少し、古参社員は相次いで退職し、杜氏は心臓病にかかって突然引退し、社内にゃあうつ病を発症する者が出て、窃盗や横領っちゅう不祥事も発覚したっちゅうがやき。
さらに銀行も手のひらを返したように冷淡になり、融資はおろか、支払いスケジュールの見直しにも応じてくれんなり、社長自身もストレスから暴飲暴食を繰り返し、体重は100キロを突破、背中にゃあ謎の腫瘍までできたっちゅうき、なかなか壮絶ながよ。
そんなドン底の状況からいかに抜け出し、17年間連続で増収増益、入社時の3倍の売上12億円を達成し、V字回復を果たすことができたがか・・・その秘密が本書にゃあ明かされちゅうがやき。
それをまとめりゃあ、次の4つの改革になるがよ。
々馥盂阿離灰鵐謄好箸暴佗覆掘第三者からの客観的な評価をPRに生かす。
△客さんが本当に求めるもんを知るために、直接のつながりを持つ。
F本酒を体験としてエンターテインメント化し、日本酒の原点を取り戻す。
ぢい蠎蠅造りたいもんやのうて、お客さんが心から求めゆう味わいを創る。
これらあの詳細についちゃあ、是非本書をお読みいただきたいがやき。
こっから後は、ワシが本書から学んだエッセンスを、ちくとご紹介さいていただきますぜよ。
まず一番重要なポイントは、「味がよけりゃあ売れる」っちゅう思い込みから脱却し、「商品を売る技術も必要」やっちゅうことに気づくことながよ。
ワシらあ蔵元や地酒専門店らあが陥りがちなワナは、「品質がえいもんやったら売れる」っちゅう思い込みながやき。
けんど、もはやどこの世界も、品質がえいことは当たり前の大前提ながよ。
その大前提を踏まえた上で、いかにその素晴らしさを伝えて、売ることができるかっちゅう、そんな技術が必要やっちゅうことに、まずは気づかにゃあ、もはや未来はないっちゅうことながやき。
次に重要なポイントは、「お客さんの声」をしっかり聴いて、商品開発に生かすっちゅうことながよ。
2003年、渡邉社長さんが観光で蔵見学に来られた70歳ばあのシニア男性を案内しよったとき、突然「あのお酒はなんや!?」っちゅうて尋ねられたっちゅうがやき。
そりゃあ、コンテストらあへの出品酒で、紫外線を防ぐために一升瓶を新聞紙で巻いた状態で貯蔵・保管しちょったお酒やったっちゅうがよ。
説明を聴いたそのお客さんは、「金に糸目はつけんき、売ってくれ!」っちゅうてきたっちゅうがやき。
そこで渡邉社長は、「なるほど、お客さんっちゅうんは、こういうんが魅力的に見えるがや」と気づき、そっから新聞紙で巻いた「番外品・蔵元の隠し酒」が誕生したっちゅうがよ。
2004年に発売された「番外品・蔵元の隠し酒」は大ヒットし、それがV字回復のきっかけとなったっちゅうがやき。
いまじゃあ新聞紙を巻いた酒はアチコチにあるけんど、渡辺酒造店がその元祖やったっちゅうことながよ。
最後にご紹介する重要なポイントは、「自社のマイナス面を嘆くがやのうて、逆手にとってプラスに変える」っちゅうことながやき。
渡辺社長が蔵に戻った頃は、飛騨地区にゃあ13軒の酒蔵があり、その銘柄にゃあ「上位」「中位」「下位」っちゅう、厳然としたヒエラルキーが存在しちょって、「蓬莱」は最下層に位置しちょったっちゅうがよ。
ほんじゃき、ナンボ品質をアップさいたち、周囲の酒販店も問屋も、リベートを出さにゃあロクに扱うてもくれんかったっちゅうがやき。
ほいたら都会のデパートで売ってもらおうっちゅうことで、片っ端からセールスをかけたけんど、無名の銘柄じゃあどっこも相手にしてくれんかったっちゅうがよ。
そっから渡辺社長は、一般のお客さんと直接つながって直接買うていただくっちゅう、ダイレクト販売の手法を生み出すことになるがやき。
つまり、まともなお得意先がなかったっちゅう超マイナス面があったきにこそ、それを逆手にとって、新たな販売ルートを創出することができたっちゅうことながよ。
しかもそのダイレクト販売の手法は、このコロナ禍で一層威力を発揮しちゅうがやき。
自社のマイナス面は、もしかしたら長い目で見りゃあ、大いなるプラスに転じるベースになるかもしれんっちゅうんは、ワシにとっちゃあこぢゃんと大きな学びになったがよ。
渡邉社長、まっことありがとうございます!
渡辺酒造店9代目・渡邉久憲社長の著書「日本酒がワインを超える日」は、あらゆるビジネスパーソンに参考になる事例らあが満載の、こぢゃんとお薦めの書籍ながぜよ。
Posted by tsukasabotan at
09:00
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コロナ禍必読の書!「世界は贈与でできている」ぜよ!
今回もまた、「哲学」関係のお薦め書籍のご紹介ながやき。
「世界は贈与でできている〜資本主義の『すきま』を埋める倫理学〜」(近内悠太 著 News Picks Publishing 2020年3月13日発行 1,800円+税)っちゅう書籍で、オビにも書かれちゅう通り、糸井重里氏や茂木健一郎氏や山口周氏らあが絶賛しちゅうっちゅうに、何と本書が著者のデビュー作やっちゅうがやき、まっことビックリ仰天ながよ。
![写真1 世界は贈与でできている](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/f/0/f026c1aa.jpg)
![2021.9.14写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/a/f/afc01874.jpg)
著者の近内悠太氏が、最有望の哲学者やと語られゆう所以(ゆえん)やっちゅうことながやき。
ほいたら、本書の内容やけんど、哲学書でありながら、SF小説や漫画らあについても解説されちゅうっちゅうんが、まっこと新しいがよ。
今から46年前の昭和50(1975)年に出版された、小松左京さんのSF小説「復活の日」(角川文庫)にゃあ、次のような描写があるっちゅうがやき。
![写真3 復活の日](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/6/a/6aa778bf.jpg)
「たった2ヶ月前までは人であふれていた、平日の通勤ラッシュ時の電車や駅のホームに、人がまばらになった。」
「たかがインフルエンザじゃないか・・・そのたかががどこか心の奥底の方で、まさかにかわりつつあった。」
「巨人-広島第十回戦、両軍選手多数インフルエンザのため、ついにお流れ。」
「映画製作中止続出、大スターの急死の痛手、急場の埋め合わせ間に合わず。」
「復活の日」は、軍事用に開発されたウイルスの蔓延により、南極大陸に残る人間を残して、地球上すべての人類が死に至るさまを描いた物語ながやけんど、まるでコロナ禍を予言したかのようでゾッとするがよ。
ほんで、「復活の日」の後半部に、大学で文明史を教えるスミルノフ教授っちゅう人物が登場するがやき。
彼が最期の力を振り絞り、もはやほぼすべての人類が滅亡した世界に向けて、ラジオを通して最後のレクチャーを発信する長いシーンがあるがよ。
地球上に、もはや誰も自分のラジオ講義を聞いてくれる人がおらんことを分かっちょりながら、それでも語らずにゃあおれん。
自身もすでにウイルスに罹患し、放送の途中で意識を失いかけもって、そして心臓の発作に襲われもっても語り続けるがやき。
なんでスミルノフ教授は、誰っちゃあ聞く人がおらんなった世界に向こうて言葉を発し続けるがか。
そりゃあ「学者の責任」「哲学者の責任」やからやっちゅうがよ。
どういう責任かっちゅうたら、人間もまた生物にすぎんっちゅう、人間の真の姿とその意味を学者は知っちょって、それを人々に伝えるっちゅう責任ながやき。
ほんで、自分はそれを知っちょったにもかかわらんと、その責任を果たしてこんかった。その強い後悔の念が、彼を突き動かしゆうがよ。
ほんで、この災厄の責任は、科学者やのうて、哲学者にあったと断じるがやき。
そして今、コロナ禍において、世界中の哲学者らあが続々と発言しよって、書店にも哲学関係の書籍がズラリと並んじゅうがよ。
そりゃあ「哲学者の責任」として、人間の真の姿とその意味を、ワシらあに伝えようとしゆうかのようながやき。
「復活の日」じゃあ、誰っちゃあ聞くことができんかったスミルノフ教授の魂の言葉を、世界の叡智の言葉を、ワシらあは今、聞くことができるっちゅうことながぜよ!
続いては、ワシがこぢゃんと感動した、「アンサング・ヒーローが支える日常」っちゅうパートを、ちくと詳しゅう紹介さいていただきます。
まず、透明な半円形の器が2つあると想像していただきたいがよ。
1つは上向きに置かれ、中に丸いボールが入っちゅうがやき。
もう1つは伏せて置かれ、頂上に丸いボールが乗っちゅうがよ。
器は透明やき目にゃあ見えんき、どちらのボールも静止しちゅうように見えるがやき。
こりゃあ、物理学的にゃあ「つり合い」っちゅう状態やけんど、前者のボールは「安定つり合い」、後者のボールは「不安定つり合い」っちゅうて、両者は全く違う状態ながよ。
ボールが静止しちゅう限り差異はないがやき。
劇的な変化は、外的要因によって力を受け、ボールの位置が変化したときに生じるがよ。
そりゃあ復元力の有無によって決定されるがやき。
「安定つり合い」のボールは、変位が生じたち復元力によって勝手に元の位置に戻ってくるがよ。
それに対し「不安定つり合い」のボールは、均衡が破れりゃあ二度と元の位置に戻ってくるこたぁないがやき。
もし、元の位置に戻したけりゃあ、ボール、曲面、重力っちゅう閉じた系の外から力を加えにゃあならんがよ。
ほんで著者は、このような「安定つり合い/不安定つり合い」は、ワシらあの日常、あるいは取り巻く世界、つまり文明のメタファー(隠喩:あからさまな比喩表現を使わんたとえ)やっちゅうて語るがやき。
どちらのボールも今は静止しちゅうがよ。
そりゃあ、昨日と同じような今日がやってくるっちゅうことを表しちゅうがやき。
停電が起きたちすぐ復旧し、電車がストップしたちそのうち運転再開となるがよ。
コンビニの品薄状態も一時的で、配送トラックが来りゃあ商品は滞りなく補充されるがやき。
ほんじゃきワシらあはつい、このボール(=社会)がくぼみに置かれた「安定つり合い」やと思い込んでしまうがよ。
つまり、復元力が働きゆうがゆえに、少々の社会的混乱も自然に収まると思い込んじゅうがやき。
けんど、ここにゃあ問題があると、著者は指摘するがよ。
この世界が「安定つり合い」やと思うちゅう人は、少のうたち「感謝」っちゅう重要な感情を失うがじゃっちゅうがやき。
なんでかっちゅうたら、彼らの目にゃあ、「電車の遅延」も「コンビニの欠品」も、ボールを安定点から意図的にずらした奴がおる、と映るきで、彼らはそれに苛立ってしまうがじゃっちゅうがよ。
けんど、この世界は、安定たぁ真逆の、「丘の上に偶然置かれたボール」のような状態ながやないろうか?
ギリギリの均衡を保ち、かろうじて昨日と同じような今日がやってくるっちゅうことながやき。
ほんで、もしそうやったら、どこまでやち落ちていこうとするがを何とか止めて、元の位置に戻そうとする外力が存在しちゅうはずながよ。
ほんで、そのような外力の存在は、外力っちゅう支えを失うて、奈落の底まで落ちていく光景を目にして初めて「そこにゃあ転落を止めようとする力が働きよった」と気づくことができるがやき。
ほんで著者は、「アンサング・ヒーロー」っちゅう概念を提示するがよ。
「ひとりの村人が道を歩きよったら、堤防にチンマイ『蟻の穴』を見つけた。何気のう小石をそこに詰め込んで穴を塞いだ。その『蟻の穴』は、放置しちょいたら次の大雨のときそっから堤防が決壊して、村を濁流に流すはずの穴やった。けんど、穴が塞がれたせいで、堤防は決壊せんと、村にゃあ何事も起きんかった。この場合、穴を塞いだ人の功績は誰っちゃあに知られることがない。本人も自分が村を救うたことを知らん。」(「街場の憂国論」 内田樹 著 晶文社 2013年10月5日発行 1,700円+税)
その功績が顕彰されん陰の功労者、歌われざる英雄がアンサング・ヒーロー(unsung hero)ながやき。
つまり、評価されることも褒められることものうて、人知れんと社会の災厄を取り除く人っちゅうことながよ。
この世界にゃあ無数のアンサング・ヒーローがおった。
ワシらあはあるとき、その事実に気づくがやき。
その気づきは、この文明が「丘の上に置かれた不安定なボール」やと気づくがと同時に訪れるがよ。
ほんじゃきアンサング・ヒーローは、想像力を持つ人にしか見えんと、著者は語るがやき。
アンサング・ヒーローは、その定義上、ワシらあに分かる形じゃあ名乗っちゃあくれんがよ。
しかも、「その活躍が災厄を未然に防いだ」っちゅう事実によってのみ、その存在が同定されるような存在者ながやき。
ほんじゃき「この世界にゃあ災禍が間違いのう起こっちょったはずやのに、なんでか知らんけんど、それが防がれた」。
だとすりゃあ、「それを防いだ人あるいは防ぎ続けゆう人がおるはずや」っちゅうふうに、想像できる人だっけがその存在を把握することができるがよ。
ほんで、アンサング・ヒーローになるにゃあ、このプロセスを経るしかないと、著者は語るがやき。
なんでかっちゅうたら、まずアンサング・ヒーローにゃあインセンティブつまり報酬が渡されんきながよ。
誰っちゃあに知られることのう未然に災厄を防いでしまうきながやき。
また、ある人がアンサング・ヒーローにならいじゃち、誰っちゃあ彼を責めんがよ。
なんでかゆうたら、アンサング・ヒーローが行う贈与はもともと誰の責任でもない仕事やからながやき。
防がんかったとしても誰の責任にもならんけんど、自分がやらにゃあいかんと感じる人のことをアンサング・ヒーローと呼ぶがよ。
ほんで、ここが重要やと著者は語るがやき。
アンサング・ヒーローは自分が差し出す贈与が気づかれいじゃち構わんと思うことができる。
それどころか、気づかれんまんまであってほしいとさえ思うちゅう。
なんでかっちゅうたら、受取人がそれが贈与やと気づかんっちゅうことは、社会が平和であることの何よりの証拠やきながよ。
自身の贈与によって災厄を未然に防げたきにこそ、受取人がそれに気づかんがやき。
ほんじゃき、ワシらあが気づいてないだっけで、この社会にゃあ無数のアンサング・ヒーローが存在しちゅうがよ。
その純然たる事実に気づいた人だっけが、その前任のアンサング・ヒーローから贈与のプレヒストリーを与えられ、自身が再びアンサング・ヒーローの使命を果たしていくがぜよ。
ほんで著者は、本書のラストで次のように語るがやき。
なんでワシらあは「仕事のやりがい」を見失うたり、「生きる意味」を自問したりしてしまうがか。
それが「交換」に根差したもんやきながよ。
ギブ&テイク、ウィン-ウィン。残念ながら、そん中から「仕事のやりがい」「生きる意味」は出てこんっちゅうがやき。
これらあは、贈与の宛先から逆向きに返ってくるもんやきながよ。
それが、アンサング・ヒーローとなり、贈与の宛先から逆向きに仕事のやりがいと生きる意味を与えられるための道やっちゅうがやき。
ただし、ここじゃあ注意が必要やっちゅうがよ。
「仕事のやりがいと生きる意味を与えてもらいたいきに贈与する」っちゅうんは矛盾やっちゅうがやき。
完全なる矛盾であり、どうしょうもない自己欺瞞やっちゅうがよ。
そんなモチベーションじゃあ、やりがいも生きる意味も与えられんっちゅうがやき。
不当に受け取ってしもうた。ほんじゃき、このパスを次につなげにゃあならん。あくまでも、その自覚から始まる贈与の結果として、宛先から逆向きに「仕事のやりがい」や「生きる意味」が、偶然返ってくるっちゅうことながよ。
「仕事のやりがい」と「生きる意味」の獲得は、目的やのうて結果ながやき。
目的はあくまでもパスをつなぐ使命を果たすことながよ。
ほんじゃき著者は差出人から始まる贈与やのうて、受取人の想像力から始まる贈与を基礎に置いたがやき。
ほんで、そこからしか贈与は始まらん。
そのような贈与によって、ワシらあはこの世界の「すきま」を埋めていくがよ。
この地道な作業を通して、ワシらあは健全な資本主義、手触りの温かい資本主義を生きることができるがやと、著者は締め括るがやき。
さて最後に、ワシなりにまとめてみりゃあ、以下のとおりになるがよ。
このコロナ禍において、世界中の哲学者らあが危機感を持って様々な発言をしゆうき、今ワシらあは世界の叡智の言葉を聞くことができるっちゅう、ある意味恵まれた環境におるといえるがやき。
本書もまさに、そんな中のお薦めの1冊やっちゅうことながよ。
ほんで、コロナ禍中にて、この文明が「丘の上に置かれた不安定なボール」やったがやと気づき、想像力により実はこれまでたくさんのアンサング・ヒーローに支えられちょったがやと気づき、それらあに感謝することができりゃあ、誰やちアンサング・ヒーローになり得るっちゅうことながやき。
街のちんまい酒屋さんやち、酒の楽しさや豊かさを伝えることで、誰かに生きる希望を与えて、災厄を未然に防いじゅうかもしれんがよ。
そして、アンサング・ヒーローの使命に覚醒し、その覚悟を決めて歩みだいたとき初めて、「仕事のやりがい」や「生きる意味」が、贈与の宛先から逆向きに返ってくるっちゅうことながぜよ。
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ポストコロナのディストピアを生き抜く!「コロナ時代の哲学」ぜよ!
今回も、「哲学」関係のお薦め書籍のご紹介ながやき。
ちなみに、「哲学」っちゅうたら、難しい言葉を並べるだっけで、実生活にゃあ役に立たん机上の空論だらけやと思われちゅうかもしれんけんど、そりゃあ全く逆ながよ。
実は「哲学」たぁ本来、世の中の問題を発見し、それに対応するための概念を作り出す営みであり、世の中のあらゆる問題を解決に導くことができる実学ながやき。
ほんじゃき、昨年新型コロナウイルスの感染拡大が始まって以来、世界中の哲学者らあが続々と発言しはじめ、書店にも哲学関係の書籍がズラリ並ぶようになっちゅうがよ。
ワシ自身も、これまであんまり読んでこんかった哲学関係の書籍を、この1年半ばあの間に何十冊も読みあさってしもうちょったがやき。
ほんでそりゃあ、このコロナ禍において、ワシらあの存在の仕方そのもんが根本から揺るがされよって、ワシらあはこれでえいがか、変わるべきながか、どう変わるべきながか・・・こうした問いに対する答えを求めての無意識の行動やったがよ。
そんな中で、今、「哲学」っちゅうツールを使うて、コロナ禍と未来を見据え、世界を正しゅう捉え直し、生きる意味と酒の業界の存在意義らあを見出すことで、この業界に魂のエネルギーをチャージできるはずやし、そりゃああらゆる業界にとったち同様やと、ワシゃあ確信しちゅうがやき。
ちゅうことで、今回ご紹介さいていただく哲学書は、「コロナ時代の哲学〜ポストコロナのディストピアを生き抜く〜」 (大澤真幸・國分功一郎 著 左右社 2020年7月30日発行 1,300円+税)ながよ。
![写真1 コロナ時代の哲学](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/5/5/559731db.jpg)
![2021.9.9写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/0/e/0e96f723.jpg)
個人思想誌「THINKING「O」」を主宰する社会学者・大澤真幸氏が、気鋭の哲学者・國分功一郎氏を招いての対談本で、まずはイタリアのジョルジオ・アガンベンの論考について、語り合うちゅうがやき。
ジョルジオ・アガンベンは、現役の哲学者の中で、最も重要な哲学者のひとりといわれちゅうがよ。
ほんで、そんなアガンベンが、コロナ禍において発表した「根拠薄弱な緊急事態によって引き起こされた例外状態」以降、世界中で賛否両論の論争を巻き起こしちゅうがやき。
まず、昨年2月にアガンベンが発表した前記の論考が、いわゆる「炎上」を起こしたがよ。
当時、イタリア国立衛生研究所は、ウイルスに感染したち集中治療を受けにゃあならんがはわずか4%やき大したこたぁないっちゅうて言いよったがやき。
それにもかかわらんと、政府は様々な自由に制限をかけ、甚大な権利侵害が行われゆう。かつては権利侵害の口実として使われよったテロリズムが利用できんなった今、権利侵害の口実として「伝染病の発明」が行われたがじゃ。
これが概ね、最初にアガンベンが述べたところながよ。
ほんで、これが多くの批判を呼ぶことになったがやき。
特に批判されたがは「伝染病の発明」っちゅう部分ながよ。
確かに伝染病が権利制限の口実に使われゆうっちゅうんは分かるとしたち、「発明」っちゅう表現は、コロナ禍初期の頃の発言であったとしたち言い過ぎやと、ワシも思うがやき。
けんど、アガンベンのその後の主張にゃあ、コロナ禍においてワシらあが深う考えちょかにゃあいかん、こぢゃんと重要な論考が含まれちゅうがよ。
そのひとつが「死者の権利」ながやき。
今、死者たちが葬式もなされんまんま、埋葬されゆうがよ。
人々はそれを受け入れ、驚くべきことに教会ですらそれについて何も言わんがやき。
けんど、死者が埋葬の権利をもたん社会、死者の権利を踏みにじる社会においちゃあ、倫理や政治はどうなってしまうがか。
そもそも、生存だっけを価値として認める社会たぁいったいどんな社会ながやろか。・・・アガンベンはこう問うたがよ。
死者の権利を蔑ろにするっちゅうことは、アガンベンの言う通り、生存だっけを至上の価値とすることながやき。
もちろん生存は大切やし、命は大切ながよ。
そのこたぁ絶対に忘れちゃあならんがやき。
けんど、生者中心主義のようなもんが出てきたら、生きちゅうもんらあの社会もおかしゅうなってしまうがやないかよっちゅうて、アガンベンは問いゆうわけながよ。
「死者の権利」っちゅう考え方、この言葉はこぢゃんとインパクトがあると思うがやき。
とはいうたち、ワシらあは実際にゃあそのようなもんを認めて社会を運営してきたがよ。
つまり、これまでに死んでいった人らあの歴史の重みが、今の生者の社会や法や倫理を支えちゅうっちゅうことながやき。
たとえば、法に従うっちゅうことそのもんを支えちゅう法意識のようなもん、法に対する敬意と言うたちえいと思うけんど、そうしたもんは結局、これまで法が守られてきたっちゅう歴史に支えられた感覚でしかないがよ。
身の回りを探したち、その根拠はどこっちゃあにないがやき。
ほんで、その感覚はワシらあが死者の権利を認め、それに敬意を払いゆうきにこそ生まれるもんじゃあないろうか。
死者の権利を忘れたとき、ワシらあはペラッペラの現在しかない生を生きることになるがよ。
アガンベンがかつて「ホモ・サケル」をはじめとする著書で提唱した概念に、「剥き出しの生」があるがやき。
こりゃあ、自由や権利、人格を奪われ、ただ生きちゅう状態を意味するがよ。
「生存だっけを価値として認める社会」たぁ、この「剥き出しの生」だっけが政治的な主題となる社会じゃと言えるっちゅうことながやき。
皆さんはこの「死者の権利」を、どのように感じられつろうか?
ワシにとっちゃあ目からウロコやったがよ。
考えてみりゃあ、日本っちゅう国がその歴史や伝統文化において、世界中から尊敬の念を集めゆうがは、日本が世界で最も悠久の「死者の権利」に支えられた国やからじゃとも言えるろうし、そりゃあ日本酒においたち然りながやき。
この長期化するコロナ禍において、「死者の権利」について深う考えるこたぁ、未来を見据え、世界を正しゅう捉え直すために、大きな意味を持つもんやとワシゃあ考えるがぜよ。
続いては、ワシらあ酒の業界の真の存在意義にもかかわるような内容についても掲載されちゅうき、そちらについてもこの後にご紹介さいていただくがよ。
たとえば自分が酒販店を経営しゆうとして、ちくと想像力を働かせてみりゃあ、自店が提案した日本酒の楽しさによって、救われたっちゅう人がこの世に何人もおるかもしれんっちゅうて、気づくはずながやき。
けんど、さらに想像力を働かせりゃあ、真逆もあり得ると気づくはずながよ。
ワシらあは誰やち、自身の何気ない一言や行動で、知らず知らずのうちに誰かを傷つけちゅうかもしれんがやき。
ましてや、酒類っちゅう存在は諸刃の剣やきに、特に気をつけにゃあならんがよ。
2010年のWHO総会において「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」が採択されて以来、酒類に対する考え方は、世界中で年々厳しゅうなりよって、健康被害が喧伝され、規制は厳しゅうなり続けゆうがやき。
さらに長期化するコロナ禍で、歯止めのかからん家飲みによるアルコール依存症の問題が喧伝され、さらにさらに、「まん防」や「緊急事態宣言」下にて飲食店での酒類提供が禁止され、酒類だっけが悪者扱いされゆうがよ。
つまりワシらあにゃあ、一本芯の通った揺るぎない「哲学」がどういたち必要じゃと言えるがやき。
酒類の規制や健康被害等についてしっかりと学び伝えもって、酒類の健康効果を訴えることも必要やろうけんど、これだっけじゃあいかにも弱すぎるがよ。
ワシが「酒道 黒金流」(https://shudo-kurogane.jp/)を創始したがも、このような流れの中で揺るぎない「哲学」が必要やと感じたことも一因ながやき。
そんな揺るぎない哲学を打ち立てるために、ワシらあ酒の業界の真の存在意義について考えていかにゃあいかんと思いよったら、この書籍の内容にこぢゃんと大きなヒントがあったがよ。
そりゃあ、「チンパンジーの鏡像認知実験」っちゅうがやき。
この実験は、鏡を見たときに鏡像が自分自身やと分かるかどうかをチンパンジー相手に試したっちゅう実験ながよ。
一般にチンパンジーは、このテストに合格するっちゅうがやき。
つまり、鏡に写った自分の姿を自分やと認識できるがよ。
ところが、生後すぐに母親から引き離され、隔離された状態で成長したチンパンジーは、このテストに合格することができんかったそうながやき。
ほいたら、仲間のチンパンジーを見たことがなかったきに、そうなったがやないかっちゅうことで、隔離されちゃあおるもんの、仲間のチンパンジーをガラス越しに見るこたぁできる環境で成長したチンパンジーに同じテストを試したところ、このチンパンジーも合格できんかったっちゅうがよ。
こっからは、チンパンジーの自己認識や他者感覚が、接触をとものうた他者経験によって生み出されゆうがやないかっちゅう仮説が導き出せるがやき。
おそらく、人間の自己認識や他者感覚もおんなじであると言えるがよ。
じゃれあうとか、肩がぶつかるとか、対峙するとか、あるいは抱き合うとか、集いの中で酌み交わすとか・・・そうした身体経験が自我、ひいては社会性の起源にあるがやないろうか。
つまり、身体を持った人間が直に触れ合うっちゅう身体性の次元が自我や他者性、ひいては社会性に不可欠ながやないかっちゅうことながやき。
長期化するコロナ禍で、目下ワシらあが目指しゆう非接触型の世界は、何か根本的なもんが失われてしまうっちゅうことながよ。
「集いの中で酒を酌み交わす」っちゅう行為は、身体を持った人間が直に触れ合うっちゅう重要な行為の一形態であり、そりゃあ自我や他者性、ひいては社会性の形成に不可欠な行為やっちゅうことであり、つまりは「不急」じゃああるかもしれんけんど、断じて「不要」らあじゃあないと断言できるっちゅうことながぜよ!
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「世界は善に満ちている」、トマスの「肯定の哲学」はコロナ禍に必読ぜよ!
様々な自然災害やコロナ禍が蔓延しちゅう現代、世の中にゃあネガティブな視線が横溢し、「世界は災厄に満ちちゅう!」と受け取ってしまう人々が、このままじゃあ増加する一方ながやき。
![9月7日の写真1 世界は善に満ちている](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/4/8/486d8dd6.jpg)
![9月7日の写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/e/c/ec5138e6.jpg)
ほいたら、未来に希望が持てん人が増え続けることになるわけやき、そうなりゃあ生きがいも何もあったもんやないがよ。
そこで、そんな世界を正しゅう捉え直すための恰好の書籍、「世界は善に満ちている〜トマス・アクィナス哲学講義〜」(山本芳久 著 新潮選書 2021年1月25日発行 1,600円+税)を、今回はご紹介さいていただきますぜよ。
このタイトルに、「何を脳天気なことを言いゆう!」っちゅうて反発を覚える人が多いかもしれんけんど、そういう方にこそ、ご一読を強うお薦めするがやき。
本書で語られちゅう内容は、薄っぺらなポジティブシンキングたぁかけ離れた、深い人間洞察と深い思索によって支えられちゅうと言え、人間や世界に対するニヒリスティックな思考も、明解な論理で説得力をもって溶かしてくれるがよ。
なお、このワシのブログやFacebookで、その真の内容の深さを伝えるこたぁ不可能やきに、興味を持たれた方は是非本書をお読みいただくことをお薦めさいていただきます。
学生と哲学者の対話っちゅう形式をとっちゅうきにこぢゃんと分かりやすうて、気負いのう読み進めることができるはずながやき。
ほいたら内容についてやけんど、まずトマス・アクィナスは、西洋中世の神学者・哲学者で、本書はトマスの主著「神学大全」をベースに書かれたもんやけんど、キリスト教の解説本じゃあないがよ。
「神学大全」から人間の「感情」について書かれた部分を取り出し、人間にとっての「愛」と「善」の意味を考えていくっちゅう内容ながやき。
まず、「愛」に対立するがは「憎しみ」やけんど、よう考えてみりゃあ、憎しみは愛があるきにこそ生じるけんど、その逆に、愛は憎しみがあるきに生じるっちゅううふうにゃあなってないがよ。
ここにゃあ非対称性があるがであって、愛のほうが憎しみよりか圧倒的に優位にあると言えるがやき。
ほんじゃき、なんぼ人が憎しみにとらわれちょったとしたち、その人の心の底にゃあ人間に対する深い愛が存在しちゅうがよ。
人が憎しみにとらわれるがは、ちょうど足に小さなトゲが刺さっちょったら、こぢゃんと痛むようなもんで、憎しみがいっとき大きなもんとして見えゆうにすぎんっちゅうがやき。
むしろその底に潜む愛こそが、人間存在を突き動かしゆう真の起動力であり、愛はあらゆる感情の根源にあると説くがよ。
この点に目を向けることで、世界の見方はガラリと変わるっちゅうて著者は言うがやき。
自分の心が憎しみ一色に塗りつぶされそうになるとき、憎しみっちゅう否定的な感情のみじゃのうて、愛っちゅう肯定的な感情が心のうちに潜んじゅうことに気づけることだけやち、大きな救いとなるがよ。
人間がどればあ悪しき在り方に陥ってしもうたとしたち、その悪しき在り方の根底にゃあ、何らかの善に対する愛があるがやき。
たとえ歪んだ仕方になっちょったとしたち、何らかの善に対する愛から、その行為や発言が行われゆうがよ。
そのような枠組みで自分や他者のことを見直しゃあ、いろいろなことをより積極的な観点から捉え直すことができるようにもなるがやき。
その「善に対する愛」を軸にしもって、歪んだ在り方を修正し、全体としてより善い在り方を構築し直していきゃあえい。
人間にゃあそのような自己回復力が与えられちゅう。
そう考えるがが「肯定の哲学」ながよ。
また、ワシらあの日常は、実は「気に入ること」によって支えられちゅうと言うたち過言やないと著者は語るがやき。
トマスの定義によりゃあ、「愛」たぁ、「欲求されうるもの(=善)が気に入ること」、つまり「魅力的なものが気に入ること」ながよ。
ほんで、そりゃあ別の角度から見りゃあ、「魅力的なもんがワシを喜ばせること」となるがやき。
いわば、この世界の中にある対象の側がイニシアティブを取って、ワシを喜ばせてくるっちゅうことながよ。
この世界にゃあ、様々な魅力的なもんが充ち満ちちょって、それがワシらあの心を触発し、愛っちゅう感情を生んでいくがやき。
「愛」たぁ、いわばこの世界とワシらあをつなぐ絆のようなもんながよ。
この世界のなかにワシの心と響き合う何かがある、えいにゃあと思える誰かがおる。
たとえ手に入れることはできんかったち、今はまだ手に入らんかったち、素敵やと思える人やものと出会えちゅうこと自体が一つの達成であり、出会えることが「幸福」ながやと著者は語るがやき。
ほんで、いま自分に見えちゅうもんが、この世界のすべてじゃあないがよ。
この世界のうちにゃあ、まだ自分にゃあ見えてない様々な価値、様々な「善」が存在しちゅうがやき。
ある種の訓練(たとえばソムリエ的な味覚の訓練など)を積むことによって、または「徳」を身につけることによって、もしくは自分の心にふとした機会に訴えかけてくる何らかの善との出会いによって、より多様で豊かな善の世界へと自らが開かれていくがよ。
ワシらあの生きちゅうこの世界にゃあ、未知なる善が計り知れんばあ埋もれちゅう。
・・・そういう感覚を持って生きることができりゃあ、人生の奥行きや広がりらあが随分と変わってくるがやき。
これが「肯定の哲学」ぜよっちゅうがよ。
ほんじゃきこそ著者は、この世界の様々な事物に「欲求可能性」を感じることができるかどうかが、ワシらあが生きていく上で、死活的に重要なことやと語るがやき。
トマスは、人間が「愛」っちゅう感情を抱くがは、外界の「善(=欲求されうるもの)」の働きかけを受け、その「刻印」が心に刻まれることであるとも表現しちゅうがよ。
アリストテレスらの哲学から刻印を受けたトマスが、それを発展させ新たな哲学を紡ぎ出していく。
そのトマスから刻印を受けた著者が、本書を執筆することによって、新たな刻印が読者一人ひとりの心の中に刻み込まれていく。
その著者から刻印を受けたワシがこの「blog&Facebook」を書き、読者の皆さんの心の中にも何らかの刻印が刻み込まれていく。
・・・このような「刻印の連鎖」によって、一人ひとりの人生がより豊かになっていき、世の中がより豊かになっていくっちゅうことながやき。
さて最後に、ワシらあ日本酒業界のやるべき仕事を、トマス的に表現してみたいと思うがよ。
ワシらあのやるべき仕事たぁ、日本酒の「欲求可能性」にまだ気づいてない、つまり日本酒っちゅう「欲求されうるもの」の本当の魅力にまだ出会うてない、そういう方々に働きかけ、日本酒を活用した生活を気に入ってもらうこと、その方々の心に日本酒の魅力っちゅう「刻印」を刻み込むことじゃっちゅうて、表現できるがやないろかのう。
ほんで、その仕事たぁ、人々の人生を豊かにし、場合によっちゃあ生きがいすら与えることができ、世の中も豊かになっていくっちゅう、「大いなる愛の行為」じゃっちゅうて言えるがぜよ!
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アンサング・ヒーローの物語!「かかわる人を幸せにするお掃除会社」ぜよ!
今回は、ワシの高知青年会議所時代からの仲間であり盟友の、中澤清一さんが書籍を出版されたき、そちらをご紹介さいていただきますぜよ。
タイトルは、「かかわる人を幸せにするお掃除会社〜本気のクレーム対応と魔法のホウ・レン・ソウ〜」(中澤清一 著 株式会社きんざい 2021年8月18日発行 1400円+税)ながやき。
![写真1 書籍表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/3/a/3a4d70f1.jpg)
![写真2 書籍裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/6/a/6a93ac7c.jpg)
著者の中澤さんは、四国管財株式会社(http://www.shikokukanzai.co.jp/ )っちゅう、高知県の清掃会社の社長(現在は会長)さんながよ。
中澤さんは、自身が中学2年の時に亡くなられたお父様の遺志を継ぎ、また障がいがありながら同社社長に就任されたお母様を楽にしてあげたいっちゅう思いで、同社に入社されたっちゅうがやき。
ほいたら、当時はほとんどの社員さんらあが、清掃会社は人に言えんような恥ずかしい会社やと思うちょったっちゅうがよ。
社員さんの結婚披露宴に出席した際にゃあ、仲人さんの紹介で清掃会社に勤めゆうことを隠されたりしたっちゅうがやき。
また、勤続10年以上のリーダー格の社員さんですら、清掃会社で働きゆうっちゅうことを子供に話してないっちゅうことを知り、中澤さんは衝撃を受けたっちゅうがよ。
そんな経験から、「社員さんが、自分の子供に自慢できる会社にする」、「結婚相手の親が、会社名を聞いて、『あそこに勤めゆうやったら間違いない』と言うてくれる会社にする」っちゅう、自分のやるべきことがハッキリ見えたっちゅうがやき。
そっから、中澤さんの「えい会社」の追求が始まったっちゅうがよ。
えい会社があるっちゅうウワサを聞きゃあ、どこへでも出向き、話を聞いて、マネをし続け、失敗もしまくったっちゅうがやき。
成果主義を導入して厳しゅう社員さんを管理した際にゃあ、社内は殺伐として、どんどん社員さんが去っていったっちゅうがよ。
そんな中で、トヨタビスタ高知(現ネッツトヨタ南国)の横田英毅社長(当時)さんとの出会いがあり、「一番大切な事は、一番大切な事を、一番大切にする会社」っちゅう言葉を教えていただき、日本経営品質賞を目指すきっかけになり、「えい会社」の概念がガラッと変わったっちゅうがやき。
さらに、アントレプレナーセンターの福島正伸社長さんからは、感動の経営手法と、すべては自分の責任であるっちゅう「自己責任の姿勢」を教えていただいたっちゅうがよ。
そんなふうに多くの人に教えられ、ようやく「えい会社たぁ、社員さんが安心して働ける会社である」っちゅう考えにたどりつくことができたっちゅうがやき。
社員さんが安心していきいき仕事ができりゃあ、それが社員さんの幸せとなり、お客様の幸せにもなり、ひいては会社の発展につながることがわかったっちゅうがよ。
四国管財さんは、中澤さんが社長を勤めた約20年間、一切と言うたちえいばあ新規の営業活動をしてのうて、ほとんどがお客様からの紹介、リピート、ウワサを聞いてお客様になってくださった人らあだっけで、発展してきたっちゅうがやき。
ほんで本書じゃあ、同社の最大の強みであり、独自能力ともいえる「クレーム対応」と「報告・連絡・相談」の仕組みについて詳しゅうに解説されちょって、どういて「クレーム対応」と「報告・連絡・相談」で、社員さんの安心と顧客満足を得られたがかについてが、余すところのう明かされちゅうがよ。
まず「ホウ・レン・ソウ」についてやけんど、たかが「ホウ・レン・ソウ」と侮るなかれ、この書籍を読みゃあ、どこの企業にとってもあまりに当たり前と思われる「ホウ・レン・ソウ」やち、ここまで徹底してトコトン極めりゃあ、他社との差別化どころか、完全な独自化になるんやっちゅうことが、ハッキリと腑に落ちて理解できるがやき。
「ホウ・レン・ソウ」の原点たぁ愛、つまり大切な人を不安にさせないための愛じゃっちゅう、その出発点からして衝撃的ながよ。
次に「クレーム対応」についてやけんど、「クレームは宝の山」宣言をして程のう、真摯なクレーム対応により、売上が3倍になったっちゅう実例が現れ、「クレームに寄り添うて誠実に対応すりゃあ、会社の営業につながる」っちゅうことを確信できたっちゅうがやき。
また、四国管財さんじゃあ、クレームのことを「ラッキーコール」と呼びゆうがやけんど、このネーミングは何と!本に出ちょったネタをワシが中澤さんに伝えたことから名づけられたっちゅうて、ワシの名前や社名まで書いてくださっちょって、ビックリ仰天やったがよ。
![写真3 竹村名前記載](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/3/d/3ddd5251.jpg)
まっこと、ありがとうございますぜよ!
ほんで、ミスやクレームが起こった時に一番最初にせにゃあいかんことは、問題への対処やっちゅうがやき。
「誰がどう対処するか」に集中するっちゅうがよ。
原因分析や改善を考えるがは後の後やっちゅうがやき。
かつては、事件がおこったら「お前がいかん」らあて、すんぐに人のせいにしよったけんど、それじゃあ肝心な事件への対処が遅れてしまうっちゅうがよ。
クレーム対応の目的は明確やっちゅうがやき。
いま起こっちゅう事件を解決して、お客様と社員さんを助けることで、そりゃあ会社を助けることにもなるっちゅうがよ。
イギリスの海兵隊にゃあ、緊急時の危機管理の鉄則があり、一番重要なことは、現状を把握することだっけに集中して急いで対処することで、絶対にやっちゃあいかんことは原因の究明と責任の追求やそうながやき。
四国管財さんは、いままでの苦い経験から、偶然これとおんなじことをしよったっちゅうことながよ。
ちなみに四国管財さんじゃあ、すべてのミスやクレームの責任は会社にある、「犯人はすべて社長」っちゅう結論が出ちゅうきに、犯人捜しや責任追及になりようがないっちゅうがやき。
こりゃあ、アントレプレナーセンターの福島正伸社長さんから学んだ、すべては自分の責任であるっちゅう「自己責任の姿勢」からきたもんやっちゅうがよ。
中澤さんは、「すべての原因を自分自身に見い出し、自分の出番をつくっていきゃあ、世界やち変えられる」っちゅうことを、福島社長さんから学んだっちゅうがやき。
さて、この書籍を読了し、四国管財さんと中澤さんに対してまずワシの頭に浮かんだがは、「アンサング・ヒーロー」っちゅう言葉やったがよ。
歌われざる英雄、つまり誰っちゃあに気づかれんうちに、災厄らあを未然に防いでしまうっちゅう、隠れた英雄のことながやき。
ビルメンテナンスや清掃っちゅう地味な仕事それ自体にも、「アンサング・ヒーロー」が潜んじゅう気配がプンプンする上に、中澤さんや四国管財さんがやってきたこと、やりゆうこと、これからやっていこうとしゆうことこそ、まさに「アンサング・ヒーロー」そのものやと、ワシゃあ心底実感したがよ。
ワシと同い年(来年が還暦)ながら会長に退かれ、さらに新しい夢に向こうて、「ドリームサポーター」として、今後は広うにいろいろな会社のお手伝いをして、日本中のみんなあが安心して働ける仕組みづくりをし、かかわるすべての人に感動と幸福を提供していきたいっちゅうて語る中澤さん。
まさにおまさんこそ、いま最もこの国に必要とされちゅう、「アンサング・ヒーロー」ぜよ!
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司牡丹酒造株式会社
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09:45
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【日本酒関連業者の皆様に拡散希望!】「イベント盛況・売上低迷の真相」無料進呈ぜよ!
さて今回は、ワシの古うからの盟友でもある、街の酒屋の繁盛コンサルタント、「酒販ビジネス実践会」(http://syuhan-business.com/ )を主宰されゆう増田健冶先生が、日本酒関連業者の皆様必読の画期的な小冊子を書き上げられたき、そちらをご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 酒販ビジネス実践会ホームページ](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/4/3/435cf642.jpg)
![写真2 小冊子無料進呈サイト](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/6/4/64e9c728.jpg)
その小冊子は、「日本酒のイベント大盛況!売上低迷の謎の正体!その真相を暴く!」っちゅうタイトルの電子小冊子(PDFファイル・53ページ)ながやき。
![写真3 小冊子](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/3/2/3291bba5.jpg)
実は日本酒業界にゃあ、コロナ禍以前から、世にも不思議な怪奇現象ともいえる最大の謎があったがよ。
そりゃあ、日本酒イベントを開催すりゃあどこも大盛況の大入満員やに、なぜか日本酒の売上は年々減少しまくりやっちゅう、そんなミステリーながやき。
この日本酒業界最大の謎に、ついに増田先生が斬り込み、名探偵シャーロック・ホームズか、あるいは名探偵コナンのような明解さで真相を暴いたっちゅうんが、この小冊子ながよ。
実は、ワシゃあ一足お先に読まいていただいちゅうがやけんど、日本酒メーカーさんにも、日本酒に力を入れちゅう問屋さんや酒販店さんにも、さらに日本酒に力を入れちゅう飲食店さんにやち、こぢゃんと役に立つ内容がテンコ盛りながやき!
さらに、日本酒業界が今後参考にすべき異業種の事例が3つばあ紹介されちゅうがやけんど、それらあは全て切り口と視点をこれまでと大きゅう変えた結果、V字回復を成し遂げたっちゅう事例ながよ。
これらあの事例は、まさに今真っ只中のコロナ禍の危機から脱出するための切り口や視点をも、読み手に与えてくれるがやき!
ちなみにワシゃあ、この3つの事例を熟読しゆう間に、自社で使えそうな画期的なアイデアのタネが、7つばあ降りてきたがよ。
ほんじゃきワシゃあ正直言うて、この小冊子は1冊数万円で販売したち100冊ばあ楽勝で売れるがやないかと思うちゅうがやけんど、それを何と今回は無料で進呈するっちゅうがやき、何ちゅう太っ腹ぜよ!
ただし、お申し込み期限は7月末までで、しかも先着100名様限定らしいきに、ご希望の方は今すぐ!下記のURLをクリックし、「申し込みフォーム」からお申し込みくださいや。
http://syuhan-business.com/seminar_p.htm
なお、増田先生に問い合わせたところ、基本的にゃあ日本酒メーカー、酒問屋、酒販店の皆様に読んでいただきたいがやけんど、日本酒に力を入れちゅう飲食店さんでも大丈夫やっちゅうことやったがよ。
ただし、一般消費者の方々、日本酒マニアの皆様にゃあ、ご遠慮いただきたいっちゅうことやき、その点は何とぞご了承をお願い申し上げますぜよ。
http://syuhan-business.com/seminar_p.htm
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「週刊HOTERES・グローバルSAKEマーケットの創造者たち」竹村対談の後編ぜよ!
さて今回は、「週刊ホテルレストラン」(2021年6月25日号)に隔週連載の「グローバルSAKEマーケットの創造者たち」に、「日本酒スタイリスト」でありタレントの島田律子さんと、ワシの対談記事の後編が掲載されちゅうき、そちらをご紹介さいていただきますぜよ。
まず、ワシの肩書きやけんど、司牡丹酒造(株)代表取締役社長に加えて、「酒道 黒金流」開祖も記載していただいちゅうがやき。
ちなみに前回の前編(2021年6月11日号)にゃあ、司牡丹酒造の歴史や命名の由来について、土佐の高知の風土について、海外輸出について、2020年の日本酒輸出は海外ECサイトの好調のお陰で前年対比100%を超えたっちゅうような話題が掲載されちょったがよ。
![写真1 週刊HOTERES 6月25日号](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/3/4/3486651f.jpg)
![写真2 竹村対談記事](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/d/0/d00292aa.jpg)
ほんで今回の後編は、まずは日本酒業界は全員が同じ方向に一気に向こうてしまうっちゅう傾向に対する危惧の話題からながやき。
高度経済成長の時代は日本中で三増酒を造り全体を地盤沈下さいて、その後地酒ブームで盛り返してきたけんど、吟醸酒ブームによって磨いたスッキリタイプの酒だらけになって、再び地盤沈下したがよ。
その後やっと個性的な酒がたくさん出てきたけんど、今度は賞を獲るために、グルコース濃度高めの甘い酒ばっかしをみんなあが造りだいたがやき。
市販酒もドンドン甘い酒だらけなりつつあり、またしても地盤沈下しゆうがよ。
旨い酒っちゅうんは、酒だけ飲んでスッと「旨いっ!」と言えるグルコ甘口と、つまみを食べもって飲んでこそ美味しい辛口の両方があるっちゅうことを、まっと伝えていかにゃあいかん!
そんな思いもあって、ワシゃあ「酒道 黒金流」を創始したがやき。
日本酒のライトユーザーにあらゆる角度から日本酒の楽しさを知ってもらうため、「酒道 黒金流」じゃあ文章だけやのうて、YouTube動画でも同内容をご覧いただけるようになっちゅうがよ。
ホテル、レストランの皆さんにも、是非ご覧いただきたいがやき!
茶道、華道らあの日本の「道」が世界中に広がっちゅうように、「酒道」も世界中に受け入れられる可能性を十分に秘めちゅうがよ。
「きき酒師」や「ソムリエ」っちゅう「職業」たぁ別に、「道」として日本酒を説いていくスタイルを1つの軸として、これから育てていきたいと思うちゅうがやき。
だいたいこんなような内容をお話さいてもうちゅうがよ。
是非、たくさんのホテル・レストラン関係者の方々に、読んでいただきたい内容ながやき!
週刊ホテルレストランオンライン
http://www.hoteresonline.com/
http://www.hoteresonline.com/articles/10155
あらためまして、島田律子さん、そして株式会社オータパブリケイションズの皆さん、まっことありがとうございましたせよ!
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司牡丹酒造株式会社
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12:00
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コロナ禍で読むべき「心を燃やす練習帳」!「鬼滅」と白隠禅師の共通点?
今回のお薦め書籍は、著書も多数でテレビでもお馴染みの明治大学教授・齋籐孝さんの、「心を燃やす練習帳〜不安がなくなる白隠禅師の教え〜」(齋籐孝 著 ビジネス社 2020年12月15日発行 1300円+税)をご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 心を燃やす練習帳 表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/c/4/c450c8e5.jpg)
白隠禅師(はくいんぜんじ)は、この書籍のオビにも書かれちゅう通り、ジョン・レノンやピーター・ドラッカーやサリンジャーなどなど、世界中の人らあに影響を与えた「500年にひとりの名僧」で、著者の齋籐先生も、白隠禅師に救われたひとりやっちゅうがやき。
![2021.5.13写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/e/c/ec72607d.jpg)
さらに、「はじめに」に書かれちゅうけんど、なかなか終わりが見えんコロナ禍で、誰もが漠とした不安を抱えもって過ごしよって、どうやって現実と折り合いをつけて、なるべく心を乱さんと生きていきゃあえいがかを、悩みゆうがやないかっちゅうがよ。
![写真3 カバー裏のキャッチコピー](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/7/b/7bbaa664.jpg)
ほんで、すでに250年以上も前の江戸時代に、こうした「不安」との向き合い方について、答えを出しちょった日本人がおったっちゅうがやき。
それが臨済宗の中興の祖と言われる、白隠禅師やっちゅうがよ。
さらに齋籐先生は、そんな白隠禅師と、コロナ禍で空前の大ヒットを記録したアニメ映画、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」との不思議な共通点についても、語られちゅうがやき。
この映画のキャッチフレーズは「心を燃やせ」やけんど、まさに白隠禅師が不安や悩みを乗り越えて世のため人のために尽くすことができた理由も、常に「心を燃やし続けたから」やっちゅうがよ。
さらに、白隠禅師っちゅうたら、「呼吸法」の元祖として有名ながやけんど、「鬼滅の刃」の主人公らあの強さの根本も、呼吸にあるがやき。
また、白隠禅師にゃあもうひとつの特徴として、その絵柄や文章にも表れた、そこはかとないユーモア混じりの「軽やかさ」があるっちゅうがよ。
ほんで、これらあのことから、白隠禅師の教えは、コロナ禍における不安を乗り越えるためにも、ウイズコロナ、アフターコロナ時代を生き抜くためにも、こぢゃんと役立つはずやっちゅうがやき。
ほいたら内容についてやけんど、「Q&A」形式で書かれちょって、こぢゃんと読みやすいがよ。
たとえば、「Q:なんで人はだれもが不安を感じてしまうがでしょう?」っちゅう質問に対しちゃあ、「A:実はそりゃあ、人間にとって必要な感情やからです。」っちゅう答えがあり、その後に詳しい解説が入るっちゅう構成ながやき。
不安な気持ちがあるきに、それが注意を呼び起こし、人は失敗や危険を回避するように行動するがやき、不安は自分自身を守るためのの貴重な情報源と言い換えられるかもしれんと、著者は語るがよ。
けんど、そんな不安が、やがて「焦り」や「緊張」に変化すりゃあ、もはや心と体にとって害悪になるっちゅうがやき。
著者は、前者の不安を「正常な不安」、後者の不安を「こじらせた不安」と名付け、後者の不安の出現は未然に防がにゃあならんっちゅうがよ。
ほんで実は、白隠さんは子供時代、この「こじらせた不安」の典型やったっちゅうがやき。
近所のお寺で地獄についての説法を聞いて、その恐怖心にとらわれて泣きやまんかったらしゅうて、トラウマになったようながよ。
子供時代の白隠さんが地獄っちゃう得体の知れん不安にからめとられてしもうたように、いまワシらあも、ただでさえ先が見えん世の中やに、物理的にも目に見えんウイルスの蔓延により、得体の知れん不安にからめとられてしもうちゅうがやき。
ほいたら、そんな不安と、ワシらあはどう向き合うていったらえいがやろうか?
ここで著者は、白隠禅師の説いた「正念工夫(しょうねんくふう)」を挙げるがよ。
正念工夫たぁ、喜怒哀楽らあの雑念が生じる前の状態のことで、心をまっさらな状態にして、あるがままのものを見ることを意味しちゅうがやき。
もちろん日々、あふれ返るばあの情報を取り入れゆうワシらあにとって、バイアスをはさまんと物事を判断しろっちゅうたち、かなり難しいことながよ。
ほんじゃき、せめてちょっとの間だけやち正念工夫すべく、そっと目を閉じて情報を遮断して ほんで改めて、自分にとって大事なもん、欲しいもん、守りたいもん、反対にやりとうないこと、恐れちゅうことらあを考えてみろうやっちゅうがやき。
こうやって正念工夫を続け、自分の内側を見つめ直してみりゃあ、自分が本当に何を望み、ほんで何に対してムダにおびえちょったがか、自分の心が選んでくれるはずやっちゅうがよ。
そこで浮かび上がってきたもんこそが、自身が抱えちゅう不安の正体じゃっちゅうがやき。
白隠禅師は、「坐禅和讃(ざぜんわさん)」の中で「当所即ち蓮華国(とうじょすなわちれんげこく)」っちゅう言葉を記しちゅうっちゅうがよ。
蓮華国たぁ、極楽、つまり最高の状態っちゅうこと。
つまり、「いま自分がおる状態が極楽と感じられりゃあ、それこそが人生における一番の幸せじゃいか」っちゅう意味ながやき。
浮かび上がってきた不安の正体は、おそらくほとんどが自分っちゅう内側やのうて、他者っちゅう外側からの情報で定義される「幸せ」からこぼれ落ちたもんやないかよっちゅうがよ。
白隠禅師が説いた真意は、幸せや、あるいは不安らあは、外の価値判断で決まるもんやのうて、あくまで自分の内側で感じるもんやっちゅうことながやき。
次に、得体の知れん不安に襲われたときらあにちょうどえい簡単な心の調整法、「数息観(すそくかん)」をご紹介さいていただきますぜよ。
【数息観】
➀心静かに落ち着ける姿勢をとる。理想は、胡坐(あぐら)のように足を組んで腰で床に座る坐禅のポーズ。
➁目をつぶりもって、自分の息の出入りを静かに数える。ポイントは息の数え方。まず吐く息に合わいて、心の中で「ひと〜〜」とちくと長めに数え、「つ」で軽う鼻から吸やあリズムが出る。
➂続けて「ふた〜〜」と吐き、「つ」で吸う。息のテンポと数え方は、自分のやりやすいやり方でえい。
➃こんとき、何も考えんと「呼吸そのもの」だっけに集中する。ほいたら頭や心に巣くうちょったネガティブな感情から意識が離れていくきに、自然と心が落ち着いてくる。
実際に白隠禅師が健康法を説いた「夜船閑話(やせんかんな)」じゃあ、腹を空かいて静かな状態で坐禅を組んで、1から1000まで数えりゃあ、体も心もじっと動かんと煩悩もないなり、天地宇宙のすべてと溶け合うて一体感を覚え、心身ともに清らかになるっちゅうがよ。
仏門修行しちゅうきに達せられる境地やろうけんど、ワシらあはそこまでせいじゃち、「とお」まで数えるばあでも、ずいぶん心が落ち着くっちゅうて、著者は語るがやき。
ところで、かつて白隠禅師は、連日厳しい坐禅修行にのめり込み過ぎて、26歳のときに「禅病」にかかってしもうたっちゅうがよ。
当時の様子は、次のように記されちゅうがやき。
「心火逆上し、肺金焦枯して、雙脚氷雪の底に浸すが如く、両耳渓声の間を行くが如し・・・」
現代語に訳しゃあ、「激しい不安や心配ごとのため、心臓は火がついたようにバクバクし、肺の血液が枯れ果てたように苦しい。足先は氷のように冷とうて、両耳は川が流れゆうようにザーザーと耳鳴りが止まらん・・・」っちゅうがよ。
さらに、「いっつも気が弱った状態で、何かしょうにも恐ろしさが伴うて、行動に移すことができん。心身は衰弱し、悪夢を見るきに安眠できん。常に脇の下には汗をかいて、目にゃあずっと涙が浮かんじゅう」っちゅうがやき。
白隠禅師は、この強烈なダメージを、薬や鍼灸で治そうとしたけんど、一向に改善せんきに、名医を探し回り、様々な治療法を試みたっちゅうがよ。
それでも改善の兆しがのうて、絶望しちょったところ、京都の山奥に白幽さんっちゅう仙人がおることを聞きつけ、ワラにもすがる思いで訪ねたっちゅうがやき。
ほいたら白幽さんは、「おまさんは心の使い方を誤ったために病人になったがよ。心気を気海丹田(きかいたんでん)に降ろす真の呼吸法をせにゃあ、どんな治療を受けたち快復はせん。すべての心配ごとを切り捨て、無観にならにゃあいかん。」っちゅうたっちゅうがよ。
ちなみに無観たぁ、頭、心の中を空っぽにすること。無心とゆうたちえいろう。(反対にいろいろと思うたり、考えてしまうことを「多観」っちゅうがやき。)
ほいたら、白幽仙人が白隠禅師に伝えた「真の呼吸法」たぁ、いったいどんなもんやったがか?
そりゃあ、丹田で呼吸すること、「丹田呼吸法」やっちゅうがよ。
【丹田呼吸法】
➀丹田たぁ、へそ下5センチあたりのこと。息を吸うときに、そのあたりに呼気がとどまるように十分意識して、鼻から息を吸う(3秒程度)。丹田に空気をためていくイメージ。胸で呼吸をせんように、姿勢よく。
➁そのまま息を止める(2秒程度)。
➂ほんで、ゆっくり口から息を吐きもって、丹田を意識する(15秒程度。難しけりゃあ10秒から。)。ここが特に重要。
➃この1セットを6回ばあやるがが理想。
この呼吸法により、1回の呼吸で体内に取り入れられる酸素の量は、無意識に呼吸しゆうときよりか、はるかに増えるっちゅうがやき。
さらに、へその下を意識して呼吸をすりゃあ、そこに力が入るきに、お腹の中の圧力も高まり、血液が心臓に強う送り返され、全身の血液循環も活発になるっちゅうがよ。
さらにゃあ、鼻から入る息と口から出る息双方に意識を集中することにより、自律神経にもえい影響を与えるきに、心が落ち着く効果も得られるわけやっちゅうがやき。
丹田呼吸法たぁ、ただへその下あたりを意識して呼吸するだっけやき、難しいことらあ何ちゃあする必要はないっちゅうがよ。
日頃から丹田に気をため、そこから酸素を循環させることをイメージして深う呼吸していきゃあ、心身の調子も自然と整うていく・・・それが白隠流健康法の基本やっちゅうがやき。
さらに、この気海丹田を鍛える方法が、「内観の秘法」やっちゅうがよ。
おまさんの心の真ん中にゃあ「静かな一点」があり、ここは誰っちゃあに傷つけられんっちゅうがやき。
「外側の自分」は誹謗中傷やいじめらあで傷つくこともあるろうけんど、「内側の自分」は、外的な攻撃から絶対に届かん体の一番奥底におるきに、決して傷つかんっちゅうがよ。
そこを鍛えりゃあ、誰から攻撃されたち傷つくこたぁないなるがやき。
これこそが白隠禅師の教えの肝やっちゅうがよ。
白隠禅師は、本来の自分=主心は体の一番奥底の部分、呼吸の際に重要なへその下の丹田(気がたまることから「気海丹田」っちゅうがやき。)に宿っちゅうと考えちょったっちゅうがよ。
そこを鍛えることで、心の不調や難病を克服できると説いたっちゅうがやき。
この気海丹田を鍛える方法が、「内観の秘法」ながよ。
内観の秘法は、「調身」「調息」「調心」の3要素を含んじゅうっちゅうがやき。
「調身」たぁ体を整えること、「調息」たぁ呼吸を整えること、そして「調心」たぁ心の状態を整えることやっちゅうがよ。
まず、布団やベッドに仰向けに寝転がり、次の順に実践するっちゅうがやき。
【内観の秘法】
➀両手両足を“大の字”にならん程度に広げたら、目を閉じ、口元の筋肉を緩めるために少し口を開ける。
➁首から足先まで、全身の筋肉から力を抜き、体をベッドや布団に預ける。
➂続いて丹田、腰から土踏まずまで力を入れ、両手と両足を伸ばし、軽う呼吸をする。その際、丹田から足先までぐっと気を満たすことをイメージする。
➃息を深う吸い込んだら、丹田へ意識を集中し、また静かに細うゆっくりと吐き出していきゃあ、次第に丹田がふくらんでくる。丹田を意識したまんま、いったん手や足から力を抜く。
➄ほんで、再び手や足に力を入れて伸ばし、丹田式呼吸を続ける。上半身は涼やかで下半身は温かいイメージを持ちもって続けていきゃあ、次第に手足がじんわりと温こうなっていく。
内観の秘法は、寝ながら行う坐禅修行の一種やき、「仰臥禅(ぎょうがぜん)」、または「寝禅(ねぜん)」とも呼ばれるっちゅうがよ。
白隠禅師は、次の「内観の四句」を頭の中で念じもってこの呼吸法を行やあ、さらに精神統一ができ、深い内観ができると説いたっちゅうがやき。
➀わがこの気海丹田腰脚足心、まさにこれわが本来の面目、面目なんの鼻腔かある。
➁わがこの気海丹田、まさにこれわが本分の家郷、家郷なんの消息かある。
➂わがこの気海丹田、まさにこれわが唯心の浄土、浄土なんの荘厳かある。
➃わがこの気海丹田、まさにこれわが己身の弥陀、弥陀なんの法をか説く。
現代語訳は次の通りながよ。
➀自分の気海丹田、腰、足、土踏まずは、自分本来の姿じゃ・・・
➁自分の気海丹田は、自分の命の住むべき故郷や・・・
➂自分の気海丹田は、自分の心にある浄土や・・・
➃自分の気海丹田は、自分の本当の姿、阿弥陀仏ぜよ・・・
すべて「自分の気海丹田」から始まっちゅうことからも分かるように、とにかく気海丹田、へその下への集中力を高めるための一種の「呪文」やっちゅうて捉えてもらえりゃあえいと、著者は言うがやき。
白隠禅師は、弟子らあにこの内観の秘法を伝える際に、次のように述べたっちゅうがよ。
「これを2、3週間も真剣にやりゃあ、腹にたまった苦悩や不快感、あるいは体の諸症状もすべて治るがやき。
もしそうならんかったら、ワシの首を切り落としゃあえいぜよ。」
かなり過激な言葉やけんど、そればあ自信があったっちゅうことで、事実大半の人の病が全快したっちゅうがよ。
さらに、激しいストレスを軽減させるためのイメージ療法、「軟酥(なんそ)の法」も紹介されちゅうがやき。
【軟酥の法】
➀まずカモの卵ばあの大きさ、今でいやあSサイズばあの鶏卵のような形をした、まるで溶けたバターか温かいとろけるチーズのような色も香りも素晴らしい丸薬、つまり軟酥が自分の頭のてっぺんにあるとイメージする。
➁ほんで、それがゆっくりゆっくり溶けて、じわじわと頭を潤しもって少しずつ少しずつ下へと降りていく。両肩から左右の腕をつとうて、両方の胸から体の中へと浸透していき、横隔膜、肺、肝臓、胃、腸、そして背中から、お尻、骨にまで沁みわたっていくような感じ。
➂この温かい液体が体に浸透していくとともに、胸の中に根を下ろしちゅう悩みや、お腹のあたりでつかえた感じのする気の滞りが、まるで水が低い方へと流れるように、一緒に溶けていく様子を想像してみる。
➃軟酥が足の裏まで満たされりゃあ、そこで流れも止まる。この時点で、温こうて柔らかい液体が満ちあふれたお風呂に、体全体を浸しているような感じ。ほいたら、いい香りに包まれもって、心地よう体全体を軟酥でやさしゅう撫でられゆうような、気持ちのえい感覚になる。(※姿勢に関しちゃあ、特に指定はないきに、著者は普通に椅子に座りもってやりゆうとのこと。いずれにしたち、リラックスできて想像力が働くこと、上半身を立てて、「上から下へ」をイメージすることがポイント。)
さらに著者は、独自のアレンジ版として「実食版軟酥の法」も紹介されちゅうがよ。
白隠禅師は「軟酥」のレシピも紹介されちょって、実は軟酥の「酥」たぁ、もともとはバターやチーズのような乳製品のことながやけんど、白隠禅師のレシピじゃあ、ヘチマの皮以外はすべて仏教用語やっちゅうがやき。
たとえば忍辱(にんにく)は「外との摩擦に耐え忍ぶ」っちゅう仏教用語で、ニンニクとかけちゅうっちゅうがよ。
つまり、白隠禅師が説明しちゅう軟酥たぁ、実は仏教の教えがぎっしりと詰まった架空の食べ物やっちゅうがやき。
酥は乳製品やけんど、いまと違うて当時は超高級品やったっちゅうことは、軟酥の法たぁある意味、普段は手を出せんような食べ物が食卓にあふれちゅう“最高の贅沢”っちゅうイメージやったがかもしれんっちゅうがよ。
ほんで、著者が提案する「実食版軟酥の法」は、スイーツでも何でも、ちくと贅沢な一品を、まさに軟酥の法を行うように、ゆっくりと味わうががコツやっちゅうがやき。
目の前にあるケーキを一口食べるたびに、「甘さが口から徐々に下りていき、全身を包み込んでいく。おいしい!」っちゅうて感じるっちゅうことながよ。
また、絶妙な焼き加減のステーキをゆっくりと噛みしめもって、「肉の旨味が体に沁みわたっていくにゃあ」っちゅうて後味にひたるとかながやき。
それだけやち、イヤなことらあ忘れて、たちどころに気分はリフレッシュされていくやろうっちゅうがよ。
しかも、ゆっくりと食べるき、暴食もせんですむっちゅうがやき。
こりゃあ、以前「お薦め書籍」(https://tsukasabotan.livedoor.blog/archives/51984893.html )として紹介さいてもうた「〈責任〉の生成〜中動態と当事者研究〜」(國分功一郎 熊谷晋一郎 著 新曜社 2020年12月1日発行 2000円+税)にも出てくる、まさに「味わうことが持つ力」と同じことを伝えてくれゆうがやと気づき、ちくと感動したがよ!
こちらの書籍にゃあ、大量の水を飲んでしまう水中毒の人に「申告飲水制度」を薦めりゃあ、症状が軽減するっちゅう事例が紹介されちょったがやき。
みんなあで冷とう冷やした水を「おいしいねえ」っちゅうて言いもって、じっくり味わって飲むことで、水中毒が軽減するっちゅう事例ながよ。
つまり、水中毒の人は美味しさを「味おうてない」っちゅうことで、いかに「味わう」っちゅうことが重要かが分かるがやき。
味わうことで、出来事が起こる場としての「私」を、人は取り戻すっちゅうことながよ。
ちくと脱線してしもうたけんど、この書籍「心を燃やす練習帳」にゃあ、この他にもまだまだ、「草取唄」やとか、「禅の公案・隻手の声」やとか、禅画にこめられた意図についてやとか、「静中の工夫」より「動中の工夫」やとか、「放下」やとか、「円相」やとか、白隠禅師の地域活性化的な生き方やとか、災害大国日本における心構えについてやとか、欲のコントロールについてやとか、「延命十句観音経」やとか・・・まだまだご紹介したい内容がテンコ盛りながやき。
「心を燃やす練習帳〜不安がなくなる白隠禅師の教え〜」・・・是非ご一読を、強力にお薦めしますぜよ!
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コロナ禍の今こそ読むべき書!「〈責任〉の生成〜中動態と当事者研究〜」ぜよ!【後編】
今回は、昨日のblog&Facebookの続きの、「後編」をお届けいたしますぜよ。
お薦め書籍の紹介で、「〈責任〉の生成〜中動態と当事者研究〜」(國分功一郎 熊谷晋一郎 著 新曜社 2020年12月1日発行 2000円+税)っちゅう書籍ながよ。
![2021.4.14写真1 〈責任〉の生成](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/4/e/4e66dfc8.jpg)
![2021.4.14写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/9/e/9ee056a2.jpg)
400ページを超える分厚い本で、おまけにワシがこれまでほとんど手をつけたことがない分野、哲学者と障害当事者研究の第一人者の対談本であり、当然のように耳慣れん哲学用語らあが頻繁に登場し、決してすんなり読めるようなもんやないがやけんど、あまりに目からウロコの連続で、ワシゃあいきなりその知的な面白さにハマってしもうて、2回も精読してしもうたがやき。
そんな書籍のご紹介の、「後編」ながよ。
さて、ここで再び当事者研究の話に帰るがやき。
著者の熊谷さんは、依存症たぁ痛む過去を切断しょうとする身振りながやないかっちゅうがよ。
過去の記憶の蓋が開けゃあ地獄が訪れるっちゅう人らあにとっちゃあ、蓋は閉まっちょった方がえいがやき。
そのためにゃあ、過去を切断して、それ以上遡れん状態にしたい、今を出発点にしたい、つまり過去たぁ無関係に現在や未来を「無から創造」したいっちゅうことながよ。
過去の記憶がよみがえることで訪れるがが「地獄」やとすりゃあ、意志の力で、現在と未来しかない生を生きたい、言い換えりゃあ、中動態を否定して、100%能動態の状態になりたい・・・地獄の到来が想定されるがやったら、そのように思うたち何の不思議もないがやき。
熊谷さんは、國分さんの「中動態の世界」は、この「切断」あるいは「無からの創造」っちゅう考え方そのもんへの批判として読むことができるっちゅうがよ。
さらに熊谷さんは、「ダルク女性ハウス」をはじめ、依存症の自助グループのなかで採用されちゅう、「AA12のステップ」っちゅう画期的なプログラムを紹介するがやき。
こりゃあもともと、アルコール依存症の自助グループ「AA」(アルコホーリクス・アノニマス/匿名のアルコール依存者たち)によって文章化され、回復の指標とされちゅうもんやっちゅうがよ。
【AA12のステップ】
〇笋燭舛魯▲襯魁璽襪紡个渓砧呂任△蝓∋廚つ未蠅棒犬ていけなくなっていたことを認めた。
⊆分を超えた大きな力が、私たちを健康な心に戻してくれると信じるようになった。
私たちの意志と生き方を、自分なりに理解した神の配慮にゆだねる決心をした。
ざ欧譴困法徹底して、自分自身の棚卸しを行い、それを表に作った。
タ世紡个掘⊆分に対し、そしてもう一人の人に対して、自分の過ちの本質をありのままに認めた。
Δ海Δ靴神格上の欠点全部を、神に取り除いてもらう準備がすべて整った。
Щ笋燭舛涼蚕蠅鮗茲蟒いて下さいと、謙虚に神に求めた。
┿笋燭舛傷つけたすべての人の表を作り、その人たち全員に進んで埋め合わせをしようとする気持ちになった。
その人たちやほかの人を傷つけない限り、機会あるたびに、その人たちに直接埋め合わせをした。
自分自身の棚卸しを続け、間違ったときは直ちにそれを認めた。
祈りと黙想を通して、自分なりに理解した神との意識的な触れ合いを深め、神の意志を知ることと、それを実践する力だけを求めた。
これらのステップを経た結果、私たちは霊的に目覚め、このメッセージをアルコホーリクに伝え、そして私たちのすべてのことにこの原理を実行しようと努力した。
この「ステップ 廚鮓世ご垢┐蠅磴◆意志を持って、能動的に自分の人生をコントロールしていくっちゅう、これまでのライフスタイルから降りることが回復への入り口ながやっちゅうことながやき。
つまり、彼ら依存症者らあは、能動/受動の対立にしばられることこそが依存症っちゅう病の中核にあるっちゅう認識と自覚があり、ほんじゃきこそ、その対立が解体され、中動態的な構えのなかではじめて回復が始まると考え、実践してきた。そんな彼らの長年の経験値から示されたがが、この12ステップやと、熊谷さんは考えちゅうっちゅうがよ。
こりゃあ実に精密に洗練されたかたちで、人を能動/受動の枠組みから能動/中動への枠組みへ誘うプログラムになっちゅうき、この12ステップを中動態っちゅう観点から読み解きたいと考えちゅうと、熊谷さんは語るがやき。
何でかっちゅうたら、ステップが進むにつれて、意志たぁ違うかたちで責任を引き受け直すっちゅうプログラムになっちゅうがやないかっちゅう、直感があるからやっちゅうがよ。
けんど、能動、受動の苦しみに対して「中動態」が一つの解決になるがやないかと、どういたち考えがちやろうけんど、中動態を生き続けるがは実はこぢゃんと大変なことながやっちゅうて、自閉スペクトラム症(ASD)っちゅう診断名をお持ちの当事者で、かつ当事者研究を専門にした研究者である、綾屋紗月さんの事例を紹介するがやき。
綾屋さんは、他の人よりか意志が立ち上がりにくい、つまり、内発的な意志が立ち上がりにくいっちゅうがよ。
どういてかっちゅうたら、彼女の身体の内側からも外側からも大量のアフォーダンスがやって来るからやっちゅうがやき。
ちなみにアフォーダンスたぁ、直接的、物理的に相手の身体に触れんと、行為に影響を与える力やっちゅうがよ。
たとえば目の前にコップがあるとして、そのコップがワシに対して、「持つかよ?」とか「水を注ぐかえ?」っちゅうて、いろんな行為を促してくる、これを「コップはワシに対して行為をアフォード(与える、提供)しゆう」っちゅう言い方をし、人であれ、物であれ、非接触的に相手の行為に影響を与える力のことをアフォーダンスと呼ぶっちゅうがやき。
つまり綾屋さんは、身体の内側からも外側からも大量のアフォーダンスが彼女のなかに流入してくるけんど、それをいわば民主的に合意形成して、一つの自分の意志としてまとめるまでにこぢゃんと時間がかかるっちゅうがよ。
綾屋さんは、多数派が意志と呼ぶもんが立ち上がるプロセスを、先行する原因群を切断せんと高解像度に捉えゆうと言えるっちゅうがやき。
しかも、「内臓からのアフォーダンス」もあるっちゅうがよ。
そんな大量のアフォーダンスを擦り合わせる過程を多くの人々は無意識のうちに行いよって、そこじゃあいわば中動態的なプロセスによって意志、あるいは行為が立ち上げられゆうがやっちゅうがやき。
綾屋さんにとっちゃあ、このプロセスは無意識どころやないっちゅうがよ。
彼女はまさに選択や行為を自分に帰属するがやのうて、身体内外から非自発的同意を強いられた結果として捉えちょって、その意味じゃあ中動態を生き続けゆうがやと言えるっちゅうがやき。
アフォーダンスが氾濫するなかで、なかなか意志も行為も立ち上がらん。ほんじゃきこそ綾屋さんは、「ゆめゆめ、中動態は生きやすいらあて思うなよ」っちゅて語っちゅうっちゅうがよ。
ここで國分さんも、「中動態は救いやあない」と思うっちゅうがやき。
國分さんが「中動態」っちゅう概念を出したがは、自分らあが生きて、ほんで考えゆう「この経験の枠組み」そのものを「これが当たり前じゃあないぜよ」と、改めてもう一度捉え直すためやっちゅうがよ。
中動態はものを考えるためのカテゴリーであって、中動態的なるもんが良いとか悪いとか、そんなことを判断するつもりはまったくのうて、ただ、中動態を使うたほうがうまいこと考えられることがあるっちゅうだけのことやっちゅうがやき。
また、國分さんは、今の社会は多様でもなけりゃあ、人間が敏感でもないっちゅうがよ。
21世紀の人間は、Amazonで何かを買うたら1日もせんうちに届いてしまうような、いわば欲望が瞬間的に満たされる空間に生きちゅうっちゅうがやき。
そこじゃあ、欲望が自分の心のなかで醸成されるような溜めも、発酵されるような時間ものうて、すべてがダダ漏れになっちゅうっちゅうがよ。
溜めを許されん社会がある一方で、なんやら「慎慮」が求められちゅうっちゅうがやき。
そこで想定されちゅう「慎慮」たぁいかなるもんながかを考えゆうと、ハイデッガーが「形而上学の根本諸概念」で紹介しちゅう、お腹に切れ目を入れられたミツバチについての実験を思い出すっちゅうがよ。
蜜をいっぱいに充たしたグラスの前にミツバチを置きゃあ、ミツバチは蜜を飲みはじめるがやけんど、そんときにお腹に切れ目を入れりゃあ、お腹から蜜が溢れ出ゆうにもかかわらず、ミツバチはそのまんま蜜を延々と飲み続けるっちゅうがやき。
ほんで、ずっとお腹から蜜が流れ出ゆうき、いつまで経ったち満腹感が訪れんっちゅう、残酷な実験ながよ。
これに、ハイデッガーはこんなコメントをしちゅうっちゅうがやき。
「ミツバチはこのことを確認もせんし、さらに−そればあはしてもよさそうに思えるけんど−腹部が欠損してしもうちゅうことの確認さえもせん。そんなこたぁ全く問題にならん。」
「まさに、蜜が直前的にあることを確認せんがゆえに、むしろミツバチは要するに餌によって、とりさらわれちゅうがぜよ。」
ほんで國分さんは、21世紀の人間に対して、この実験台にされたミツバチのようなイメージを持っちゅうっちゅうがよ。
ある種の傷の否認(お腹の切れ目に気づかん)、過去の参照の放棄(どればあ飲んだかが分からんなっちゅう)、そして、終わらん労働(いつまでも蜜を飲み続ける)。
確かにそうかもと思うたら、ちくとゾッとしたがやき。
これに対し熊谷さんは、傷の否認の病っちゅうんは、まさにそうやっちゅうがよ。
依存症も否認の病と言われゆうけんど、能動態にも、意志にも、傷の否認を伴うた慎慮主義みたいなもんがあるがやないかっちゅうがやき。
ほんじゃき、暴れてしまう人、長う話してしまう人、急にフラッシュバックを起こして周りからはよう理解できん行動パターンを取る人、そういう人に対する許容度がこぢゃんと下がっちゅう・・・その一方で、しきりに多様性、ダイバーシティっちゅうて語られるっちゅうがよ。
ここで國分さんは、今ほど多様性に対する寛容さがのうなっちゅう時代はないと思うっちゅうて語るがやき。
これを受けて熊谷さんは、慎慮主義は、他者を尊重せえ、多様性を尊重せえ、ちゅうけんど、それと共に「多様性を認める−ただし、暴れる人以外」っちゅうアドバンスト・リベラリズムが蔓延しちゅう。そうした狭さが、今の時代の慎慮主義の基調にあるっちゅうがぜよ。
続いては、「味わうこと」が持つ力についてながよ。
多飲症・水中毒っちゅう、精神科病棟でようみられる症状があるっちゅうがやき。
大量の水を飲んだち止められん、隔離したちトイレの水まで飲んでしもうたりして、嘔吐、失禁、意識混濁らあの症状が起こるほか、生命を脅かすこともある危険な状態やっちゅうがよ。
これに対し熊谷さんは、山梨県立北病院が編み出した斬新な対応方法を紹介しちゅうがやき。
そりゃあ「申告飲水制度」ながよ。
要するに、事前に「これから水を飲みます」っちゅうて申告してもうて、冷やしたおいしい水をみんなあで一緒に「おいしいねぇ」っちゅうて言いもって味おうて飲むっちゅうがやき。
ほいたら、水中毒が減っていったっちゅうがよ。
これをどう解釈するかっちゅうたら、國分さんの「消費」と「浪費」の概念が手がかりになるっちゅうがやき。
水を大量に飲んでしまうとき、その人は「毒を洗い流すため」とか、「気分がハイになるき」とかの観念に駆り立てられちょって、実は水を味おうてないっちゅうがやき。
つまり「消費」してしもうちゅう、観念的な記号を消費しゆうがやっちゅうがよ。
それに対して、申告飲水制度によって、冷えたおいしい水を堂々と味おうて飲むっちゅう行為は、「浪費」に近いがやないかっちゅうがやき。
「浪費たぁ受け取る行為や」と國分さんは書かれちゅうがよ。
水から何かを受け取るがが浪費やったら、消費っちゅうんは、相手、この場合は水から何ちゃあ受け取らんっちゅうがやき。
むしろ、自分の観念が命ずるままに、自分の行為を相手に押しつけるわけやっちゅうがよ。
「味わう」っちゅう行為、「おいしいを受け取る」っちゅう行為に、こればあ重要な意味が含まれちゅうがやっちゅうんは、まっこと目からウロコやったがやき。
さらに熊谷さんは、自身の身体について考えたっちゅうがよ。
熊谷さんが脳性麻痺の身体を使うっちゅうことは、自分自身の身体を「味おうてない」と難しいっちゅうがやき。
身体を「動け、このやろう」っちゅうて、リモコンで操縦するみたいに動かそうとしたち動いてくれんっちゅうがよ。
支配しょうとしたり、コントロールしたりしょうとすりゃあ、うまいこといかんっちゅうがやき。
むしろ、身体が今どんな状態ながかっちゅうことに聞き耳を立てるように、いわば湧き起こってくる動きをすくい上げていくような感覚がないといかんっちゅうがよ。
このように、水だけに限らんと自分の身体に関してやち、「味わう」っちゅうことが大事やっちゅうがやき。
味わうことで、出来事が起こる場としての「私」を、人は取り戻すっちゅうことながよ。
さらに國分さんは、現代は孤独が危機に瀕しちゅうっちゅうがやき。
孤独たぁ私が私自身と一緒におることながよ。
けんど、人は必ずしも自分自身と一緒におれるわけやあないがやき。
自分自身と一緒におれんとき、人は誰か自分と一緒におってくれる人を探し求めるっちゅうがよ。
そんときに人が感じちゅうがが、寂しさやっちゅうがやき。
また孤独たぁ、思考のための条件やっちゅうがよ。
私と私自身との対話、それこそが思考ながやき、ほんじゃき孤独は人間にとってこぢゃんと大切なことやっちゅうがやき。
現代は、そんな孤独が危機に瀕しちゅうっちゅうことがもたらしちゅうがは、思考の不存在だけやないっちゅうがよ。
孤独のなかでの思考が行われんなりゃあ、それを埋めるための過剰なコミュニケーションが求められるっちゅうがやき。
そこでもたらされるがは、言葉の衰退やっちゅうがよ。
思考の葛藤、その葛藤を言葉にするうえでの葛藤、そうしたもんが無いなったとき、言葉はあらかじめ存在しちゅう情報を伝えるだっけの単なる記号になるっちゅうがやき。
仲間と共にありながらも、孤独のなかで自分の過去や傷と丁寧に向き合うて、感じ、葛藤することで、人は初めて罪に応答できる人に、責任をとれる人になっていくちゅうことながよ。
「〈責任〉の生成〜中動態と当事者研究〜」、コロナ禍の今こそ考えたいことに関するヒントらあが満載で、是非読んじょきたい名著中の名著ながぜよ!
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コロナ禍の今こそ読むべき書!「〈責任〉の生成〜中動態と当事者研究〜」ぜよ!【前編】
いやあ、こればあ目からウロコが落ちまくり、知的興奮を覚えた書籍を読んだがは、何十年ぶりのことやろうか?
現代社会の盲点が見事に炙り出され、「意志」とは?「責任」とは?の本当の意味に気づかされ、さらにコロナ禍において噴出しゆう様々な問題らあを解きほぐすヒントらあも、随所に散りばめられちゅうがやないかと感じた、稀有な書籍ながよ。
![写真1 〈責任〉の生成](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/d/c/dcc045ea.jpg)
![2021.4.13写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/4/0/40d4fdb7.jpg)
また、このあたりは明日の「後編」になるけんど、酒類業界におるもんにとっちゃあ今後は避けて通れんであろう「アルコール依存症」の問題、その回復へのヒントも示されちょって、「味わうこと」が持っちゅうアッと驚くような凄い力らあについても示されちゅうがやき。
その書籍たぁ、「〈責任〉の生成〜中動態と当事者研究〜」(國分功一郎 熊谷晋一郎 著 新曜社 2020年12月1日発行 2000円+税)っちゅう書籍ながよ。
400ページを超える分厚い本で、おまけにワシがこれまでほとんど手をつけたことがない分野、哲学者と障害当事者研究の第一人者の対談本であり、当然のように耳慣れん哲学用語らあが頻繁に登場し、決してすんなり読めるようなもんやないがやけんど、あまりに目からウロコの連続で、ワシゃあいきなりその知的な面白さにハマってしもうて、2回も精読してしもうたがやき。
ちなみに、何でワシがこれまで手をつけたことがほとんどないような分野のこの書籍に興味を持ったかっちゅうたら、新聞の書評やったがよ。
ワシゃあもともと読書が趣味みたいなもんやき、これまでに新聞の書評らあを読んで購入した書物から、抱えちゅう課題やビジネスや会社経営らあのヒントを、こぢゃんといただいてきちゅうがやき。
ほんじゃき、今抱えちゅう問題らあについてのアンテナがピンと立っちょって、そのアンテナがピピッと反応したもんやき、これまで手をつけたことがほとんどないような分野の書籍に、思わず手を伸ばしてしもうたがよ。
さて、内容やけんど、まず「まえがき」にて著者の國分さんが、「責任」の意味をちくと解きほぐしてくださっちゅうがやき。
責任(レスポンシビリティ)は応答(レスポンス)と結びついちゅうけんど、応答たぁ何かっちゅうたら、その人が自分に向けられた行為や自分が向かい合うた出来事に、自分なりの仕方で応ずることながよ。
決まり切った自動的な返事しかできてないやったら、その返事は応答やのうて反応になってしまうがやき。
哲学者ハンナ・アレントはそれぞれの人間が自分なりの仕方で応答する可能性を人間の「複数性」と呼び、それを人間の条件の一つに数えたっちゅうがよ。
自分に向けられた行為や自分が向かい合うた出来事にうまいこと応答できんとき、人は苦しさを感じ、それが常態化すりゃあ苦しさは堪え難いもんになるっちゅうがやき。
何でかゆうたら、うまいこと応答できんまんまでおるこたぁ、人間の複数性にうまいこと参加できてないことを意味するきながよ。
複数性に参加できてないとき、その人は相手にされんなるがやき。
相手にされんたぁ、周囲のもんらあから、応答するべき相手と見なされんっちゅうこと、自分らあに似通うた、同等のもんと見なされんっちゅうことながよ。
そんときそこに現れちゅうがは、応答のない、ただの反応に満たされた空間・・・自分以外の他なるもんが自分のために責任を果たしてくれることも、自分が自分以外の他なるもんに責任を果たすこともない、そんな世界ながやき。
「責任」はしばしば重苦しゅうて、できりゃあ避けたい義務っちゅう語感を持っちゅうけんど、責任が消失した空間を想像してみりゃあ、そりゃあ何とつろうて苦しいもんやろか!
人が周囲から反応だけやのうて応答を受け取りゆうとき、そこにゃあ日常と呼ばれる光景があるがよ。
人が日常を実感するがは、おそらく、周囲から反応だけやのうて応答を受け取りゆうときながやき。
けんど応答し応答されるっちゅう事態は、ちびっとも当然視できるもんやないがよ。
応答しゆうに応答しゆうと見なされん人もおるろうし、応答の手段を著しゅう制限されちゅう人もおるろう。
その意味で、日常は決して当たり前に存在しちゅうもんやない、そりゃあ何らかの仕方で獲得されにゃあならんっちゅうがやき。
ほんで、著者の國分さんはこう語るがよ。
「日常は生きることの出発点やあない。そりゃあ生き延びた先にある。」
さらに國分さんは続けるがやき。
「ワシらあは今、日常が破壊される時代を生きちゅうがやないろうか。確かに複数の個体が集まって生きちゃあいるもんの、複数性に参加しちゅうと感じることが難しゅうなっちゅう、そんな時代を生きちゅうがやないろうか。」
ほんで、本書の議論はこの時代そのものに向けられちゅうっちゅうがよ。
この「まえがき」の言葉だっけで、ある意味ワシゃあグッと掴まれてしもうたがやき。
ほいたら本編の前に著者のご紹介やけんど、この書籍は、東京大学大学院総合文化研究科准教授で哲学の専門家(学術博士)である國分功一郎さんと、東京大学先端科学技術研究センター准教授・小児科医で、「当事者研究」の専門家(ご本人も新生児仮死の後遺症で脳性麻痺となり車イス生活)である熊谷晋一郎さんとの対談をもとに、大幅加筆修正し、再構成した書籍ながよ。
お二人の対談は、まずサブタイトルにもある「当事者研究」たぁどんなもんかについてが、語られちゅうがやき。
まず、障害をもつ当事者の置かれた状況についてが熊谷さんから語られちょって、1970年代は、たとえば階段を上れん足に問題があるんやっちゅう考え方で、こうした古い考え方のことを障害の「医学モデル」っちゅうらしいがよ。
これに対して80年代からは、むしろ階段だっけでエレベーターがない社会環境の側に問題があると考えるようになり、こちらは障害の「社会モデル」っちゅうらしいがやき。
この「社会モデル」っちゅう考え方に出会うて、熊谷さんは何とか自分の人生を暮らしていけるっちゅう希望をもつことができたっちゅうがよ。
そんななかで2001年、北海道浦河町の「浦河ぺてるの家」の、おもに統合失調症っちゅう精神障害を抱える当事者らあによって生み出されたがが「当事者研究」で、その後は精神障害だけやのうて、比較的周囲に見えにくい困難をもっちゅう人らあの間で急速に広がってきたっちゅうがやき。
熊谷さんのように車イスに乗っちゅう障害者は、周囲に見えやすい困難をもっちゅうけんど、精神障害とか自閉スペクトラム症らあの発達障害らあは、外から見たちマジョリティとの差異が明確にわからんっちゅうがよ。
そういう方々の場合、社会モデルっちゅうたち、社会環境のどこをどう変えりゃあ生きやすうなるがかわからんっちゅう問題があるっちゅうがやき。
さらに重要な点は、周囲から見てわかりづらい障害は、自分から見てもわかりづらいっちゅうがよ。
自分に問題があるがやないかとか、努力不足のせいやないかとか、自分を責めてきた方が数多いっちゅうがやき。
そういう状況に置かれた当事者らあが、社会を「変える」手前で、類似した経験をもつ仲間と共に、自分らあは何者ながかについて、まずそれを「知る」ことを目指す。「変える」に先立つ「知る」を志向した活動が、当事者研究やっちゅうがよ。
ほんで、「ぺてるの家」が先進的やったがは、症状を「消すべき」っちゅう発想を変え、「症状にゃあ、自分助けとしての意味がある。ほいたら、どのような苦労に対する自分助けながやろう。それを研究してみろう。」っちゅう問いを立て直したことやっちゅうがやき。
ほんで、その具体的な方法に関して、いくつかポイントのようなもんがあるっちゅうがよ。
まず、「誰のせい?」っちゅうような犯人探しをして解決しょうとするがやのうて、自然現象のメカニズムを探る態度で向き合うっちゅうがやき。
この態度のことを、「外在化」っちゅうがよ。
問題行動(放火、破壊行動等々)と本人をくっつけんと、問題と本人を切り離して、行動を自然現象のように眺め、みんなあでワイワイとそのメカニズムを探っていくっちゅうがやき。
もう一つ重要な方法論的態度は、「仲間の力」を重視することやっちゅうがよ。
他者の視点を通してはじめて、出来事を人ごとのように観察できるようになる場合が多いっちゅうがやき。
ほんで、不思議なことに、一度問題行動らあの行為を外在化し、自然現象のように捉える、すなわち「免責」すりゃあ、外在化された現象のメカニズムが次第に解明され、その結果、自分のしたことの責任を引き受けられるようになってくるっちゅうがよ。
まっこと不思議やけんど、一度「免責」することによって、最終的にきちんと「引責」できるようになるっちゅうがやき。
次に、「中動態」たぁ何かっちゅうたら、國分さんは、英文法で習うた「能動態」「受動態」の兄弟みたいなもんやっちゅうがよ。
実は、能動と受動の区別っちゅうんは言語の歴史のなかじゃあ比較的新しいもんで、かつては能動態と受動態の対立は存在してのうて、その代わりに能動態と中動態が対立しちょって、受動は中動態が担うちゅう意味の一つに過ぎんかったっちゅうがやき。
ワシらあは今、能動態と受動態、つまり「する」と「される」の対立で何じゃち説明できると思うちゅうけんど、よう考えりゃあこの対立はきわめて使い勝手が悪うて、実はいろんなことが説明できんっちゅうがよ。
これが、能動態と中動態の対立じゃあどうやったかっちゅうたら、次の通りやったっちゅうがやき。
「能動じゃあ、動詞は主語から出発して、主語の外で完遂する過程を指し示しちゅう。これに対立せる態である中動じゃあ、動詞は主語がその座となるような過程を表しちゅう。つまり、主語は過程の内部にある。」
ひとことで言うたら、能動態と中動態の対立においちゃあ、「する」か「される」かやのうて、「外」か「内」かが問題になっちゅうっちゅうがよ。
主語が動詞によって名指される過程の内部にあるときにゃあ中動態が用いられ、その過程が主語の外で終わるときにゃあ能動態が用いられたっちゅうことながやき。
例えば、何かを「曲げる」とか、何かを「与える」っちゅうんは能動態ながよ。
なんでかっちゅうたら、作用が主語の外で完結しちゅうきながやき。
それに対して、「惚れる」「欲する」らあは中動態ながよ。
これらあの場合、私っちゅう主語は、動詞によって名指されるプロセスの場所になっちゅうきながやき。
現在の言葉じゃあ、「惚れる」は能動態として表されるけんど、「ワシゃあ惚れた」は果たして能動ながやろか?
たしかにワシがその人に惚れたがやけんど、その人に魅了されちゅうがやき、惚れてしまうがはどう考えたち受動ながやけんど、単に受け身なだけやあないがよ。
ワシゃあ自分で誰かに惚れようとするわけやあない。けんど誰かに惚れることを強制されちゅうわけでもない。
惚れることがワシを場所として起こっちゅうっちゅうわけながやき。
現在の言葉じゃあそのことはうまいこと表現できいで、それによってその意味するところが歪められてしまうっちゅうがよ。
主語が過程の場所になっちゅうことを示す中動態やったら、これを見事に表現できるっちゅうがやき。
ほんで、このような能動態と中動態っちゅう対立から、能動態と受動態っちゅう対立への変化はいったい何を意味しちゅうかっちゅう問いに、十分に答えるがは困難やけんど、國分さんは、この変化が「意志」の概念の台頭と平行しちゅうがやないかっちゅうがよ。
能動と受動の対立は意志の存在をクローズアップするように思われ、実際、意志の概念は古代ギリシアにゃあ存在せん、比較的新しい概念やっちゅうがやき。
能動と受動を対立させる言語は、行為における意志を問題にするようになったがやないかっちゅうがよ。
そうすりゃあ同じ現象やったち、自分の意志でやったがか、誰かに強制されたがかを、区別せにゃあならんがやき。
「自分の意志でやったがか?そうやないがか?」っちゅうて強う尋ねてくるこの言語を、「尋問する言語」と國分さんは呼びゆうっちゅうがよ。
中動態が消滅した後に現れたがは、そのような言語やったがやないかっちゅうがやき。
ほいたら、「意志」っちゅう概念はどうやって誕生したがか?
ギリシアは実はこぢゃんとアジア的で、その文明の根底にあるがは循環する時間と自然っちゅう考え方で、それに対してキリスト教は直線的な時間感覚を生み出した、始まりと終わりがある時間っちゅう考え方を生み出したっちゅうがよ。
自分の意志で行為するっちゅうことは、その行為の出発点が自分にあることを意味し、意志を行為の出発点と見なすたぁ、その意志がピュアな源泉と見なされちゅうことを意味するがやき。
つまり、意志に先行する原因は存在せんと、何もないところに意志がむっくりと現れて行為を生み出したっちゅうことながよ。
けんど、実際にゃあ人間の精神のなかにそのような無からの創造らああり得るはずがないがやき。
行為へと至る因果関係は複雑に絡み合うちゅうと同時に、そりゃあなんぼでも遡っていけるがよ。
にも関わらんと、意志を無からの創造、行為のピュアな源泉と考えちゅうとしたら、ワシらあはそのとき、単に因果関係を見んようにしちゅうだけか、あるいはその因果関係を無理矢理にどっかで切断しちゅうかやっちゅうがやき。
さらにそりゃあ、本来切断できんもんを切断しちゅうっちゅうがよ。
ほいたら何でそんな無理なことを日常的に行いゆうがかっちゅうたら、ここに「責任」の概念が絡んでくるっちゅうがやき。
ここで國分さんは、イタリアの哲学者ジョルジョ・アガンベンの言葉を紹介しちゅうがよ。
「意志は、西洋文化においちゃあ、諸々の行為や所有しちゅう技術をある主体に所属させるがを可能にしちゅう装置ながぜよ。」
意志の概念によって行為をある主体に所属させることができるようになる、つまり、その行為をその人の持ちもんや私有財産にすることができるっちゅうことながやき。
なんでそんなことが必要ながかっちゅうたら、そりゃあ責任を考えるためやっちゅうがよ。
ある行為がワシのもんやったら、その行為の責任はワシにあることになるがやき。
そうやなけりゃあ、そりゃあワシの責任やのうなるがよ。
このようにして行為を所有物とする考えの根拠とされるがが、「意志」の概念であるっちゅうがやき。
さらに國分さんは、ホンマは「意志」と「選択」は分けて考えにゃあいかんっちゅうがよ。
あらゆる行為は選択と見なすことができるけんど、行為すなわち選択は、意志の有無たぁ関係ないっちゅうがやき。
ただそのような行為、すなわち選択がなされゆうだけやっちゅう場面が実際にゃあこぢゃんと多いっちゅうがよ。
ところが、責任を問われにゃあならん場面になりゃあ、突然意志っちゅう概念が現れてきて、その行為すなわち選択に飛びつくがやき。
ワシらあは不断に選択しよって、何をするがもすべて選択ながよ。
それに対し意志っちゅうんは、後からやってきて、そこに付与されるもんやっちゅうがやき。
付与された後で、その選択が私的な所有物にされる。そうして責任が発生するっちゅうがよ。
けんど、こりゃあどっかおかしいがやないかと國分さんは考えちゅうっちゅうがやき。
「まえがき」に示されちょった通り、責任は応答と結びついちゅうがよ。
けんど、ワシらあの知る意志の概念によってもたらされる責任はどこっちゃあに応答の契機がないっちゅうがやき。
そもそも責任っちゅうんは、論語の「義を見てせざるは勇無きなり」の「義の心」のことで、自分が応答するべきである何かに出会うたとき、人は責任感を感じ応答する・・・これがそもそもの責任っちゅう言葉の意味やないがかと、國分さんは喝破するがよ。
ほいたら、こう考えられるっちゅうがやき。
意志の概念を使うてもたらされる責任っちゅうんは、実は堕落した責任やっちゅうがよ!
ホンマはこの人がこの事態に応答するべきやけんど、応答するべき本人が応答せん。そこで仕方のう、意志の概念を使うて、その当人に責任を押しつける。そうやって押しつけられた責任だっけを、ワシらあは責任と呼びゆうがやっちゅうがやき。
中動態じゃあ責任を取らいでもえいがですねっちゅう誤解がようあるけんど、決してそうやないっちゅうことながよ。
さて、ちくと長うなってしもうたけんど、まだまだ先がありますきに、今回はここまでとさいてもうて、この続きは次回「後編」に譲らいていただきますぜよ。
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東京農業大学 蔵元&銘酒案内「日本酒〜世界を魅了する国酒たち〜」ぜよ!
今回は、東京農業大学から出版された日本酒本、「日本酒〜世界を魅了する国酒たち〜東京農業大学 蔵元&銘酒案内」(発行:学校法人東京農業大学 発売:世音社 2021年4月1日発行 2200円+税)を、ご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 日本酒〜世界を魅了する国酒たち〜](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/c/c/ccc1b933.jpg)
なお、この書籍のご購入を希望されます皆さんは、以下のサイトをご覧くださいや。https://utsusemi-agriport.shop/
東京農業大学は、1953年に醸造学科を設立し、日本酒製造に関する科学・技術的研究を進めもって、造り酒屋の後継者養成にも努めゆうき、国内における造り酒屋の5割に、卒業生が勤めゆうと言われるばあながやき。
つまりこの書籍は、東京農業大学の卒業生が活躍しゆう酒蔵を、北から南まで268社紹介しちゅうっちゅう、なかなか珍しいパターンの日本酒本ながよ。
![写真2 四国地方](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/8/9/89da5afc.jpg)
![写真3 司牡丹酒造](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/d/4/d463cf96.jpg)
オールカラーで350ページばあある分厚さで、1社1ページで268社紹介されちょって、もちろん司牡丹酒造も掲載されちゅうがやき。
ちなみに司牡丹の場合は、浅野徹取締役杜氏が、東京農業大学の醸造科の卒業生ながよ。
また、さらに30ページばあ他のコンテンツも掲載されちゅうがやき。
その他のコンテンツたぁ、醸造科学科穂坂賢教授の「世界における日本酒」っちゅう小論文、「世界で愛される東京農業大学の日本酒」(酒蔵とその輸出先国を世界地図で紹介)、「日本酒の基礎知識」〜換饉鯤討亮舁彑源挫魯泪奪廖↓地理的表示(GI)保護制度、SAKE造りは「一麹二もと三造り」、て本酒の分類、テ本酒用語らあで、さらに食品安全健康学科阿久津さゆり教授の「国酒・日本酒と和食の愉しみ方」っちゅう小論文も掲載されちゅうがよ。
また、この後が268社の「蔵元&銘酒案内」になるがやけんど、それぞれのパートでそれぞれの地方の代表的な「食文化」らあも紹介されちゅうがやき。
なお、ここに掲載されちゅう268社以外にも、東京農業大学卒業生が関係しちゅう酒蔵はまだまだあって、それらあの社名もそれぞれの地域ごとに掲載されちゅうがよ。
さて、この書籍やけんど、実は一般の書店や一般の流通ルートらあじゃあ入手できんようで、下記のECサイトにて販売されゆうがやき。
入手を希望される皆さんは、下記のサイトをご覧いただき、こちらからお申し込みいただけますよう、お願い申し上げますぜよ。
https://utsusemi-agriport.shop/
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コロナ下で必読!小阪裕司先生の「『顧客消滅』時代のマーケティング」ぜよ!
今回のお薦め書籍は、2月末に発刊されたばっかしでベストセラーになり重版となっちゅう、小阪裕司先生(https://kosakayuji.com/)の最新刊「『顧客消滅』時代のマーケティング 〜ファンから始まる『売れるしくみ』の作り方〜」(小阪裕司 著 PHPビジネス新書 2021年3月11日発行 870円+税)を、ご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 「顧客消滅」時代のマーケティング](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/f/c/fc935697.jpg)
![2021.3.31写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/1/6/160bd573.jpg)
約8年ぶりの小阪先生のビジネス書に感激し、ワシゃあむさぼるように一晩で、線を引きまくりながら読破してしもうちょったがやき。
その中にゃあ、オビの「成功事例」のキャッチにもあるとおり、「営業自粛でも前年比150%を達成したレストラン」や、「深夜営業NGでも売上を維持したバー」や、他にも「コロナ禍でも好調を維持しちゅう墓石屋」や、「ディズニーランドより楽しいかも」とお客様に言われるミニスーパーの事例らあが多数掲載されちょって、こぢゃんと学びになるがよ。
ほんで、何ちゅうたちこの書籍の最大の価値は、サブタイトルにある「ファンから始まる『売れるしくみ』の作り方」が分かることであり、またオビのキャッチコピーの「コロナ禍でも売上を伸ばし続けるたった一つの方法」が理解できることにあるがやき。
そりゃあ何かっちゅうたら、その答えを一言で言うてしもうたら「ファンダム」を作ることながよ!
熱心なファンらあと、その人らあが作り出す世界のことを「ファンダム」と呼ぶがやき。
ほんで、その「ファンダム」を作るためにゃあ、「お客」ととにかく「つながり」をつくり、「顧客」(リピーター)になってもうて、さらに「ファン」になってもらうっちゅうことながよ。
この書籍にゃあ、そのやり方についてが、具体的に示されちゅうがやき。
しかも、1冊870円(+税)の新書本で、読みやすい平易な文章で書かれちゅうきに、「コロナ禍やち売上を伸ばし続けるたった一つの方法」を知りたいやったら、もはやこの書籍を「買わん」「読まん」っちゅう選択肢は、あり得んと言うたちえいばあながよ!
また、この書籍は、最終顧客と直接接する「B to C」の業種だけやのうて、最終顧客と直接接することの少ない「B to B」の業種にやち、こぢゃんと参考になる事例や手法もしっかり掲載されちゅうきに、飲食業や小売業の方々だけやのうて、卸売業やメーカーの方々にも、強力にお薦めできるがやき。
特に、全国の「日本名門酒会」の加盟店さんにとっちゃあ、「日本名門酒会」が業界唯一最強の「価値創造型サプライチェーン」やと、あらためて気づかされ、何とワシらあは恵まれちゅうことかと、つくづく実感することができるがも、この書籍の大きな魅力であることも付け加えさいていただきますぜよ。
さらに、もう一点、付け加えさいていただくなら、この書籍に掲載されちゅう事例は、ただ単に珍しい成功事例を取り上げて掲載しちゅうようなもんやのうて、重要な点は、「これは科学や!」っちゅうことながよ!
小阪先生は、情報学の博士でもあり、「感性と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法を20年以上にわたって、「ワクワク系マーケティング実践会」会員企業約5000社とともに実践の中で研究開発されてきちゅうきに、つまりは「こういう実践をすりゃあこういう結果が出る」っちゅうことに他ならず、誰やち同じ結果を出すことができるっちゅうことながやき!
ほんじゃき、もし今、おまさんの仕事がコロナ禍で大変やっちゅうがやったら、そりゃあもう絶対に!ご一読をお薦めいたしますぜよ!
さらに、この書籍の終章は「『アフターコロナ時代』に必要なもの」っちゅうタイトルで、「これから一層現実化する三つの未来」が描かれちゅうがよ。
まず、一つめは「業種分類は消滅する」ながやき。
こりゃあ、たとえば美容院なら美容院、酒販店なら酒販店っちゅう縛りがあいまいになっていくっちゅうことながよ。
この動きは、既に明らかに加速しゆうがやき。
書店がえい例ながよ。
かつて「ヴィレッジヴァンガード」のように書籍以外の様々な商品を売る書店は珍しい存在やったけんど、いまや書店店頭で書籍以外のモノを売るこたぁ当たり前となっちょって、カフェ併設の店も増えちゅうがやき。
既に「カフェながか、雑貨屋ながか分からん書店」の時代やっちゅうことながよ。
二つめは「多くのビジネスが『教育産業』になっていく」ながやき。
こりゃあ、たとえば酒屋さんが日本酒教室を開き月謝をいただくっちゅうケースももちろんあるろうけんど、小阪先生の語る「教育産業」たぁ、まっと本質的で、まっとシンプルなことながよ。
たとえば日本酒教室を開けるばあの酒屋やとすりゃあ、そもそも日本酒にゃあ詳しいき、それがどんな料理に合うかも分かるはずながやき。
さらに食べ物にも詳しけりゃあ、この時期は何が旬で、それを食べるやったらどの日本酒を合わせりゃあえいか分かるはずながよ。
それを教え・伝えることを主とするっちゅうんが、小阪先生の語る「教育産業」の本質ながやき。
その結果、旬の食べ物に合わせて毎月決まって日本酒を買う顧客が増えりゃあ、そりゃあ月謝をいただくがと同じやっちゅうことながよ。
さらにその結果、毎月決まった額で旬の食材と旬の日本酒をお届けするやったら、さらに月謝っぽいがやき。
今注目の「サブスクリプションモデル」も、その基本は「定額制・継続課金」っちゅうことやき、こりゃあ「サブスクリプションモデル」であるとも言えるがよ。
三つめは「社交サロンが隆盛する」ながやき。
サロンたぁ、人と人が集う場所のことながよ。
今後特に店舗は、モノを買うための場所やのうて、人々が社交し、交流する場になっていくっちゅうて、小阪先生は語られるがやき。
顧客は店と、あるいはその店に集う人と交流するために、店に足を運ぶようになるっちゅうがよ。
こうなりゃあ、店にゃあ商品すら置かいじゃちえいようになるがやき。
たとえば、自動車販売店らあが「車を置かんショールーム」を作ったりしゆうがも、その例ながよ。
店舗はどんどん「コミュニティの場」に変わっていくやろうっちゅうて小阪先生は語られ、ウィズコロナの時代においちゃあ、リアルとオンラインを併用しもって、「サロン」を作っていくことがますます重要になっていくやろうっちゅうて、補足されちゅうがやき。
この「アフターコロナ時代」に求められる、「三つの未来」を読んで、ワシがスタートさいた「酒道 黒金流」は、まさに「三つの未来」に合致しちゅうと気づいて、こぢゃんと嬉しかったがよ。
ご参考までに、宜しかったら是非以下のホームページをご覧くださいや!
●「酒道 黒金流」ホームページ:https://shudo-kurogane.jp
ちくと脱線したけんど、あらためて最後に強調さいていただきます!
小阪先生の「『顧客消滅』時代のマーケティング」は、コロナ禍やち売上を伸ばし続けるたった一つの方法があるんやったら教えてほしいと思うちゅうビジネスパーソンにゃあ、まさに必読の書籍ながぜよ!
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今こそ超お薦め!井庭崇先生の「コロナの時代の暮らしのヒント」ぜよ!
今回は、久々のお薦め書籍で、慶應義塾大学総合政策学部教授で博士(政策・メディア)である井庭崇先生の、「コロナの時代の暮らしのヒント」(井庭崇 著 晶文社 2020年9月30日発行 1600円+税)を、ご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 コロナの時代の暮らしのヒント](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/e/d/edf952a1.jpg)
![2021.3.22写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/c/b/cb2101c7.jpg)
まずどんな本ながかを一言で言うたら、オビの言葉のとおり、「生活、学び、仕事に子育て。不安に揺れる日々を、いつか思い出になるような、かけがえのないもんにする32の知恵」っちゅうもんながよ。
もうちくと詳しゅう言うたら、次のようになるがやき。
いま、新型コロナウィルス感染症禍で、誰もが大きなストレスや不安を抱えもって暮らしゆうがよ。
この難局を乗り越えるためにゃあ、みんなあが創意工夫しもって、自分らあのよりよい暮らし、働き方、学び方をつくっていくしかないがやき。
そこで、さまざまな分野のコツを集め分析・研究してきたプロフェッショナルが、大変な状況のなかでの暮らしをよりようするヒントを、独自の手法でまとめたがが本書ながよ。
生活、学び、仕事、子育て等々、さまざまな方々にとってのあらゆるシーンで役立つ32のヒントが満載で、ひとつひとつの知恵・工夫は、シンプルで簡単なもんばっかしでありながら、その効果は絶大ながやき。
鬱々となりがちな、このウィズコロナ時代の生活、仕事、学びらあの1つひとつをキラリと光り輝くもんに変えていく、そんな大いなるパワーを秘めた書籍ながよ!
まず、「さまざまな分野のコツを集め分析・研究してきたプロフェッショナル」っちゅうんが井庭先生のことながやけんど、専門用語じゃあ「パターン・ランゲージ」っちゅうがやき。
うまいこと実践しゆう人らあの考え方ややり方の「型」(パターン)を言語(ランゲージ)化する、つまりコツや秘訣を表す言葉をつくるっちゅうもんながよ。
このようなコツや秘訣を表す言葉があるだっけで、各自が自分で考えやすうなったり、ほかの人にわかりやすう伝えたりできるようになるがやき。
ワシも会員になっちゅう「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰されゆう小阪裕司先生も井庭先生と共に、「感性科学マーケティング・パターン〜実践・習得のコツのことば」(会員限定書籍)っちゅう冊子を作られちょって、こぢゃんとビジネスの実践現場で役立たいてもらいゆうがやけんど、こんなかの「ことば」もいくつか本書に掲載されちゅうがよ。
さてほいたら、やっぱし実際に中身を見た方が分かりやすいろうきに、ちくと何点か内容をピックアップしてご紹介さいていただきますぜよ。
まず「32の知恵」の一番最初に掲載されちゅうがが、「いつもと違う日々を〈新しい旅〉やと捉え、素敵で思い出深い日々にしていく」ながやき。
コロナ禍の状況のなか、いつもと違う生活を余儀なくされたり、やりたかったことができんなったりしちゅうがよ。
「こんなん嫌や」っちゅうたち、状況は何も変わらんがやき。
自分らあの捉え方・姿勢を柔軟に変えて、この日々を生きていくしかないがよ。
そこで、生活を大きゅう変えるきにこそ実現できる「新しい旅」が始まったがやと捉えるようにしてみるっちゅうがやき。
家におる時間が増えりゃあ、家でできることも増えるもんやき、たとえば本格的に片付け・掃除をしたり、これまであんまりしてなかった料理をしてみたり、読めんと置いちゃあった本を読んだり、好きな音楽を聴きもって仕事や勉強をすることもできるがよ。
この未知なる日々は、暮らしの上での〈新しい旅〉が始まったようなもんながやき。
「旅」じゃあ、普段たぁ異なることが起きるもんながよ。
いつもと違う不便さもあるがやき。
けんど旅は、とびきり素敵な体験や、思い出深い経験にもなり得るがよ。
その旅がどういうもんになるかは、自分らあ次第ながやき。
えい旅をするにゃあ、〈旅の仲間〉とともに、予想外のことやアクシデントにもうまいこと対処し、むしろそれ自体も楽しんでしまうばあの気持ちが大切ながよ。
ほんで、いつか元の場所に戻んてきたときにゃあ、旅をする前たぁ異なる、成長した自分になっちょって、〈旅の仲間〉ともより強い絆で結ばれちゅうことになるやろうっちゅうがやき。
そういうふうに、今の「いつもと違う生活」を一種の〈新しい旅〉やと捉えてみることで、これから過ごす時間は、何かを失うた時間やのうて、これまで得られんかったもんを得て、これまでなかったもんをつくっていく時間ながやっちゅうことに気づくがよ。
ほんで、そのかけがえのない時間をどのように生きるがかは、自分らあ次第ながやと思えるようになるがやき。
どうぜよ?今の暮らしを、〈新しい旅〉やと捉えりゃあ、ちっくとワクワクしてこんかよ?
さてもうひとつ、「32の知恵」の9番目、「〈わくわく実行委員会〉を立ち上げて、楽しい企画を実行しょう!」もご紹介さいていただきますぜよ。
コロナ禍じゃあ、以前のようにゃあ、遊びに行ったり、友達と飲みに行ったり、旅行に行ったりっちゅうことが難しい状況ながよ。
そうなりゃあどういたち、いつものメンバーでいつものことと、マンネリ化しがちながやき。
しかも、この状況がいつまで続くがか不透明やきに、閉塞感も大きいがよ。
そこで、このような状況やからこそ、いろいろな人を巻き込みもって日常に彩りを添える楽しい企画を仕掛けてみるっちゅうがやき。
普段離れて暮らしゆう家族や親戚、友達らあに連絡して、何か楽しいことをしょうっちゅうて持ちかけてみるっちゅうがよ。
ここで、井庭先生が紹介されちゅうオンライン飲み会が、「なるほど!こりゃあやってみたい!面白そう!」っちゅう格別な事例やったがやき。
そりゃあどういうもんかっちゅうたら、なんと焚き火の映像を共有して、それを見もって、キャンプのときのように話すっちゅうオンライン飲み会ながよ!
こりゃあ、実際に誰かが焚き火をするっちゅうわけやのうて、YouTubeで「焚き火」で検索すりゃあ、何時間もの焚き火の長い映像がいくつかアップされちゅうき、それをZoomで画面共有すりゃあ、みんなあで同じ焚き火を見もって語り合うことができるっちゅうがやき。
パチパチ、パチパチ・・・木が燃える音を聴きもって、参加者が自分の部屋を暗うすりゃあ、こぢゃんと雰囲気が出るっちゅうがよ。
部屋が暗いと、お互いに顔がほとんど見えんけんど、パソコンの画面の光でたまにチビッとだっけ見えるっちゅう、そんな感じが、ホンマに夜に焚き火を囲んで飲みゆうような雰囲気を醸し出すっちゅうがやき。
こぢゃんと落ち着いて語り合え、こぢゃんとえい時間をみんなあで過ごすことができたっちゅうがよ。
最近、相手の顔をしっかり見もっての遠隔ミーティングばっかしで、リアルなミーティング以上に相手の顔を見ゆうような気がして、ちくと疲れるろうっちゅうがやき。
けんど、ホンマにワシらあが話しやすいがは、こんなふうに焚き火を見ゆうときや、ドライブしゆうとき、海を見ゆうとき、カウンター席で横に並んじゅうときらあやないかよっちゅうがよ。
決して、真正面で面と向こうて話すときやないはずやき、ほんじゃきこそ、交流のための場じゃあ、真面目なミーティングの設定やのうて、場を演出してしまおうっちゅう企画が、素敵でワクワクするっちゅうがやき。
この焚き火を囲んでのオンライン飲み会は、ワシも思わず「これ、絶対やってみたい!」と思うたがよ。
そういうふうに、「わ、これ、やってみたい!やろう、やろう!」っちゅうて仲間と盛り上がるっちゅうことが、〈わくわく実行委員会〉の始まりやっちゅうがやき。
こんなふうに、オンラインでのつながり方も工夫次第で、素敵な思い出深い体験にすることができるっちゅうがよ。
また、ワクワクする企画について話すコミュニケーションをとるだけやち、気持ちが明るうなってくるし、一緒に企画することで、離れちょったち一体感を感じることができるし、さらに何より、その準備の時間や、実際にやりゆうとき、素敵な時間を過ごすことができるっちゅうがやき。
最後にもうひとつ、「32の知恵」の17番目、「不可解な言動は、その人が〈体験しゆう世界〉を〈内側から捉える〉ことで理解する」をご紹介さいていただきますぜよ。
今の状況は、誰にとったち異常でストレスフルな状況ながよ。
家族が思うてもみんかったことを言い出したり、仕事仲間や友達と話が噛みあわんかったり、子どもがわがままや感情的になったり、身近な誰かが精神的に不調をきたしたり・・・そんなことが起きるかもしれんっちゅうがやき。
いったい何を言いゆうがか、何を考えちゅうがか、何が起きちゅうがか・・・そう思うような瞬間があるがやないろうかっちゅうがよ。
自分の視点や常識から考えて、その人の言動が理解できんと、感情的にゃあ、ついそんな相手を責めてしまいがちながやき。
けんど人は、これまで生きてきたなかで培われた自分なりの世界観と捉え方をもっちょって、それをもとに物事を捉え、世界を認識しゆうがよ。
そのため、おんなじ状況・出来事に直面したち、人によって異なる意味で捉えることになるがやき。
たとえば、ズッと子どもと一緒に過ごしよったら、〈体験しゆう世界〉はおんなじやと思うちゅうかもしれんけんど、果たしてそうやろかっちゅうがよ。
何が何やら分からん恐怖と、あれはしちゃいかん、これもせられんっちゅうなかで、ただただ家におる・・・子どもが〈体験しゆう世界〉は、そういう世界かもしれんっちゅうがやき。
そこで、相手が〈体験しゆう世界〉を、対話と想像によって、〈内側から捉える〉ようにすることで、相手の考えや気持ちがどのように生じてきたがかを理解するようにするっちゅうがよ。
相手が今、どのように「世界」を見て、どのような「世界」を生きちゅうがか・・・そういうことを、じっくり対話して話を聴いたり、想像したりして、その世界のなかでどのような気持ちになっちゅうがか、なんでそういう発言・行動に出たがかを、本人の気持ちに寄り添うて理解するっちゅうがやき。
そりゃあたとえるなら、その人の「世界」のヴァーチャル・リアリティ(VR)の世界に入り込むようなもんやっちゅうがよ。
その人になりきって、どういう「世界」を体験しちょりそうかをイメージするっちゅうがやき。
そうすりゃあ、その人が生きちゅう「世界」がどのようなもんか、ほんで、それにとものうて生じる感情はどのようなもんながかが、ある程度理解できるようになるっちゅうがよ。
そうなりゃあ、今の言動や抱えちゅう感情が、どういう文脈のなかで生じてきたがかを理解することができるっちゅうがやき。
その結果、それまで不可解に思われちょった行動や発言も、その文脈のなかでの「当然の反応」として捉えられるようになり、その人への理解が深まるっちゅうがよ。
こうやって深う理解しあいもって、感情的にぶつからんと、えい関係を築いていきたいもんながよっちゅうがやき。
井庭崇先生の「コロナの時代の暮らしのヒント」・・・家庭でも、仕事でも、学びや子育てでも、不安に揺れる日々を、光り輝くかけがえのないもんに変えるパワーを秘めた、まさに今必携のお薦め書籍ぜよ!
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お薦め書籍「世界一シンプルな増客マシーンの作り方」ぜよ!
今年最後のお薦め書籍は、ワシが今年1年間で読んだ100冊ばあある書籍の中でベスト3に入る書籍、「世界一シンプルな増客マシーンの作り方」〜普段のシゴトをしているだけで勝手に顧客がやってくる!〜(マーカス・シェリダン 著 壇直仕 日本語版監修 齋籐槙子 訳 実業之日本社 2000円+税 2020年11月10日発行)をご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 世界一シンプルな増客マシーンの作り方](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/c/a/caf1358d.jpg)
![2020.12.29写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/2/a/2a955aa5.jpg)
ちなみに本書の原題は「THEY ASK, YOU ANSWER」、つまり直訳すりゃあ「彼らは尋ね、あなたは答える」で、本書のオビにも書いちゃある、「訊かれたことに答える」っちゅう、新しいビジネス哲学のことながやき。
本書の日本語版監修を務めた壇直仕祇萓犬蓮▲錺靴發海造磴鵑箸世話になった経営コンサルタントで日本一のマーケッターながよ。
その壇沈萓犬、「日本語版監修まえがき」として、「普段の仕事からはじめられる、究極のデジタル集客術」っちゅうタイトルで寄稿されちゅうがやき。
そこじゃあ、本書で公開されちゅう内容の、何が画期的かっちゅう点について、ズバリ語られちゅうがよ。
まず、何が画期的かっちゅうたら、特別な知識やスキルを身につけいじゃちえいっちゅう点にあり、普段の仕事を、ほんのチョビッと工夫しもって取り組むだっけで、どんなビジネスやち、おまさんにぴったりの顧客が、広告せいじゃち自然に集まるようになるっちゅうがやき。
しかも最新デジタルマーケティングを導入する基盤ができるきに、おまさんの会社に大きな可能性を拓いてくれるっちゅうがよ!
デジタル全盛の今、効果的ノウハウの多くは、デジタルリテラシーが高うないと使えんがやき。
デジタル絡みのノウハウは、技術ベンチャーらあの成長ビジネスじゃあ、すんぐに導入できるけんど、成熟ビジネスにおいちゃあ、慣れた業務を抜本的に変えにゃあならんき、大きな壁にぶつかる場合が、ほとんどやっちゅうがよ。
けんど本書の方法論は、担当者がその気になりゃあ、すんぐに活用でき、売上がスムーズにあがりはじめるっちゅうがやき。
しかも、費用対効果が極めて高いき、壇沈萓犬蓮△海遼椶鬚覆鵑箸靴燭繊日本の読者にお届けしたかったっちゅうがよ。
やるべきこたぁ、シンプル。
本書の第9章にまとめられちゅう「5大テーマ」に絞って、顧客からの問合せに対する回答を、会社のウェブサイトに準備するだっけながやき。
手順は、コーヒーでも啜りもって、顧客からの問いに「正直に、どう答えるか?」と考える。答えを、走り書きする。その文章を編集して公開する。基本的な作業は、以上で終わりやっちゅうがよ。
このような「顧客に語りかける、正直な文章」は、自己主張ばっかしで、嘘が溢れるネットのなかで、注目されやすうて、信頼されるっちゅうがやき。
しかも絞り込まれた5大テーマは、購買直前に知りたい内容やき、おまさんから発信された正直な情報は、おまさんの会社にぴったりな顧客を引き寄せることになるっちゅうがよ。
その結果は、どうやろう?本書で紹介された、実績数値の一部をあげりゃあ、次のとおりながやき。
●活用3ヶ月後にゃあ、サイト訪問者が月1000人弱から、3万人に急成長。800万ドルの売上増。
●2年あまりで、月間数千人のサイト訪問者が、11万5000人を超える。
●本書ノウハウ活用で、広告費ゼロになったにも関わらず、年間1000万ドルの売上の増加。
このように、日常業務のちょっとした改善ではじまる集客増・売上増は、ベテラン・マーケッターがあげる結果をも、余裕で超えてしまうっちゅうがよ。
しかも、前記の実績が、ITやAIベンチャーらあの成長市場での数値やったら、驚くもんやないかもしれんけんど、著者マーカス・シェリダン氏自身が、このノウハウで会社を急成長さいたがは、スイミングプール施工会社における営業職を務めよったときのことやっちゅうがやき。
さらに、リーマンショックで売上が急減するなか、受注がすべてキャンセルになり、やることがないなか、今まで後回しにしちょった顧客への回答に、ほんのちょっと彼なりの工夫をした結果、48時間以内に、検索エンジンでトップ表示になり、100万人以上の訪問者を呼び込み、顧客と会うことのう、1000万円以上もの高額受注を獲得できる仕組みを築いたっちゅうがよ。
今まさに、コロナショックで売上が急減し、キャンセルだらけでやることがないっちゅう全てのビジネスパーソンにとって、まさに本書は救世の書となるとワシゃあ思うたき、内心ライバル会社に知られてしまうがが怖いばあの手法ながやけんど、今回ご紹介さいていただくことにさいてもうたがやき。
ちなみに本書が書かれたがは2017年やき、今から3年も前ながよ。
邦訳が刊行されるまで大きな遅れとなったけんど、実はこれが幸いしたと、壇沈萓犬聾譴襪やき。
なんでかゆうたら、本書の考え方は、成長期に突入したYouTubeチャンネルで、そのまんま活用できるきやっちゅうがよ。
具体的にゃあ、顧客からの問い合わせをきっかけに、正直に伝えるYouTube動画をつくりゃあ、購入意欲の高い顧客に視聴されるコンテンツになるっちゅうがやき。
その動画を、会社の公式YouTubeチャンネルで公開し、動画検索で上位ランキングされりゃあ、購入意欲の高い顧客を集めつづける増客マシーンの完成やっちゅうがよ。
業界の標準チャンネルになる可能性もあるきに、まっことやっぱしライバル会社に知られてしまうがが、怖いばあの手法ながやき。
さて、いよいよ本書の中身についてやけんど、まず著者は、本書が役に立つかどうかに大きく影響することが2つあるっちゅうがよ。
1つめは、消費者の購買行動が変化しゆうと思うてない人は、これ以上本書を読み続けたち意味がないっちゅうがやき。
2つめは、ものの見方の問題やっちゅうがよ。
新しいアイデア・提案・事業戦略を耳にしたとき、「そんなのダメや、うまいこといくわけない」「ムリ」「うちの業界の購買行動はそうやないき」っちゅうような、思い込みから逃れられんような人にも、本書は役に立たんっちゅうがやき。
著者も世界各地で講演するたんびに、「おまさんがいま話しゆうことは、家庭用プール業界じゃあうまいこといきゆうかもしれんけんど、うちはまた別やきに。」っちゅう言葉を、耳にタコができるばあ聞いたっちゅうがよ。
みんなあ、自分の会社や業界は特殊やと思うちゅうかもしれんけんど、実は消費者や買い手からすりゃあ、どの企業やちすべて同じ、たったひとつのことが一番大事で、そりゃあ「信頼」やっちゅうがやき。
この現実を受け入れて、「うちは別」っちゅう思い込みをぬぐい去り、どの会社も基本的にゃあ変わらん、と意識するようになりゃあ、素晴らしいことが起きるようになるっちゅうがよ。
ほんで、本書の主眼である「訊かれたことに答える」たぁ、いったい何かっちゅうたら、なによりもまず、ひとつのビジネス哲学やっちゅうがやき。
そりゃあ、「お客様は何を考えゆうか」だけやのうて、「何を検索し、尋ね、感じ、心配しゆうか」っちゅうところまで押し広げて考えにゃあいかんっちゅうがよ。
本書を読みゃあ、この考え方が「インターネットマーケティング」の範囲をはるかに超え、おまさんの会社のビジネス哲学のあらゆる面をもしのぐことに気づくはずやっちゅうがやき。
こりゃあ、オンラインマーケティング、対面販売から企業ブランディングにいたるまで、会社、企業文化、業績に関するすべてに、大変革をもたらしうるビジネスのやり方やっちゅうがよ。
ほんで、本書の第1部じゃあ、「訊かれたことに答える」ことについての詳細と、デジタルマーケティングの取り組みへの効果が説明されちゅうがやき。
第2部は、「訊かれたことに答える」が営業面に及ぼす効果を説明しちゅうがよ。
第3部は、「訊かれたことに答える」を実行し、うまいこと機能させるための、いつ、誰に、どこで、何を、なんで、どのように、を具体的に説明しちゅうがやき。
全般に、様々な企業の事例らあが豊富やき、こぢゃんと面白うて、かつ参考になるがよ。
ほんで最後の第4部は、この手法に関する「ようある質問」に著者が答えちょって、まさに「訊かれたことに答える」を実践しちゅうがやき。
ほいたら最後に、本書のキモともいえる「質問の5大テーマ」について、以下に簡単にご紹介しちょきますぜよ。
著者がかつて、自社サイトのアナリティクスを詳しゅう調べてみたところ、サイト訪問者になんらかの影響を及ぼし、最終的にトラフィック、コンバージョン、リード、契約につながっちゅうと思われるコンテンツ(つまり質問)は、基本的に次の5つのテーマに分類できたっちゅうがよ。
,いらするがか
¬簑蠹
H羈咫β仂
ぅ譽咼紂
ゼ鑪猜魅戰好
まず,蓮価格がケースバイケースで決まるような業界じゃあ、企業サイトに価格や料金情報がまったく見当たらんけんど、そのケースバイケースを説明しもって価格やサービス料金らあの情報をしっかり表示するべきやっちゅうことながやき。
△量簑蠹世燭 買い手としちゃあ、商品のえい点、悪い点、厄介な点らあのすべてを知りたいけんど、一番気になるがは厄介な点ながやき、ほいたら最初っから自らのサイトにて自社商品の問題点を語るべきで、そこにこそ「信頼」が生まれるっちゅうことながよ。
の比較・対照についちゃあ、ほとんどの人が購入を決める前に複数の選択肢を調べ、それぞれ比較したうえで、自分のニーズに一番合いそうなもんをひとつ選ぶがやき、他社商品も含めて、それぞれの商品の詳細だっけを説明し、あとは干渉せんと最終判断は顧客に任せてくれるっちゅうような、偏りのない情報ページを求めゆうっちゅうことながやき。
い離譽咼紂爾鉢イ亮鑪猜魅戰好箸砲弔い舛磴◆⊂暖饉圓呂修離テゴリー商品のランキングや、自分のニーズに一番合う商品はどれながが、一番知りたいがやき、ほいたら他社商品やち紹介すべきやっちゅうことながよ。
これらあの「質問の5大テーマ」に則って、顧客からの問合せに対する回答を、会社のウェブサイトに準備すりゃあ、「増客マシーン」の一丁あがりっちゅうわけながやき。
もちろん詳しゅうは、是非本書をお読みくださいや!
「世界一シンプルな増客マシーンの作り方」・・・この長期化するコロナ禍で、売上が激減して困っちゅう全てのビジネスパーソンの皆さんに、是非この年末年始に本書を読破していただき、新年の仕事始めから早速、この手法の実践に挑戦していただきたいもんながぜよ!
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今やからこそ!「驚くほど顧客を獲得できる すごい接客」ぜよ!
今回のお薦め書籍は、ワシの盟友で「酒販ビジネス実践会」(http://syuhan-business.com/ )を主宰されゆう増田健冶さんからお薦めされた書籍、「驚くほど顧客を獲得できる すごい接客」〜売れない販売スタッフが生まれ変わるプレシャスメソッド〜(宮田佳子 著 現代書林 2020年11月18日発行 1300円+税)をご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 すごい接客](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/7/b/7bd2582c.jpg)
![2020.12.7写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/6/0/600153b2.jpg)
著者の宮田さんは、コーセーやシャネルらあの国内・外資の大手化粧品ブランドでの勤務を経て、国内大手通販化粧品会社(株)ヴァーナルの営業統括トレーナーに就任し、トレーナー担当当時の実績として、国内での総売上を過去最高の600億円に導かれちゅうがやき。
その後、ファッションとビューティに特化した研修会社のトレーナーにヘッドハンティングされ、豊富な現場経験からの研修スタイルが評判となり、年間100件の集合研修と400件のOJTの依頼を引き受けられちゅうがよ。
ほんで、2014年1月、これらあの経験を活かして株式会社Precious(http://precious-inc.jp/ )を設立。
いまや化粧品業界だけやのうて、アパレル、スポーツブランド、アクセサリーらあのファッション関連販売の他、車の販売やスポーツクラブ等々、多くの企業からその指導は好評を得ちゅうがやき。
「楽しく、現場ですぐに役立つトレーニング」を理念に掲げ、自身の接客販売の経験、また長年の接客販売の指導を元に独自の接客法「プレシャスメソッド」を構築し、売れる販売スタッフを育成、指導されゆう方ながよ。
また、青山学院大学、東京モード学園の講師も経験し、杉野服飾大学、杉野服飾大学短期大学部の講師業も行われよって、ファッションビジネス学会東日本支部にも所属されちゅうっちゅう、すごい方ながやき!
さて、まずワシがこの書籍を読んで、真っ先に感じたがは、あらゆる業界に今こそ、今やからこそ!「すごい接客」が必要やっちゅうことながよ。
今、長期化するコロナ禍において、すべての生活者が外出を控えだいて、世の中のあらゆる飲食業、小売業、接客業らあのリアル店舗が大打撃を被り、逆にオンラインの通販業界らあは空前の盛り上がりとなっちゅうがやき。
withコロナ、afterコロナの時代は、確かに全体としちゃあ、リアル店舗の売上は下がり、オンライン店舗の売上が、さらに伸びることになることやろう。
ほいたら、接客のメソッドらあて必要ないやいかっちゅうて考えるかもしれんけんど、実は逆ながよ!
withコロナ、afterコロナの時代、これからの時代のリアル店舗は、オンラインじゃあ絶対に得られんような体験、特別な体験、プレシャスな体験を得られる場、魂にエネルギーを与えてくれるような、そんな場になっていくことになるはずながやき。
そうやなけりゃあ、もはや生活者は、単なる消費行動のほとんどをオンラインで済ませてしまうようになるきながよ。
つまり、これからの時代のリアル店舗はみんなあ、あらゆる業界で「すごい接客」が必要不可欠になっていくやろうっちゅうことながやき。
そういう意味じゃあ、著者はまさしく、そんな「すごい接客」を語るがに、最もふさわしい方ながよ!
デパートの化粧品売場らあを見てもすぐ分かるとおり、これまで対面の接客に最も力を入れてきた業界は、化粧品業界やと言うたち過言やないがやき。
そんな化粧品業界で長年接客販売経験を積み、さらに接客販売指導を行い、さらにさらに独自の接客法「プレシャスメソッド」を構築したっちゅうがやき、こりゃあ他の業界にとっちゃあ、喉から手が出るばあ欲しいメソッドのはずながよ!
そんな「すごい接客」のメソッドが、この一冊に凝縮されちゅうとしたら・・・
特に、これまでまともに「接客」らあて考えたこともないような酒販業界において、このメソッドを身につけたとしたら、そりゃあ数年後にゃあ周りから断トツに飛び抜けた存在になることやろう!
ほいたら、そんな本書の内容について、そのほんの一部を以下に紹介さいていただきますぜよ。
まず著者は、時代に添った接客たぁ「ライフスタイルストーリー」やっちゅうがやき。
「ライフスタイルストーリー」たぁ、モノを中心に考えてお客様に当てはめるがやのうて、お客様の生活や価値観(ライフスタイル)に商品をマッチさせるっちゅうコンサルティングセールス、販売方法ながよ。
お客様の個性、思考、趣味、お客様の理想とするコトガラらあをできるだけ知り、お客様の「これから」の希望を聞き、お客様と一緒に商品を選び、お客様のこれからのストーリーをサポートしていくこと。
つまり、お客様のストーリーに参加したいっちゅう気持ちが大切やっちゅうがやき。
この「ライフスタイルストーリー」をベースにした基本の接客スタイルにプラスして、スタッフの個性やお客様への想いが伝わる接客スタイルが、本書で紹介されちゅう「プレシャスメソッド」やっちゅうがよ。
ほんで、そりゃあ以下の7つのステップで成り立っちゅうっちゅうがやき。
.▲廛蹇璽(ファーストとセカンド)
▲▲廛蹇璽舛亮(マインドとプロダクト)
ヒアリング(コトニーズとモノニーズ)
い環鶲
ゥロージング
Δ見送り
Д▲侫拭璽侫ロー
このステップの中に、必ずお客様のライフスタイルに触れてお客様とトークしていくっちゅうもんで、このトークができるようになるメソッドやっちゅうがよ。
ちなみに,痢屮▲廛蹇璽繊廚砲弔い舛磴◆著者は「アプローチは2回に分割して行うべき」やっちゅうがやき。
ワシも初めて聞いたアプローチ法ながやけんど、確かに「なるほど!」のアプローチ法やって、この一点を知っただっけやち、もはや本書の1300円(+税)分は、はるかに何千倍何万倍も元が取れてしもうちゅうと言えるばあのメソッドながよ!
まずファーストアプローチはお客様が入店されて10秒以内、セカンドアプローチはお客様の様子からタイミングをみてお声がけするっちゅうがやき。
アプローチが上手いこといかんケースの多くは、お声がけを一度にまとめてしもうちょって、ファーストとセカンドに分けられてないことが原因やっちゅうがよ。
特に新規のお客様にゃあ2回に分けてお声がけすることで警戒心を和らげ、安心させる効果があるっちゅうがやき。
ファーストアプローチじゃあ、いきなり「何かお探しですか?」らあてお声がけしたり、答えようがない質問をせんことが鉄則やっちゅうがよ。
ファーストアプローチのポイントは、「お客様に負担をかけんお声がけ」やっちゅうがやき。
たとえば「いらっしゃいませ。ごゆっくりご覧くださいませ。」っちゅうて、最高の笑顔でお迎えするとかで、つまりお客様が心の中で「OK〜!」となるような、考えさせん負担のないお声がけ(クローズ質問)やっちゅうがよ。
とにかく、お客様が来店されたことに対する感謝の気持ちを込めた、そのお客様だけに向けられたご挨拶やき、お客様の目を見て数歩前に出て挨拶することやっちゅうがやき。
続いてのセカンドアプローチは、お客様の今日のファッション、お持ち物、ご様子、ご覧になりゆう商品らあから考えて、お客様から答えが返ってくるようなお声がけ(オープン質問)をするっちゅうがよ。
セカンドアプローチにゃあ大きゅう分けて2種類のアプローチがあるっちゅうがやき。
1つは商品説明からお声がけするプロダクトアプローチ、もう1つは目の前にいらっしゃるお客様に対するパーソナルなマインドアプローチやっちゅうがよ。
既にお客様が商品を手に取っていらっしゃる、または商品を見ていらっしゃるっちゅうことが明らかやったら、商品紹介でアプローチするっちゅうがやき。
けんど、お客様がよっぽど「商品を気に入っていらっしゃる」、「急いでいらっしゃる」場合を除き、プロダクトアプローチから会話をつなげていくことで返答をいただくがは、かなり難易度が高うなるっちゅうがよ。
ほんじゃき、お客様の行動や動きや視線らあを観察して、マインドアプローチをするんがえいっちゅうがやき。
たとえば、以下のとおりのマインドアプローチトークのバリエーションが挙げられちゅうがよ。
●グリーティング:ありがとうございます。○○○をご愛用いただいているんですね。→着心地はいかがですか。
●仮説:お仕事帰りですか?→お疲れ様です。
パーティのご予定ですか?
●ほめる:素敵なピアスですね。
とてもお似合いのヘアスタイルですね。
●アピアランス:たくさんお買い物なさったんですね。
(キャリーバッグをお持ちなら)ご出張ですか?ご旅行中ですか?
とにかく、「お探しですか?」のフレーズは使わんと、ありきたりの言葉やのうて、お客様をよう観察してアプローチの言葉を工夫しましょうっちゅうがやき。
アプローチの仕方だっけで、これっぱあ深い内容があるんやっちゅうことを知るだけやち、ワシらあの日本酒業界や酒販業界にとっちゃあ、目からウロコが落ちまくるはずながよ。
こっから後をさらに知りたい方は、是非本書をご覧いただけりゃあ幸いながやき。
「驚くほど顧客を獲得できる すごい接客」・・・リアル店舗を経営されゆうすべての皆さんに、今やからこそ、是非とも読んでいただきたい書籍ながぜよ!
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「ビジネスエリートが知っている 教養としての日本酒」ぜよ!
今回は、ソムリエでありトータル飲料コンサルタント、「きき酒師」を認定する団体「SSI」(日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会)理事で、一般社団法人日本のSAKEとWINEを愛する女性の会代表理事も務める、友田晶子さんの最新刊「ビジネスエリートが知っている 教養としての日本酒」(友田晶子 著 あさ出版 2020年10月31日発行 1600円+税)を、ご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 教養としての日本酒](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/d/2/d2cf328d.jpg)
![2020.11.23写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/8/b/8b87331c.jpg)
今や国内外で、日本酒に興味を持ち、知りたい、学びたいっちゅうて考えゆう人が増えゆう、それも一流と呼ばれる人らあがやと、まず著者は断言するがやき。
日本を代表する某上場企業のトップセールスパーソンの研修や社内セミナーらあに日本酒の基礎が組み込まれたり、外資系企業らあの懇親会で日本酒と和食のペアリング体験が行われたりしよって、海外での日本酒セミナーの依頼も急増しゆうっちゅうがよ。
日本酒を語れることは、より広うて深い教養がある証しとなり、そっから会話がふくらみ、ひいてはビジネスチャンスにつながり、ネットワークが広がっていく・・・ちゅうことに多くのエリートビジネスパーソンらあが気がつき、教養として身につけるべく日本酒について学び、さまざまなシーンで活用しゆうっちゅうがやき。
本書は、そんな日本酒に関する正しい知識と教養を身につけたいと真剣に考える方に向けて、トレンドを含めた日本酒の基礎をわかりやすう説明し、海外を含むビジネスシーンで必須のマナーやルール、立ち居振舞い、日本酒がある場の楽しみ方らあを、できるだっけ現実に即した例を用いて紹介されちゅうがよ。
また、日本酒を造りゆう蔵元らあも多数登場(「仙禽」「新政」「獺祭」「達磨正宗」「金婚」「菊正宗」「女将」「梵」)し、生の声で語られちゅうがやき。
さらに、「全国の地酒の特徴と代表銘柄」が綴じ込み付録として付けられちょって、「太平洋側(海川系淡麗辛口)」にゃあ高知県に「司牡丹」が掲載されちゅうがよ。
![写真3 全国の地酒の特徴と代表銘柄](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/4/b/4bb2aa95.jpg)
ほんで内容としちゃあ、第1章が「ビジネスパーソンは知っちょきたい日本酒の現状」、第2章が「日本酒の基礎知識‘本酒はどうやってできるがか」、第3章が「日本酒の基礎知識日本酒を選ぶ」、第4章が「知っちゅうと一目置かれる日本酒の歴史」、第5章が「教養人の日本酒の楽しみ方」、第6章が「できる人と思われる日本酒のマナー&ルール」、「おわりに」が「日本酒の未来」っちゅう流れながやき。
ほいたらこっから後は、ワシが線を引いたり、ページをチェックしたりしたいくつかのポイントについてを、ちくとご紹介さいていただきますぜよ。
まず第2章の「日本酒のためにつくられる『米』がある」っちゅうパートにゃあ、以下のように書かれちゅうがよ。
「(日本酒に使われる酒造好適米は)育成にこぢゃんと手間とコストがかかるうえに収穫量も限定されることから、値段も高めながやき。
最高級のお米になると、1キロあたり500円〜600円。一般的に、ごはんとして食べるお米は1キロあたり300円ばあやき、倍近い値段ながよ。
世界中、こればあ高い原料を使うて造るお酒は存在せんがやき。」
最後の一文が重要で、つまり日本酒は世界中の酒類の中で、ダントツに高い原料を使うて造られゆうお酒やっちゅうことを、皆さんにも是非知っちょいていただきたいがよ。
次に第3章の「日本酒の宝、熟成酒」っちゅうパートにゃあ、熟成古酒とレーズンらあのドライフルーツとのペアリングについて、以下のように書かれちゅうがやき。
「ほとんどの参加者は、熟成したお酒を飲むと顔をしかめ、嫌い、苦手などとおっしゃるがよ。
けんど、レーズンらあのドライフルーツを食べてから熟成酒をもういっぺん飲んでもらやあ、参加者の方々の表情がみるみる変わっていくがやき。
『おいしゅうなってびっくり』『こんな体験初めて』など大興奮(この体験からお酒と料理のペアリングにはまる人もいます)。
資格試験に臨むような人であったち、熟成酒の楽しみ方は未知のようながよ。
世界のお酒の価値をはかるファクターとしてもっとも重要ながは『熟成』やと、私は断言します。」
確かに、日本酒業界は、まだまだこの「熟成酒」の分野においちゃあ、未開拓の部分が多いき、つまりこぢゃんと開拓の余地があるっちゅうことながやき。
続いて、「おわりに」の「日本酒の未来」っちゅうパートにゃあ、未来の日本酒はどのようなもんになっちゅうかについてが語られちゅうがよ。
まず間違いのない近未来は、日本以外でもSAKEが当たり前のように造られるっちゅうことを挙げるがやき。
その上で、「さすが本家の日本酒は違う」と世界に認められるにゃあ、造り手の頑張りだけやのうて、飲み手である私たち、そして国家レベルでの日本酒一大PR大作戦が不可欠やっちゅうがよ。
またもう一つは、より自然志向になっていくことが考えられるっちゅうがやき。
さらにもう一つは、料理と日本酒のおいしい組み合わせ、いわゆる「ペアリング」は、ますます深堀されるやろうっちゅうがよ。
この3つの日本酒の未来についちゃあ、ワシも確かにそうなっていくやろうと思うちゅうき、まさに我が意を得たりやったがやき。
また、さらに巻末の付録として、「日本酒について話すとき、英語ではなんと言う?」っちゅうパートが6ページばああって、外国の方を接待したり、外国にお土産として日本酒を持って行ったり、居酒屋で隣り合うた外国の方に日本酒の説明をしたりっちゅうシーンが、これからますます増えてくるはずやき、そんなときらあにこの付録はこぢゃんと役立つはずながよ!
最後に司牡丹についてやけんど、「きもと」「山廃」のパートに「司牡丹・きもと純米かまわぬ」が、「熱めのお燗におすすめの日本酒」として「司牡丹・超辛口純米・船中八策」が、「食後におすすめのリキュール」として「司牡丹・柚子の大バカ十八年」が、それぞれ紹介されちゅうがやき。
コンサル歴30年の酒のスペシャリストである友田晶子さんの最新刊、「ビジネスエリートが知っている 教養としての日本酒」・・・海外関係の仕事を持つビジネスエリートの方々はもちろん、一般の日本酒ファンの方々や、さらにこれから日本酒について学びたいっちゅう方々にも、まさに今こそ必携の書籍ながぜよ!
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10:28
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現役外交官が指南!「できるビジネスマンは日本酒を飲む」ぜよ!
今回のお薦め書籍は、現役外交官で「国際きき酒師」の資格も取得されちゅう中條一夫さんの著書、「できるビジネスマンは日本酒を飲む 〜外国人の心をつかむ最強ツール『SAKE』活用術〜」(中條一夫著 時事通信社 1500円+税 2020年10月30日発行)をご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 できるビジネスマンは日本酒を飲む](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/8/c/8c96363d.jpg)
![2020.11.4写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/6/8/687f4318.jpg)
この書籍は、外国人の方に日本酒を説明するための基礎知識らあに加え、国際ビジネスの現場で日本酒をどう活用するかの心構えと実践ノウハウらあを、現役外交官の体験談とアイデアを交えもって、書き上げられたもんながやき。
ほんじゃき、国際ビジネスの現場で働きゆうビジネスパーソンや、海外とのやり取りが多いビジネスパーソンの方々らあや、また海外出張の機会が多い日本酒蔵元の方々らあにゃあ、こぢゃんと役立つ必携の書籍ながよ!
また、実際に読んでみりゃあ、海外らあ何ちゃあ関係ないような、これから日本酒についてちくと知りたいと思うちゅう初心者の方々の入門書としても、さらに既に日本酒ファンの方々にとっても、さらにさらに日本酒マニアの方々や、ワシらあみたいな日本酒のプロのもんにとったち、こぢゃんと役立つ書籍ながやき!
まず日本酒初心者の方々っちゅうんは、ある意味日本酒についちゃあ外国人とおんなじばあしか日本酒知識が無い方々もおられるろうき、専門用語をできるだけ使わんと解説してくれちゅう本書は、結果としてまさに初心者の入門書としてもうってつけの書籍となっちゅうがよ。
次に、日本酒ファンやマニアやプロの方々にとっちゃあ、「なるほど!この場合の説明はこういう表現をした方が、確かに伝わりやすい!」っちゅう、目からウロコの部分がテンコ盛りやき、そういう意味でこぢゃんと学びになるがやき。
海外においちゃあ、ビジネスパーソンやったらある程度ワインの知識を持っちゅうことが常識やけんど、これからの国際社会においちゃあ、日本人やったら当然ある程度日本酒の知識を持っちゅうことが常識となっていく・・・否、既に常識となりつつあるきに、ほいたらこの書籍は全ての日本人が必読の書やと言うたち、決して過言やないがぜよ!
ほいたら内容について、ユニークな表現や特筆すべき部分や、目からウロコの内容等々、いくつかをご紹介さいていただきます。
まず、発酵っちゅう言葉が英語で分からんかったち、「糖がアルコールになる」(シュガー・チェンジ・トゥー・アルコール)っちゅうて表現すりゃあ、意味は伝わるっちゅうがよ。
さらに中條さんは、日本国内やち外国人の長期滞在者や永住者が増え、特に防災分野らあで「やさしいにほんご」の必要性が指摘されよって、「外国人やから外国語で」たぁ限らん時代が来ちゅうっちゅうがやき。
もしかしたら「発酵」よりか、「とうが あるこーるに なる」の方が時代の先をいっちゅうがかもしれんっちゅうがよ!
また、「飲まん人と飲めん人にも対等に接する」「経費に対する目的意識をもつ」「加害者にも被害者にもならん」っちゅう、「日本酒の武器使用三原則」は、外交官ならではのまっことユニークな表現で、思わず膝を打ったがやき。
次に、「外国人にも分かる『サケって何?』」の部分は、確かにワシらあも海外でよう訊かれる質問やけんど、このパートは蔵元が海外出張に行く前に、必ず読んでから出発したい素晴らしい内容で、かつ初心者にもこぢゃんと分かりやすい内容となっちゅうがよ。
実はこの質問は、なかなか答えるがが難しい質問やっちゅうがやき。
難しい理由は、「正しい答えが正解たぁ限らん」「相手によって正解は異なる」「回答時間にゃあ限りがある」の三つがあるきやっちゅうがよ。
ほんじゃき中條さんは、以下の三つの対策を工夫しちゅうっちゅうがやき。
\賁舁儻譴六箸錣
⊆分の定石を決める
新聞記者が記事を書く要領で説明する
ちなみに中條さんの定石は、相手の参考情報がない場合にゃあ、「白ワインに似ちょって、日本のコメで造られちゅう」っちゅう一言で始め、相手の反応に応じていくつかの後続パターンを用意しちゅうっちゅうがよ。
また新聞記者の要領っちゅうんは、最初に結論と要点を述べた上で補足説明を加えていくっちゅう要領ながやき。
日本酒の説明でも、最初の五秒で相手が興味を示してくれたら、相手の反応をみもって、自分の得意分野の範囲内で、ちびっとずつ説明を追加していくようにしゆうっちゅうがよ。
このあたりは、日本人の初心者に対するマーケティングとしても実に利に叶うちょって、まっこと酒のプロ全員が知っちょくべき対策やといえるがやき!
続いて、「世界の酒は二つの法則と三つのオプションからできちゅう」っちゅうパートは、初心者に伝えるにゃあまっこと分かりやすい伝え方で、こりゃあプロの伝え方の世界標準になるがやないかっちゅうばあのもんながよ!
法則 崚がありゃあ酒が造れる」
法則◆崚がのうたちデンプンがありゃあ酒が造れる」
オプション 崔沙瀬スを残すか否か」
オプション◆崗留して強い酒にするか否か」
オプション「風味を加えるか否か」
世界のすべての酒は、この二つの法則と三つのオプションの組み合わせでできちゅうっちゅうがやき。
お次は、「外国人にも分かる『コメがサケになるまで』」の「日本酒造りを『起承転結』で理解する」っちゅうパートは、まっことプロからみたち「なるほど!確かに分かりやすい!」っちゅう内容で、目からウロコやったがよ。
【1】「起」〜日本酒の原料を選ぶ
/紊鯀ぶ
∧討鯀ぶ
9蹐鯀ぶ
す敲譴鯀ぶ
【2】「承」〜日本酒の原料を準備する
/紊僚猗(水質を調整する)
∧討僚猗(蒸し米をつくる)
9蹐僚猗(米麹をつくる)
す敲譴僚猗(酵母を増やす)
【3】「転」〜日本酒を造る
仝粁舛鬟織鵐に入れる(4つの原料を投入する)
▲織鵐内で発酵させる(発酵速度を調整する)
I原料をタンクに入れる(オプション)
ぅ織鵐から出す(日本酒と酒粕に分離する)
【4】「結」〜日本酒を仕上げる
×媛瓩垢(オプション)
加熱する(オプション)
2耽紊垢(オプション)
っ蔵する(オプション)
さらに、「外国人やちたった一字の漢字を覚えりゃあこだわりの日本酒が買える」っちゅう「コラム」じゃあ、「吟」っちゅう文字を覚えちょきゃあえいとか、「ペアリング」(料理と酒を一緒に味わうこと)と「マッチング」(どの料理とどの酒をペアリングするかを決めること)と「マリアージュ」(ペアリングした結果、料理も酒も美味しゅう感じること)の違いらあの紹介もあり、まっこと初心者にもプロにも役立つ内容が目白押しながやき。
「できるビジネスマンは日本酒を飲む 〜外国人の心をつかむ最強ツール『SAKE』活用術〜」・・・中條さん!日本酒業界にとって特にこれからこぢゃんと役立つ書籍を著していただき、まっことありがとうございますぜよ!
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ミステリーを読みもって日本酒が分かる!「山田錦の身代金」ぜよ!
今回は、山本モロミさんの発酵醸造ミステリー小説、「山田錦の身代金」(山本モロミ 著 幻冬舎 2020年10月1日発行 1200円+税)をご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 山田錦の身代金](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/b/2/b24fa5fb.jpg)
![2020.10.29写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/4/4/44df1c6c.jpg)
ちなみに著者の山本モロミさんは、実は日本酒と食のジャーナリストとして活躍中の山本洋子さんの旦那さんながやき。
山本洋子さんは、「週刊ダイヤモンド」に「新日本酒紀行〜地域を醸すもの〜」を連載中で、8月末に講演で高知に来られた際に、司牡丹酒造に旦那さんと一緒に取材にお越しいただいちょって、同連載に司牡丹を取り上げていただいたばっかしながよ。
そん時に旦那さんは先に東京に帰られて、その晩は洋子さんをワシが土佐の夜の町にご案内さいてもうたきに、その御礼っちゅうことやろうか、このご著書をお送りいただいたがやき。
山本モロミさん、まっことありがとうございますぜよ!
ほんで、先日の土曜に読み始めたがやけんど、面白うて目が離せんなるミステリー小説なもんやき、土日の2日間で一気に読破してしもうちょったがよ。
さて、その内容やけんど、ネタバレせん程度にちくとご紹介さいていただきますぜよ。
まず簡単にアラスジをご紹介すりゃあ、世界一の日本酒といわれる烏丸酒造の純米大吟醸酒の原料となる山田錦の田んぼ(総額3億円!)が、人質にとられるっちゅう話ながやき。
「天津風の田に毒をまいた。残りの山田錦が惜しかったら、五百万円用意しろ。」っちゅう脅迫状が烏丸酒造に届き、見りゃあ一本100万円を超える純米大吟醸酒の元となる田の一角が枯らされちょったっちゅうんが、事件の発端やったがよ。
そんな酒蔵にボッチり居合わせた、主人公である「日本酒と食のジャーナリスト」山田葉子さんを中心にした個性豊かな面々が、複雑に絡み合う事件の真相をめぐり、密室の謎やアリバイ崩しらあに挑んでいくがやき。
もちろん山田葉子さんっちゅうんは、著者の奥さんである山本洋子さんがモデルながよ。
他にも、実在の人物である「獺祭」醸造元の旭酒造の桜井会長さんが登場したり、元プロサッカー選手で日本酒プロモーターのワカタヒデヨシさんっちゅう、どっかで聞いたことがある名前の方が登場したりと、日本酒ファンの気持ちをくすぐって飽きさせんがやき。
さらに、山田葉子さんらあが日本酒の原料や造り方らあについてを、何ちゃあ知らん警察の方に分かりやすう説明したり、また実際の酒造りシーンらあも随所に登場するき、日本酒について何ちゃあ知識のない方々が読んだち面白う読めるし、読了したら知らんうちに日本酒についての知識が獲得できちゅうっちゅう、一石二鳥の前代未聞の発酵醸造ミステリー小説ながよ!
特に、日本酒1升瓶1本を造るがに、どれっぱあの酒米が必要かっちゅうんを、主人公の葉子さんが説明するあたりは、まるで本物の洋子さんの講演を聴きゆうかのように秀逸ながやき。
田んぼ1坪、つまり畳2畳から、一般的な純米酒が1升瓶1本造れるっちゅうがよ。
さらに計算してみりゃあ、20歳以上の成人が1人1日1合の純米酒を飲みゃあ、それだっけで1万ヘクタールの田んぼが必要になるっちゅうがやき。
そりゃあちょうど、減反されゆう田んぼ分ながよ。
つまり、20歳以上の日本国民が、純米酒を1日1合飲みゃあ、減反が不要になるっちゅうことながやき!
また、ストーリーの中で登場する、一子相伝の秘伝「玉麹」の技についちゃあ、まっことそんな凄い技術が実在しちょったら、どんな日本酒が生まれるがやろうかと考えただっけで、まっことワクワクしてくるっちゅうもんながよ。
もしかしたら、一般の方が普通に本書を読んだら、「玉麹」が実在しちゅう秘技やと勘違いしてしまうかもしれんばあ、まっことリアルに描かれちょって、そんなあたりもこぢゃんと面白いがやき。
さらに、物語のクライマックスで主人公の葉子さんがアツうに語る、米に関する愛情あふれる言葉は、まさに至極の名言といえるがよ!
著者の奥さんである洋子さんが、実際に講演らあでよう語られゆうその言葉は、まっこと心に響いてグッとくるし、ワシらあ日本酒蔵元はみんなあ、心に留めちょくべきもんながやき!
その名言についちゃあ、あえてここじゃあ紹介は控えさいていただきますきに、知りたい方は是非本書をご購入くださいや!
山本モロミ著「山田錦の身代金」・・・日本酒ファンやったら必携の、日本酒初心者や飲んだこともないライトユーザーやち読んだらきっと日本酒が飲みとうなる、極上の日本酒エンターテインメントぜよ!
土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、こちらをクリック!
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人気の科学講義を書籍化!「お皿の上の生物学」ぜよ!
今回のお薦め書籍は、大阪大学理学部名誉教授の小倉明彦先生(理学博士・専門は神経生物学)の著書、「お皿の上の生物学」(小倉明彦 著 角川ソフィア文庫 令和2年4月25日発行 880円+税)ながやき。
![写真1 お皿の上の生物学](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/d/b/db4995d5.jpg)
![2020.9.9写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/3/9/39fc00f1.jpg)
この書籍は、オビのキャッチコピーに、「食の文化を、科学と歴史からひも解く」「新入生の五月病を撃退した人気の科学講義が始まる」っちゅうて書いちゃあるとおり、身近な食材や料理をもとに、生物学・解剖学らあの話題から、知られざる食の文化や歴史まで解き明かしちょって、新入生の五月病を撃退したっちゅうばあ面白いっちゅう、人気の科学講義を書籍化したもんながよ。
著者は「単行本あとがき」(文庫本にも再録)にて、本書のタイトル「お皿の上の生物学」にゃあ、二つの意味がこめられちゅうっちゅうがやき。
一つは、「お皿の上の料理についての生物学」で、もう一つは、「生物学自体を料理してお皿の上に載せる」っちゅう試みやっちゅうがよ。
この意味についちゃあ、以下のとおりの説明があるがやき。
大阪大学にゃあ「基礎セミナー」っちゅう新入生向けの科目があって、そりゃあ、受験勉強の目標を達成したあと、目標を再設定できんまんまでおる(いわゆる「五月病」に感染しつつある)学生に、学びの面白さを伝え、高校生までの受動的な「被教育」から能動的な「自己教育」に転換させることを目的とした、リモチベーション(再動機づけ)のための科目やっちゅうがよ。
テーマは、各教員の専門分野でもえいし、余技でもえいし、要は内容よりか学びの愉しさを教えなさいっちゅう科目やっちゅうがやき。
その科目で著者は、2001年から2005年まで「料理生物学入門」っちゅうセミナーを開いたっちゅうがよ。
そのコンセプトが、この「お皿の上の生物学」やったっちゅうがやき。
まず第一に「お皿の上の料理について、生物学をする」・・・実験(つまり調理)をしもって、いま鍋の中、フライパンの上で起きゆう出来事を解説するっちゅうがよ。
生物学っちゅうより、雑学・エピソード・トリビアやけんど、結構好評をえたっちゅうがやき。
そりゃあ、つい先日まで、試験勉強の対象でしかなかった「科学」が、いま自分の周囲の至るところに転がっちゅうっちゅうことを、あらためて実感できたきやろうっちゅうがよ。
次に第二に、「生物学を料理する」・・・著者は正課の生物学の講義も担当しちょって、そこじゃあ純正統的に、生体分子の構造から説き起こし、それらあの相互作用・化学反応を解説し、細胞の機能から組織・器官の機能に発展さいて、個体の営みに編み上げるっちゅう体系的な議論を展開するがやけんど、どうも議論が上滑りしてしまう、学生が再び教科書の中の世界に引っ込んでしまうっちゅう歯がゆさを毎年感じよったっちゅうがやき。
そこで、そういう「学問体系」を崩してみたらどうやろか、まず自分の近傍から説き起こし、逆に分子のほうへ広げていくっちゅう、そういう実験授業的なやり方を、「生物学を料理する」っちゅうて表現しちゅうがよ。
その二つの試みは、結局成功したかどうかはわからんっちゅうて著者は書いちゅうけんど、本書を読みゃあ、そりゃあ成功しちゅうはずやと、ハッキリわかるがやき。
何でわかるかっちゅうたら、完全文系人間のワシでさえ、本書を読んでメチャクチャ面白かったし、生物学も愉しそうやと思えたきながよ。
確かに、難しい表やら図やら、数式やら分子構造やらが、結構頻繁に登場しちょって、その詳しい内容らあについちゃあチンプンカンプンなところもあるけんど、ザックリたぁ理解できたし、何より通常ワシがこの手の本を読んだときに起こる拒絶反応が起こらんかったがやき。
ほんじゃき、文系人間の方にやち、自信を持って、お薦めさいていただきますぜよ!
さて、前置きが長うなってしもうたけんど、内容についちゃあ、ワシがこぢゃんと面白いと感じた部分の一部を、以下にピックアップさいていただきましょうかのう。
まずは、「第1講 味の話」じゃあ、光にゃあ三原色があるけんど、音にゃあ何原音っちゅうんはない、ほいたら味にゃああるかっちゅうたら、あるっちゅうがよ。
かつてそりゃあ、甘い、酸っぱい、塩辛い、苦いの四原味とされちょったけんど、日本人の池田菊苗っちゅう人が五つめの「旨み」を発見・提唱したっちゅうがやき。
その歴史らあについても詳しゅう紹介されちょって、歴史好きのワシにゃあまっこと面白かったがよ。
「第2講 色の話」にゃあ、焼きそばのキャベツに紫キャベツを使うたユニークな実験が紹介されちょって、まっことマジでやってみとうなったがやき。
まず紫キャベツを刻み、フライパンに少量の水を入れてチョコッと煮りゃあ、色素が抽出されて煮汁が紫色になるっちゅうがよ。
そこに焼きそばを投入すりゃあ、あーら不思議、黄色い麺が緑色になるっちゅうがやき。
こりゃあ、中華麺にゃあ鹹水が含まれちょってアルカリ性やき、アルカリにふれたアントシアニンが紫から青に変わり、麺の黄色とあわせて緑色に見えるっちゅうがよ。
ちなみにアントシアニンたぁ糖と色素の結合物で、イチゴの赤からナスの濃紫まで色調は多様やけんど、共通の特徴として、酸性のもとでより赤うなり、アルカリ性のもとでより青うなる、つまりリトマス試験紙とおんなじやっちゅうがやき。
さらに、その緑色の焼きそばに、ウスターソースをかけて炒めたら、あーらら不思議、麺が黄色に戻るっちゅうがよ。
つまりソースは酸を含んじょって酸性やき、アントシアニンがまた赤方向に戻ったわけやっちゅうがやき。
「第3講 香りの話」にゃあ、加齢臭の話があって、これまた面白いがよ。
かつて加齢臭の本体は、2-ノネナールとされちょったらしいがやけんど、それが最近(2013年)になってマンダムから、中年男性の頭皮からはジアセチルが揮発しよって、これが中年男性特有の脂っぽい臭いの本体やっちゅう報告が出されたっちゅうがやき。
ちなみにジアセチルたぁ、日本酒の大敵である「火落ち」(乳酸菌汚染による劣化)の臭気として、昔っから知られちゅう臭いながよ。
ワシらあ日本酒業界のもんにとっちゃあ知らん人はおらん「火落ち」の臭いが、まさか加齢臭とおんなじやったたぁ、まったく知らんかったがやき!
「第4講 温度の話」じゃあ、古代エジプトでビールをどうやって冷やしよったかっちゅう話が面白かったがよ。
答えは、蒸発熱の原理を使うたっちゅうがやき。
素焼きの甕に水を入れりゃあ、水が表面ににじみ出し、そこで蒸発して、甕と甕の中の水を冷やすき、その甕の中にビールの壷を入れちょきゃあ冷えるっちゅうがよ。
うちわで扇いで甕の表面に風を送って飽和水蒸気の層を吹き飛ばしてやりゃあ、さらに効果的やっちゅうがやき。
脚注も面白うて、12世紀以前のビールは、ホップやのうてハーブやショウガでアクセントをつけよったき苦うなかった、ちなみにジンジャーエールはその後身(エールたぁビールの一種)やっちゅうがよ。
「第5講 お刺身の話」じゃあ、「刺身通のための解剖学」っちゅうんがあって、まず魚の筋肉のあり方について詳しゅう語り、魚の種類と刺身の切り方によって味わいが異なるっちゅうんを、解剖学的に解き明かしちょって、メチャクチャ面白かったがやき。
赤身の魚は、旨みが多いき、細胞を横断するように切ってそれを引き出すべきで(ただし、こう切りゃあダレやすいき供する直前に切る)、白身の魚は、持ち味の歯ざわりを活かすため、細胞を温存するようにそぎ切りにすべきや(切って少々時間が経ったちダレにくいき、フグ刺しを大皿一面に花模様に並べる手間もかけられる)っちゅうか、日本の料理人は昔っからそうしてきたっちゅうがよ。
「第6講 食器の話」じゃあ、食事の容器と食器の話題も豊富ながやけんど、カツ丼誕生の話が一番面白かったがやき。
実はカツ丼の誕生は、トンカツの誕生よりか前やったっちゅうがよ。
つまり、ポークカツレツ➡トンカツ➡カツ丼、やのうて、ポークカツレツ➡カツ丼➡トンカツであり、進化でいやあ、魚➡鯨➡陸上哺乳類やのうて、魚➡陸上哺乳類➡鯨やっちゅうことながやき。
「第7講 宴会料理の話」じゃあ、クリスマスにゃあなんでチキンかっちゅう話題から、フライドチキン解剖学にまで発展し、鳥の骨の構成はティラノザウルスとおんなじやっちゅうことから、「恐竜現存説」(現生の動物で恐竜に一番近いがはニワトリやっちゅう説)まで解説されちゅうがよ。
「第8講 季節の食品の話」じゃあ、バレンタインデーとホワイトデーの話題から広がって、イヌ・ネコらあのペットにチョコレートを与えちゃあいかんっちゅう話まで紹介されちゅうがやき。
食肉目はテオブロミン(チョコレートに含まれるアルカロイドの一種)を代謝できんきに、中毒症状を起こし、場合によっちゃあ死んでしまうき気をつけにゃあいかんっちゅうがよ。
小倉明彦先生の「お皿の上の生物学」・・・この中身の濃さで880円(+税)っちゅうがやき、超お買い得の高コスパ書籍ながぜよ!
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松嶋啓介シェフの「最強『塩なし』料理理論」ぜよ!
今回のお薦め書籍は、神宮前のフレンチの名店「KEISUKE MATSUSHIMA」のオーナーシェフである松嶋啓介さんの著書、「最強『塩なし』料理理論」(松嶋啓介 著 主婦の友社 1200円+消費税 2020年5月10日発行)をご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 最強「塩なし」料理理論](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/7/f/7f17504e.jpg)
![2020.9.3写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/2/5/25304df3.jpg)
ちなみに、神宮前の「KEISUKE MATSUSHIMA」は、ワシゃあ何度か日本酒イベントで使わいてもうたことがあり、「酒サムライ」にも叙任されちゅう松嶋シェフにゃあ、こぢゃんとお世話になっちゅうがやき。
そんな松嶋シェフの名店「KEISUKE MATSUSHIMA」が、この度のコロナ禍で閉店してしもうたっちゅうことを最近知って、まっこと残念無念やと思いよったら、ぼっちりこの書籍に出会うたがやき。
ほんで手に取ってパラパラとめくってみたら、フレンチのシェフやたぁ思えんような、調味料に頼らんっちゅう目からウロコの料理理論やったもんやき、思わず購入してしもうちょったがよ。
内容についちゃあ、まず表紙やオビやオビ裏らあに、これでもかっちゅうばあキャッチコピーが満載やき、これを読むだっけやち大体のテーマが把握できるがやき。
「食の本場、フランス・ニースでも大活躍のシェフが日本の食生活に警鐘を鳴らす!」
「体がみるみる目覚める!調味料に頼らん!素材の味と栄養を120%引き出す」
「松嶋シェフ共同開発『塩なしカレー』第1弾 ナチュラルローソンで大反響!第2弾近々予定あり!」
「塩なし料理が『世界基準』になると確信した。」(日本テレビプロデューサー 栗原甚)
「読んで腹落ち、さよなら味オンチ。」(オイシックス・ラ・大地株式会社 代表取締役社長 高島宏平)
「これは食から学ぶ人生の本質のバイブルです。」(ニューロスペース CEO 小林孝徳)
「食のルネッサンスは松嶋啓介からはじまる。」(予防医学研究者 石川善樹)
ほいたら内容やけんど、食の乱れが深刻な日本においちゃあ、大半の方々が健康を害するような食生活を送りゆう、つまり濃い味付けの塩分・糖分の多いもんばっかしを食べゆうっちゅう指摘からスタートしちゅうがよ。
けんど塩なし料理らあて美味しゅうないがやき、しょうがないやいかと思うちゅうとしたら、そりゃあ間違いやっちゅうがやき。
「塩を一切使わん。塩ゼロ。さらに言うたら砂糖もゼロ。けんど、しっかりとおいしい。」
さらに当然身体にもえいっちゅう、そんな料理があるっちゅうがよ!
そのコツは以下の3つやっちゅうがやき。
屬Δ淕」をおおいに利用する。
火を味方につけ、低温調理で素材自体の味を引き出す。
スパイス、薬味を上手にとり入れる。
ほんで事例として、まずは「ブロッコリーのゆで方」についてが記載されちゅうがよ。
まず、料理学校らあで習う基本的なやり方は、次の通りながやき。
‘蕕某紂塩ひとつまみを入れる。
∧騰したら、小房に切り分けたブロッコリーを入れて、1〜2分でザルに上げる。
色が飛ばんように氷水に落としてからすくいあげ、水けをきる。
次に、松嶋シェフがおすすめする方法は、以下の通りながよ。
‘蕕某紊醗貊錣法▲屮蹈奪灰蝓爾鮴擇衒ける際に出た皮や茎の部分を適当な大きさに切って入れ(塩は入れん!)、弱火にかける。
△湯の温度が60℃ばあになったらブロッコリーを入れる。(沸騰させん!)
弱火で20〜25分、ゆっくりゆでる。
い兇襪望紊欧襦(冷水につけん!)
この2種類のブロッコリーを食べ比べたら、圧倒的に後者が美味しいっちゅうがやき!
松嶋シェフのセミナーらあの参加者に実際に食べ比べてもろうたら、100人中ほぼ100人が、後者が美味しいっちゅうっちゅうがよ。
ただし後者は、味は断トツで軍配が上がるがやけんど、色は鮮やかやないなるき、インスタ映えはせんかもしれんっちゅうがやき。
なんで弱火でじっくりゆでた方が美味しゅうなるかっちゅうたら、以下の通りやっちゅうがよ。
まず前者やけんど、塩ひとつまみ入れる理由は、ブロッコリーに塩味をつけるためやけんど、塩ゆでした塩分を含んだブロッコリーを、塩けのない氷水に入れたら、ブロッコリーの塩分は浸透圧によって冷水に流れ出るっちゅうがやき。
また、沸騰した湯を見たら、アクが浮いちゅうけんど、その意味は、ブロッコリーの持っちゅう栄養素が溶け出してしもうちゅうっちゅうことながよ。
つまり、前者のブロッコリーは、色は鮮やかで見栄えはえいかもしれんけんど、栄養分も味も抜け出してしもうちゅうっちゅうがやき。
一方、後者のブロッコリーは、ブロッコリーの皮らあを入れたブロッコリー水でゆでちゅうし、氷水にも入れてないき、味も栄養も抜けることがないき、ブロッコリー本来の味が強う残るっちゅうがよ。
ほんじゃき、マヨネーズらあの調味料をつけいじゃち、美味しいっちゅうがやき。
単体で充分に味があるきに、マヨネーズをつけたら、too much(やりすぎ)になってしもうてくどいっちゅうがよ。
さらにそのブロッコリーをゆでたあとのブロッコリー水も、グルタミン酸がいっぱい含まれた「だし」やき、飲んでも美味しいし、味噌汁やリゾットらあにも使えるっちゅうがやき。
ブロッコリーにかぎらんと、野菜は60℃で20分、これが料理の専門学校でも教えてくれん、新常識やっちゅうがよ。
ほんで著者は、口に入れた瞬間「おいしい!」っちゅう味は、主に塩分と糖分、脂分で、口の中の味覚神経を通して脳に刺激を与え、血糖値が急激に上がり、即座に美味しいと言えるがやっちゅうて、これを「アッバー系」の味と呼びゆうっちゅうがやき。
ハンバーガーや唐揚げやピザらあに代表される、いわゆるガツンとくる、インパクトの強い味ながよ。
一方、「うま味」らあは、じわじわと優しさや落ち着きを実感するような、「ああ、おいしいなぁ・・・」っちゅうてしみじみホッとする味で、こちらは「ダウナー系」の味と呼びゆうっちゅうがやき。
お吸い物らあは口にした瞬間は、ただ熱いばあしか感じんかもしれんけんど、食道を通って胃に渡ったときに「はあ、やっぱし落ち着くにゃあ」っちゅう味わい深さを実感できるろうっちゅうがよ。
ちなみに胃の中にも、舌とおんなじ「味蕾」っちゅう味を感じるレセプターが存在しちゅうことが分かっちゅうらしいがやき。
「うま味」のほかに、「苦味」や「酸味」もダウナー系の仲間やっちゅうがよ。
つまり、塩味、甘味は「アッバー系」、苦味、酸味、うま味は「ダウナー系」やっちゅうがやき。
アッバー系の食事にゃあ、人を興奮さいて、攻撃的になるような作用があり、ダウナー系は心おだやかに、落ち着く作用があるっちゅうことから、著者はアッバー系は「快楽」、ダウナー系は「悦楽」やと思うちゅうっちゅうがよ。
外食は総じてアッバー系で、インパクトがあり中毒性のある味つけやけんど、たまにゃあえいけんど、アッバー系のもんばっかしを食べよったら、常にエネルギーが高まり興奮状態となり、それが行きすぎりゃあイライラが募ったり、キレやすうなったりするっちゅうがやき。
日本酒業界は、いろんなコンテストらあで入賞しやすいっちゅうことで、グルコース濃度の高い甘い酒が最近の流行りやけんど、ワシゃあ辛口好きやきっちゅうこと以外に、この甘い酒にゃあちくと違和感を感じちょったがよ。
そりゃあつまり、「一口飲んで『うまいっ!』っちゅう日本酒」、グルコース濃度の高い甘い酒は、松嶋シェフ流に言やあ、「アッバー系」やっちゅうことながやき。
一方、「一口飲んだばあやと物足りんけんど、食事と合わせていただきゃあ、ついつい杯が進む」っちゅう辛口の酒は、ダウナー系やっちゅうことながよ。
辛口の酒は、糖分が少ないきに、日本酒本来の味である「うま味」が引き立ち、酸味や苦味らあもほのかに感じられる、心落ち着く味わいやっちゅうことながやき!
また、ケーキらあの甘いもん全般は、食べた瞬間に一気にテンションMAXになるき「ライク型」、やめられん止まらんっちゅうポテトチップスやマヨネーズらあの脂の味は「ウォント型」、野菜だしやスープらあの「うま味」の味は、余韻をじっくり楽しめ、美味しさがいつまでも持続するき「ラーン型」と呼ぶっちゅうがよ。
さらに、「塩は調味料やのうて『時短』ツール」やとか、人が生まれて最初に知る母乳の味は「うま味」やとか、郷土食にゃあ「うま味」たっぷりやとか、「うま味」にゃあトマトや昆布らあの「グルタミン酸」、マグロやイワシや鰹節やアンチョビらあの「イノシン酸」、干しシイタケや乾燥ボルチーニらあの「グアニル酸」、アサリやシジミやカキらあ貝類の「コハク酸」の4種類があり、それらあの「うま味」の組み合わせの相乗効果で味は9割決まるとか・・・こぢゃんと学びになる内容がテンコ盛りながやき。
ほんで巻末にゃあ、「いますぐ食べたい!おいしい塩なし絶品レシピ」っちゅうて、「特製Kチャップ」「松嶋啓介『本当のラタトゥイユ』」「ドライトマトのパスタ ポルトフィーノ風」「ニース風サラダ」「カレー3種」(ダールカレー、ほうれんそうカレー、ココナッツカレー)らあの料理レシピが、カラー写真で詳しゅう掲載されちゅうがよ。
松嶋啓介シェフの「最強『塩なし』料理理論」・・・ローソンらあのコンビニでも販売されゆう、まっこと超オススメの書籍ながぜよ!
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お薦め書籍「dancyu“食いしん坊”編集長の極上ひとりメシ」ぜよ!
今回は、食いしん坊雑誌「dancyu」(http://dancyu.jp )の植野広生編集長さんの著書、「dancyu“食いしん坊”編集長の極上ひとりメシ」(植野広生 著 ポプラ新書 860円+税 2020年7月6日発行)を、お薦め書籍としてご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 極上1人飯 表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/1/6/16033b2b.jpg)
![写真2 極上ひとりメシ 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/d/5/d5aa4fa8.jpg)
ワシも、三度のメシより好きなもんは四度のメシやっちゅうばあ、美味しいもんが大好きな食いしん坊やと自負しちゅうき、植野編集長さんの食に関するお話にゃあ、いっつもこぢゃんと共感さいていただきゆうがやき。
ちなみに植野編集長さんは、「プロフェッショナル〜仕事の流儀〜」「情熱大陸」「アナザースカイ」「世界一受けたい授業」等々、数多くのメディアにも登場され、BS日テレの「和牛の町×ごはん」にもレギュラー出演されゆうき、ご存じの方も少のうないはずながよ。
また、ワシが理事長を務めさいてもらいゆう「土佐学協会」の昨年6月の「第13回・土佐学大会」にて、過去最高の130名超えの聴講者を集めて、講演(「2019年6月17日」のブログ参照)もしていただいちゅうし、加えて「土佐のおきゃく大使」にも就任されちゅうき、もはや高知じゃあ有名人となっちゅうがやき。
ほんじゃきこちらの書籍も、「金高堂本店」さんにゃあコーナーまでできちゅうき、高知市内やち入手しやすいはずながよ。
さて、本書の表紙にゃあ、「300円の立ち食い蕎麦も、3万円のフレンチも。」っちゅうキャッチコピーが書かれちゅうとおり、植野編集長さんはご自身を「グルメ」やのうて「食いしん坊」やと表現され、そりゃあ「300円の立ち食い蕎麦も、3万円のフレンチも、おんなじように楽しめる人」やっちゅうて答えるっちゅうがやき。
そんな植野編集長さんが、「ひとりメシ」の醍醐味を中心に、驚きの食べ方やお店との付き合い方らあを惜しみのう伝授してくれちょって、とにかく外食や家メシがまっと旨うなるヒントが満載の書籍ながよ。
たとえば、ナポリタンの食べ方についちゃあ、まずはそのままの「ストレート」で食べて、次にゃあフォークに粉チーズを振ってスパゲッティを巻いて食べる「インサイド」や、タバスコと粉チーズの両方をフォークに振る「ダブルインサイド」らあでいただくっちゅうがやき。
さらに、スパゲッティをフォークで巻いてから、粉チーズやタバスコを振って食べる「アウトサイド」や、「ダブルアウトサイド」らあでいただくっちゅうがよ。
さらにさらに、「アウトサイド」にゃあ、粉チーズらあを上から振る「アップ」と、皿に粉チーズらあを振っちょいてフォークで巻いたスパゲッティの下面につける「ダウン」っちゅうバリエーションもあるっちゅうがやき。
何か、文章にするとややこしそうなけんど、実際にやってみりゃあ簡単なことやし、確かにそれぞれの食べ方で味わいが変わるき、まっこと楽しいがよ。
ほんで、こりゃあ植野編集長さんの、おんなじ料理を食べたち「隣の人より美味しゅう食べたい!」っちゅうポリシーから来たもんながやき。
たとえば、ナポリタンを注文した隣の人が、いきなり粉チーズとタバスコを振りかけて食べよったとしたら、1種類の美味しさしか味わえんけんど、植野編集長さんのやり方やったら、ナポリタン1アイテムで何種類もの美味しさが堪能できるっちゅうことになるき、そりゃあ確かに隣の人よりか美味しゅう食べることになるがよ。
さらに、隣の人よりか美味しい思いをするための「5大ルール」(\紊魄媼韻垢覘犬歯を喜ばせる4崟槁味づけげ硬拑垢鬚弔るゥ侫ニッシュを決めちょく)や、「店に好かれる客になるにゃあ?」とか、まっことナルホドっちゅうて膝を打つ内容がテンコ盛りながよ。
さらに「自分にとってのえい店」や、「一生通いたい店、成長を見守りたい店」らあについてが書かれちょって、第3章「食べたいもんを食べたいだけ」の「SNSよりおんちゃんのもてなし」のパートにゃあ、「土佐学大会」で講演していただいたときのお話が掲載されちゅうがやき。
県外客が「ひろめ市場」に行きゃあ、地元のおんちゃんに「おまん、どっから来たぜよ?」っちゅうて話しかけられ、県外から来たっちゅうたら、コレ食え、アレ飲めっちゅうて勧められて、一緒に「おきゃく」(宴会)になるっちゅうんが、SNSらあで情報発信よりかズッとえいっちゅう内容ながよ。
また、第4章は、「店に行ったら、ここを見ゆう」っちゅう内容で、居酒屋メニューの黄金比は5:4:1やっちゅうんは、まっことナルホドやったがやき。
こりゃあ、「食べたい」「そういやあ食べたかった」「なんやろう食べてみろうか」の割合が、居酒屋やったら5:4:1が理想やっちゅうことながよ。
さらに、料理ジャンルごとに、「これを食べりゃあその店のレベルがわかる」っちゅうメニューが紹介されちょって、まっことこぢゃんと役に立つがやき。
また、美味しい料理っちゅうんは、ただ美味しいだけやのうて、「普遍的な美味しさがある料理」、つまり今日美味しゅうて、明日も食べとうなって、10年後も食べとうなるやろうっちゅう料理やっちゅうんは、まっことこぢゃんと大賛成やったがよ。
さらに第5章の「『旨い』は皿の外にある」っちゅう章じゃあ、「食は進化しゆうけんど、食文化は後退しゆう?」っちゅう内容が掲載されちょって、ここはまっことこぢゃんと学びになったがやき。
日本は世界に誇る美食の国で、素晴らしい食材や料理があり、食の技術も目覚ましいばあ進化しゆうがよ。
けんどその反面、マニアックな人らあが極端な食の先端を走り、一般の人が情報に流されるっちゅう二極化が、食文化を後退させるがやないかっちゅうて危惧しちゅうっちゅうがやき。
純粋に自分の基準で食を楽しむ人がおるきに、店もそれに応えろうとするがよ。
えいもんはえい、悪いもんは悪いっちゅう客がおるきに、店が進化するし、伝統も進化しもって継承されるがやき。
それがなけりゃあ食の進化に食文化が追い付かんなるがやないかっちゅうがよ。
まっこと、おっしゃるとおり!ちなみにワシらあ土佐学協会は、その食文化の部分をこぢゃんと大切にしたいと思いもって、活動しゆうがやき!
さらにこの章じゃあ、「高知の『おきゃく』はもてなしの原点」っちゅうパートがあって、土佐の「おきゃく」の基本「献杯」「返杯」や、「皿鉢料理」は酒を飲まん人や子供やち楽しめる盛り合わせになっちゅうことや、土佐の「お座敷遊び」についてや、「葉牡丹」や毎年3月に開催されゆう「土佐のおきゃく」イベントについてまで、紹介してくださっちゅうがよ。
さらに、「高知から東京に戻りゃあ、ちくと寂しゅうなることがあるがよ。そりゃあ東京じゃあ食の進化と食文化が乖離しつつあることによって、本来の楽しさが減っちゅう気がするきながやき。」っちゅうことまで、書いてくださっちゅうがやき。
ちなみに、この後にゃあ、「点数とか星とか予約が取れんとか、正直、ちくと面倒臭うなってきちゅうがよ。食いしん坊としちゃあ、まっとシンプルに食を楽しみたいと思うがやき。そう思う人はワシだけやないはずやし、そういう人らあがまっと食いしん坊パワーを発揮すりゃあ、日本の食文化がまっと豊かになると考えちゅうがよ。」と続いちょって、そんな食いしん坊らあの集まりをつくるため、2019年4月に「dancyu食いしん坊倶楽部」を立ち上げたっちゅうがやき。
dancyuWEBから登録すりゃあ誰やち無料で入部できるらしいけんど、以下の5ヶ条を守れることが入部の条件やっちゅうがよ。
“「知る」はおいしい。”の精神を常に抱くこと。
流行に惑わされることのう、普遍的な味を追い求めること。
A級もB級も関係のう、楽しゅう食事ができること。
食材の旬を感じ、産地に思いを馳せること。
おいしい食を提供してくれる人を応援すること。
まっことこの5ヶ条は、新型コロナウイルスの影響で飲食業界が大変な状況になっちゅう今やからこそ、ますます重要性が増しちゅう内容ながやないろうか、のう!
植野編集長さん、これからも土佐の高知を、そして日本の食文化と食いしん坊の楽しみを、何とぞ宜しゅうお願い申し上げます!
「dancyu食いしん坊編集長の極上ひとりメシ」・・・土佐人は全員、そして日本全国の食いしん坊も全員、必携の書籍ながぜよ!
土佐の高知の日本酒蔵元「司牡丹」の公式ホームページは、こちらをクリック!
司牡丹酒造株式会社
Posted by tsukasabotan at
08:52
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世界を救う「U理論」!名著「出現する未来から導く」ぜよ!
今回のお薦め書籍は、「出現する未来から導く〜U理論で自己と組織、社会のシステムを変革する〜」(C・オットー・シャーマー カトリン・カウファー 著 由佐美加子 中土井僚 訳 英治出版株式会社 2015年7月25日発行 2400円+税)っちゅう名著をご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 出現する未来から導く](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/c/0/c0a52206.jpg)
![2020.6.30写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/1/c/1cf7b038.jpg)
実は、この書籍のテーマとなっちゅう「U理論」についちゃあ、結構以前から話題になっちょったき、ワシゃあいつか絶対読みたいと意識はしちょったがやけんど、書籍が分厚うて難しそうで、これまではちくと躊躇しちょったがよ。
それが、不幸中の幸い(?)っちゅうか、コロナ禍で読書時間がたっぷり取れるようになったもんやき、この「U理論」にも挑戦してみる気になったっちゅうわけながやき。
ほんで、「U理論」と言やあ、まずは2010年に出版された「U理論〜過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術〜」(C・オットー・シャーマー 著 中土井僚 由佐美加子 訳 英治出版株式会社 2010年11月16日発行 3500円+税)が最初ながよ。
ほんじゃき、この書籍から読むべきかと思いよったがやけんど、こちらは概念的な議論が多いようやって、一方続編とも言える本書「出現する未来から導く」は、世界中の実存する様々なシステムや事例を通して、U理論がどのように実践されゆうか、より現実的に理解することができる内容になっちゅうっちゅうことで、こちらを選ばいてもうたがやき。
ほいたらまず、「U理論」たぁ何かっちゅうたら、だいたい以下の通りながよ。
![写真3 U理論の図](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/f/a/faaa22af.jpg)
財政、食糧、燃料、水不足、枯渇する資源、気候変動、膨大な規模の貧困、大量の人口移動、原理主義、テロリズム、富の寡占・・・あまりに多くの問題や課題だらけのこの世界的危機に対してワシらあは、解決する方法をどればあ考えて実行したち、適切な道筋を見出だせんまんま、誰っちゃあ望まん結果を集合的に作り出し続けゆうがやき。
こりゃあ何でかっちゅうたら、過去に成功したやり方を、もっと早う、もっと多う遂行すりゃあ何とかなるはずや、専門家とその専門知識がありゃあ打ち手が見つかるはずやっちゅう、幻想があるきながよ。
けんど、このような従来の問題に対する思考や解決法は、今日ワシらあが直面しちゅう、経験したことがのうて、複雑で、正解のない問題にゃあ、まったく通用せんなってしもうちゅうがよ。
現在の世界的な新型コロナウイルス蔓延の問題らあも、まさにそういうことながやき。
多くの課題や問題に満ちた今日の現実に対して、解決する方法(HOW)をどればあ考えて実行したち、適切な道筋は見出だせんっちゅうことながよ。
なんでか言うたら、その現実はワシらあ全員の「意識」が行動を通して創り出しちゅうもんやき、その「意識」に働きかけん限り、ホンマの解決にゃあ至らんっちゅうことながやき。
これが「U理論」の核であり、内面の「意識」に焦点を当てたことが、従来の様々な経営理論・変革理論に対して、「U理論」がとりわけ画期的やったポイントながよ。
「U理論」は、ワシらあの意識が過去のパターンにとらわれちゅうきに、誰もホンマは望んじゃあせん現実を、ワシらあ自らが創り出しちゅうっちゅうことを、教えてくれるがやき。
ほいたら、望む現実を創り出すための意識は、どのように醸成されるがか?
そのためにゃあ、自己や自分の組織、自分の属するコミュニティだけの利益と部分最適を求める「自我(エゴ)」を越えて、システム内のすべての生命の充足を目的とした「全体性」(エコ)から「自分は何者ながか」を問い直すこと、ほんで真の自己や社会のあるべき姿を深いレベルまで掘り下げることが必要やっちゅうがよ。
このプロセスで起こる「意識の変化」によって、ワシらあの「内面の場の転換」がもたらされ、その「源(ソース)につながった」内面の場から、未来の可能性が立ち現れてくるっちゅうがやき。
それに対する意識から起こす行動こそが、ワシらあの新しい現実を創り出すっちゅうがよ。
本書のタイトルになっちゅう「出現する未来から導く」たぁ、このように自らの内側を変えることから出発し、あるべき未来に導かれるようにして現実を変容させていくプロセスを意味するっちゅうがやき。
ほんで著者は、このプロセスをワシらあは集合的に実践することができるっちゅうて、断言するがよ。
過去のパターンにとらわれることで誰っちゃあ望まん現実を創り出してしまうがたぁ対照的に、真に望む変化を生み出すことができるっちゅうがやき。
この枠組みを説明する図の形から、これを「U理論」と呼ぶっちゅうがよ。
その全体的な流れは、以下の通りながやき。
屮瀬Ε鵐蹇璽妊ング」(過去のパターン)
◆嵎殞韻垢襦廖ΑΑΑ嵜靴靴ぬ椶粘僂襦(過去の思考パターンを保留し、開かれた思考でひたすら観察する)
「視座を転換する」・・・「場から感じ取る」(開かれた心で共感する)
ぁ崋衒す」(過去の物語を手放し、開かれた意志で)
ァ屮廛譽璽鵐轡鵐亜廖ΑΑΑ峺擦砲弔覆る」(ワシたぁ何者か?ワシの成すこたぁ何か?)
Α峽泙入れる」(新しい物語を開かれた意志で迎え入れる)
А峩餮讐宗廖ΑΑΑ峽訃讐宗(ビジョンと意図)
─崋詑硫宗廖ΑΑΑ屮廛蹈肇織ぅ團鵐亜(頭と心と手をつなげることによって具現化)
「実践」(全体から行動することを通して)
ちなみに、「U」の底となるイ痢屮廛譽璽鵐轡鵐亜廚燭 ◆presence(プレゼンス)」(今この瞬間の在り方)と「sensing(センシング)」(未来の可能性を感じ取る)を組み合わせた造語やっちゅうがよ。
自分の最高の未来の可能性を感じ取り、具現化すること・・・出現したがりゆうものの存在から行動することやっちゅうがやき。
また、このUをたどる旅の「プレゼンシング」の最も深い点に、関門が現れるっちゅうがよ。
この部分を著者は、「針の穴をくぐり抜ける」っちゅうて表現するがやき。
「針の穴をくぐり抜ける」にゃあ、いったん死んでもういっぺん生まれるような感じがするっちゅうがよ。
このあたりで、ワシゃあ気づいたがやき。
「U理論」で言いゆうこたぁ、ちくと前にご紹介さいてもうた書籍、「神話の力」(「6月9日」のブログ)とまさにおんなじことであり、さらに「運気を磨く」(「4月14日」のブログ)とも、おんなじことを言いゆうっちゅうことながよ。
さらにさらに言わいてもらやあ、禅の世界で語られる「十牛図」とも、まさに瓜二つながやき。
このコロナ禍で、ワシが読んできた書籍は、まさにここに至るためのもんやったがかっちゅう、セレンディピティ(幸運な偶然を手に入れる力)やったっちゅうことながよ!
ああ・・・書きたいことがあり過ぎて、まとまらん!
ほいたら以下にゃあ、この350ページばあある書籍からワシが「これや!」っちゅうて線を引きまくり、グルグル丸を書きまくった部分から、ほんの一部を抜粋さいていただきますぜよ!
●現代の盲点は、主流の経済思想を、まるで自然の法則であるかのように鵜呑みにしちゅうことながやき。けんど現実にゃあ、いわゆる経済法則はどれも、最も重要な変数、すなわちそのシステムの参加者の意識の質を変えろうとすりゃあ、たちまち溶解しはじめ、別のものに形を変えるがよ。ほいたら、これらあの参加者たぁ誰ながか。企業、政府、市民社会のリーダーや変革者はもとより、消費者、投資家、さまざまなコミュニティも含まれるがやき。おまさんもその一人ながぜよ。➡すべての問題に自分も関係しちゅう!
●「三つの敵を変容させる」:Uの旅をする人が少ないがはなんでか。この深い知のプロセスに気づいちゅう人は多いに、より大きなシステムの中じゃあめったにこれが起こらんがはなんでか。そりゃあ、この旅に出ろうと決意すりゃあ、たちまち三つの大きな敵に出会うきながよ。評価・判断の声(開かれた思考を塞ごうとする)、諦め・皮肉の声(開かれた心を閉ざそうとする)、恐れの声(開かれた意志を閉ざそうとする)ぜよ。
●「つねに『ひびが入り始めたところに注意を向ける』ことから始める」:最初に未来に出会うがはどこやろう。「手で探せ。考えるな。感じるんだ」。ロバート・レッドフォード監督の映画「バガー・ヴァンスの伝説」で、バガー・ヴァンスがゴルファー、ジュナに授けた本質的な教えながやき。未来は最初に我々の感覚に、手を通して現れるがよ。抽象的な分析に現れるのがやない。「ひびが入り始めたところに注意を向ける」たぁ、過去が終わり、未来が始まろうとしゆうことを感じ取ることができる隙間や課題、混乱に注意を向けることながやき。➡未来は最初にワシらあの手を通して現れる!
●「八つの構造的断絶」<➀環境的断絶(無限の成長と有限の資源の乖離)➁所得と富の断絶(持てる者と持たざる者、富と基本的ニーズの乖離)➂金融の断絶(金融経済と実体経済の乖離)➃技術の断絶(技術的解決策と社会のニーズの乖離)ゥ蝓璽澄璽轡奪廚涼農筺文鼎ぅ蝓璽澄璽轡奪廚離帖璽襪反靴靴げ歛蠅緑離)消費主義の断絶(GDPと幸福の乖離)統治の断絶(部分と全体の乖離)┰衢権の断絶(現在の所有形態と最善の社会的用途の乖離)>のすべてがそれ自体、全体的な一つのシステムやっちゅう見方を、本書じゃあ紹介するがよ。一つのシステムと捉えりゃあ何が見えてくるがか。ワシらあ自身や。問題はワシらあながぜよ。➡断絶のすべてがワシらあ自身の問題!
●社会の進化が起きるがは、プッシュとプルの力が出会い、方向が揃うたときながやき。つまり、外部の課題が無視できんばあ大きゅうなり、人間の内面で覚醒する意識と意志との共鳴が起きたときながよ。これらあ二つの力がぴたりと合うたときにゃあ、必ず山が動くがぜよ。➡必ず「山」が動くとき!
●集合的に聞くことを身につけるにゃあ、システムのリーダーとユーザーが組織の境界を越えて共に聴いて、見て、共に現状を理解することを促す共感知のメカニズムが必要ながやき。共感知を行う一つの方法は、共に学びまたは感じ取る旅に出ることながよ。集合的感知のもう一つのアプローチは、大きなエコ・システム(「広範囲の事業体」)の利害関係者の代表グループを招いて、共有と対話の集合的プロセスに参加してもらうことながやき。➡日本名門酒会やったら、業界で唯一、これができるはずや!
●リーダーシップの真髄はプレゼンシング:リーダーシップの真髄は、出現しようとしゆう未来の領域とつながり、そこに足を踏み入れ、そこから行動することながよ。ほいたら、どうやってそれをするがか?どこに指針を求めるがか?スティーブ・ジョブズの言葉にもある通り、素晴らしい仕事をする唯一の方法は、自分がすることを愛し、自分が愛することをすることながやき。ほかにも数え切れんばあの起業家や革新者が、それぞれの人生でこの深遠な真実を証明しちゅうがよ。けんど、集合的なシステムの次元で同じ深い源から行動することを可能にする組織のインフラを作り出すにゃあどうすりゃあえいがか。「愛することをし、しゆうことを愛する」っちゅう内面の原則は、世界に深う入り込む、特に世界の周縁部深うに入り込むっちゅう外面の原則で補完する必要があるっちゅうこと!アラン・ウェバーの言うように、「常に宇宙と対話しながら」行うがやき。「宇宙はホンマはこぢゃんと頼りになるところながよ。つまりどんな反応が返ってきたち、そりゃあなんとかして自分を助けてくれようとしゆうと信じて、見よったらえいがやき。」「自分のアイデアについてオープンでありゃあ、宇宙が助けてくれるがよ。アイデアをよりえいもんにする方法を、宇宙は提案したがっちゅうがぜよ。」今日必要ながは、この深遠な起業の核心的プロセスを集合的起業家精神の次元にまで押し上げて、同じことがシステム全体またはエコ・システムの規模で起こるようにすることながやき。➡宇宙は、日本酒に対して何を提案したがっちゅうがか?
●経済の進化・・・「0.0」:共同(前近代的意識)→「1.0」:国家中心(伝統的意識)→「2.0」:自由市場(エゴ中心的意識)→「3.0」:社会的市場(利害関係者中心的意識)→「4.0」:共創的(エコ中心的意識)。各地に出現しちゅう「4.0」の消費者運動。農産物の直売市場、スローフードや地元産の有機食品、地域支援型農業(CSA)、有機栽培繊維の衣類、エコツーリズム、都市農業、カーシェアリング、無公害車、再生可能エネルギー・・・。消費者が自分らあの意識をエゴ・システム(自分自身の幸福)からエコ・システム(すべての人の幸福)へと広げはじめたっちゅうこと。個人消費者が、自分らあの購入決定が数千マイルも離れちゅうかもしれん生産者のコミュニティに与える影響を意識しちゅうがよ。「4.0」の消費者は、単に不買運動をするがやのうて、より包括的、持続可能、透明、協働的な経済プロセスを支援し、共創造するために、十分な情報に基づいて意図的な選択をしゆうがやき。➡中間業者の存在価値が問われゆう!
●「4.0」の共有を基礎とする新しい種類の所有は、古いビジネスの方法を破壊する力を秘めちゅうがよ。マーク・レヴァインは語るがやき。「所有に対する共有(シェアリング)は、8トラックに対するiPod、炭鉱に対するソーラーパネルみたいなもんじゃ。共有はクリーンで、爽やかで、スマートで、ポストモダンながよ。所有は退屈で、利己的、小心で、遅れちゅうがやき。」レイチェル・ボッツマンは語るがよ。「ワシゃあモノはいらん。欲しいもんはモノが満たすニーズや経験ながやき!こういう考えが、使用が所有を打ち負かす大きな変化を後押ししゆうがよ。いずれ革命と呼ばれるようになるがやき。社会が大きな課題に直面して、一人ひとりがモノを手に入れて使うことから、共同財の再発見へと向かうとてつもない転換を起こそうとしゆうがよ。」そのとてつもない転換の初期段階の例。カーシェアリング・サービスの「ジップカー」、オンラインDVDレンタルおよび定額制動画配信サービスの「ネットフリックス」、車の合い乗りを目的とするMITのソーシャルネットワーク「ジムライド」、パーティで洋服を交換するドイツの「パワーショッピング・パーティー」、ダイムラーのカーシェアリング会社「カー・トゥー・ゴー」、コミュニティが運営に当たる都市農業「ランドシェア・プロジェクト」、カーペットの所有権を持ったまま顧客に月極め料金で使用してもらうサービスを始めたアトランタに本拠を置く「インターフェース社」・・・「買う」から「利用する」へ移行する消費者はますます増えゆうがやき。ボッツマンはこの現象を「コラボレーティブ(協働的)消費」と呼ぶがよ。➡日本酒のコラボレーティブな消費とは?
●「産業化時代は、人類が自らを破壊してしまうような重大な環境問題を引き起こそうとしゆうがでしょうか。ワシらあはこれらの問題を理解し、産業化社会の仕組みを変える方法を見つけにゃあならんがでしょうか。」っちゅう質問に対し、中国人の禅僧ナン・ファイジン師いわく、「世界が取り組まにゃあならん問題はただ一つながやき。そりゃあ精神(マインド)と物質を再統合することながよ。」・・・もし表面に現れたすべての症状が、今のところワシらあが「源」と呼びゆう深いレベルとの分断の結果やとすりゃあ・・・。➡日本酒業界で「精神と物質の再統合」させるには?
●ナン師のインタビュー。「20世紀にゃあ社会と生命を統合する柱となる文化思想が欠けちゅう。世界は技術とお金に駆られた物質主義にますます深うはまり込もうとしゆう。」「必ずこの方向、精神性の方向に進むやろう。けんどこの道は、過去の東洋の道でも西洋の道でもない、新しい精神性の道になるがやき。自然科学と哲学を組み合わせたようなもんになるがよ。」「この新しい精神性は人間性のより深い次元と深う結びついたもんになるがやき。」「いっつも同じ問いに立ち返るがよ。人生の目的たぁ何か。人生の価値たぁ何か。ワシらあはなんで存在するがか。」➡日本酒にも「社会と生命を統合する柱となる文化思想」が欠けちゅうがやないか?
●過去数十年間に起きた興味深い展開の一つは、個人と組織機構の力のバランスが少しずつ個人の方に移ってきたことながやき。起業家のニック・ハナウアーはこう述べちゅうがよ。ワシが好きな言葉の一つに、文化人類学者のマーガレット・ミードが言うた次のような言葉があるがやき。「強いコミットメントのある小さな市民グループが世界を変えることができるっちゅうことを決して疑うちゃあならん。実際、世界を変えてきたがはそれだけながぜよ」。まったくその通りやと思うがよ。五人もおりゃあほとんどどんなことやちできるがやき。一人だけじゃあ難しい。けんど、その一人にほかの四人か五人が加わりゃあ、力が生まれるがよ。内在的なもの、手の届きそうなところにあるほとんど何でも実現する力が、不意に生まれるがやき。起業家精神はこれに尽きると思うがよ。説得力のあるビジョンと力を生み出すことながぜよ。➡五人で業界も、世界も変えられる!
●今、一つに集束しょうとしゆう三つの流れ、またはムーブメントがあるがやき。➀ガンディーやマーティン・ルーサー・キングの流れを汲むグローバルな市民社会。➁クルト・レヴィン、エドガー・シャインに代表される行動科学。➂チン老師やフランシスコ・ヴァレラとの会話で示されたように、あらゆる伝統的な知恵の真髄に内在するマインドフルネスと意識。ほいたら、ワシらあはどうすりゃあこの機会をうまいことつかむことができるがか。どうすりゃあ、求められゆうレベルで、今日の課題に応えることができるがか。答えは、この三つの流れを結集させることによって、ながよ。ほんでその流れを、ビジネス、政府、教育のあらゆる主要な組織機構の変容と転換に活かすことによって、ながやき。それが今、始まろうとしゆうがぜよ。➡日本酒業界に何が始まろうとしゆうがか?
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09:35
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「スター・ウォーズ」ほかヒーロー物語の元型!世界的名著「神話の力」ぜよ!
今回のお薦め書籍は、「スター・ウォーズ」ほか、あらゆるヒーロー物語の元型と言われる「神話」の世界についてを語り尽くしたっちゅう世界的名著、「神話の力」(ジョーゼフ・キャンベル&ビル・モイヤーズ 著 飛田茂雄 訳 早川書房・ハヤカワ・ノンフィクション文庫 2010年6月25日発行 1000円+税)をご紹介さいていただきますぜよ。![写真1 神話の力](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/6/e/6e43bfd0.jpg)
![2020.6.9写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/1/0/10525a9d.jpg)
まずこの書籍は、神話学の巨匠として世界中に多大な影響を与えたジョーゼフ・キャンベルさんが、亡くなった翌年の1988年に米国にて放送が始まった、敏腕ジャーナリストのビル・モイヤーズさんとの対談番組を書籍化したもんで、巨匠キャンベルさんの遺作となった世界的名著ながやき。
テレビ放送は、キャンベルさんの神話的・宗教的・心理学的な考えを聴衆に広く伝え、何百万人もの心をつかんだと言われ、まさに「神話」となっちゅうがよ。
テレビ放送終了後にゃあ多数の視聴者から熱望されて書籍化され、ベストセラーになり、日本じゃあ1992年に早川書房より単行本として刊行され、2010年に文庫化されたっちゅう流れながやき。
実は、ワシゃあこの書籍はかなり以前から知っちょって、いつか絶対読みたい本として意識はしちょったがやけんど、なんせ500ページ近い分厚さの大著なもんやき、これまでは躊躇しちょったがよ。
それが、不幸中の幸い(?)っちゅうか、コロナ禍で読書時間がたっぷり取れるようになったもんやき、この大著に挑戦してみる気になったっちゅうわけながやき。
さて、この書籍を手にして初めて知ったがやけんど、元となったテレビ番組の対談が成された場所は、「スター・ウォーズ」で有名なジョージ・ルーカスの「スカイウォーカー・ランチ」(ルーカスフィルム本社がある広大な場所)と、ニューヨークのアメリカ自然史博物館やっちゅうがよ。
何で「スカイウォーカー・ランチ」かっちゅうたら、ジョージ・ルーカスさんはキャンベルさんの研究成果にヒントを得て「スター・ウォーズ」シリーズを製作したきながやき!
ほんで実は、ルーカスさんに限ったことやのうて、ジャンルを問わんとあらゆるヒット作(映画やろうが小説やろうが)のストーリーにゃあ、共感を呼ぶ共通のプロットが存在しちゅうがよ。
それがキャンベルさんの語る「神話学」の中にあり、ハリウッドのヒットメーカーや映画の脚本らあを手がけゆう人は、必ず彼の著作を読んじゅうとも言われゆうがやき。
実は神話は、人類共通、普遍的な物語の集大成やきながよ。
神話学たぁ、人類の進化と共に、何千年も前から人々に語り継がれてきた物語の共通点らあを分析し研究する学問で、日本、インド、ギリシャ・ローマ、中南米、東南アジア、アメリカ等々、世界中の神話や伝承が対象になるがやき。
ほんで、不思議なもんで、住む土地や文化、文明は異なっちょったち、神話として語り継がれゆうストーリーにゃあ、驚くばあ共通点が多いがよ。
つまりこのプロットは、人類普遍、生まれた国も人種も関係のう、人類が共通に持っちゅうイメージながやき。
ちなみに、典型的な英雄物語としちゃあ、以下のようなパターンながよ。
古今の英雄神話において、(1)主人公は別の非日常世界への旅に出て、(2)イニシエーションを経て、(3)元の世界に帰還する、ちゅう共通の構造を持っちゅうっちゅうがやき。
その、もうちくと詳しい構成は、「Calling」(天命)、「Commitment」(旅の始まり)、「Threshold」(境界線)、「Guardians」(メンター)、「Demon」(悪魔)、「Transformation」(変容)、「Complete the task」(課題完了)、「Return home」(故郷へ帰る)、ちゅうパターンやっちゅうがよ。
もうちくと分かりやすう映画的に言うたら、敵に宝物を奪われてしもうた普通の人である主人公が、それを取り戻すために天命にいざなわれるように冒険の旅に出て、ある境界線を超えたあたりでメンターと出会うて修業して成長し、けんど悪魔のような最強の敵と出会うて、ピンチピンチピンチの連続で、ついに想像をはるかに超えるような最大の危機に直面し、もうイカンと思うた瞬間に主人公が普通の人からヒーローに変容して、遂に最強の敵を倒し(課題完了)、宝物を取り戻して故郷へ帰るっちゅう、そんなストーリーながやき。
たいていのヒット映画らあは、だいたいこんなパターンのストーリーやき、そりゃあすべて神話のパターンとおんなじやっちゅうことながよ。
さて、前置きが長うなったけんど、本書の内容についちゃあ、確かにちくと難しゅうて分かりにくい部分もあるけんど、メチャクチャ面白うて面白うて、ワシゃあ金曜の晩から土日にかけての2日半ばあで、500ページ近い本書を一気に読破してしもうちょったばあながやき。
ワシが感動して線を引きまくった部分だけやち、足るばああるがやけんど、そん中から特に五重丸以上を付けたキャンベルさんの言葉を、以下に2点だっけご紹介さいていただきますぜよ。
「ふつう英雄の冒険は、なにかを奪われた人物、あるいは自分の社会の構成員にとって可能な、または許されちゅう通常の体験にゃあ、なんか大事なもんが欠けちゅうと感じちゅう人物の存在から始まるがよ。それから、この人物は、失うたもんを取り戻すため、あるいはなんらかの生命をもたらす霊薬を見つけるため、日常生活を超えた一連の冒険の旅に出かけるがやき。たいがいそりゃあ、どっかへ行ってまた戻ってくるっちゅうサイクルを形成しちゅうがよ。けんど、この冒険の構造と精神的な意味のなにがしかは、原始的な部族社会の思春期儀礼やイニシエーション儀礼において、すでに先取りされちょったがやき。この儀礼を通して、子供は子供らしさを放棄しておとなになることを強制されるがよ。いわば、幼な子の人格と精神において死に、責任あるおとなとしてよみがえるわけながやき。こりゃあだれもが経験せにゃあならん基本的な精神の変身ながよ。子供時代のワシらあは、だれかの保護と監督に依存しちゅうがやき。そりゃあだいたい十四年から二十一年間続くがよ。もし博士号を取りたけりゃあ、三十五年間ばあ続きかねんがやき。そのあいだは自分に責任を持って自由意志で行動する存在やのうて、だれかに叱られたり誉められたりしもって、またそれを期待しもって、おとなしゅう依存しちゅう存在ながよ。この心理的未成熟の状態を抜け出て、自己の責任と自信とに支えられた勇気を持つためにゃあ、いったん死んでよみがえることが必要ながやき。これが普遍的な英雄の旅の基本的なモチーフながよ。ひとつの状態を去り、より豊かな、より成熟した状態に達するために生命の源泉を見つける、ちゅうんが。」
次に、モイヤーズさんの「ワシらあはプロメテウスやイエスのような英雄と違うて、世界を救う旅路やのうて、自分を救う旅に出かけるがですね。」っちゅう質問に対して、キャンベルさんは次の通り答えるがやき。
「けんど、そうすることでおまさんは世界を救うことになるがよ。いきいきとした人間が世界に生気を与えるがやき。これにゃあ疑う余地はないがよ。生気のない世界は荒れ野ながやき。人々は、物事を動かしたり、制度を変えたり、指導者を選んだり、そういうことで世界を救えると考えちゅう。ノー、違うぜよ!生きた世界やったら、どんな世界やちまっとうな世界ながよ。必要ながは世界に生命をもたらすこと、そのためのただひとつの道は、自分自身にとっての生命のありかを見つけ、自分がいきいきと生きることながやき。」
ほいたら最後に、小説家で脚本家の冲方丁さんが、本書のラストの「解説」にて取り上げちゅうキャンベルさんの言葉とその解説文を紹介さいてもうて、締め括りとさいていただきますぜよ。
キャンベルは言うがよ。「神話は、もしかすりゃあ自分が完全な人間になれるかもしれん、ちゅう可能性を人に気づかせるがやき。」
完全な人間たぁ何か。そりゃあキャンベルによりゃあ、自分が生きちゅうっちゅう経験をする人間ながよ。ほいたら生きちゅうたぁ何か。自己の内面において、知らにゃあならん価値、すなわち個人の至福と出会い、それに従うことながやき。ほいたらその内面にある価値、個人の至福たぁ何か。そりゃあ個人の幸せの経験を待つしかないがよ。
「神話は、なにがおまさんを幸福にするかは語ってくれんがやき。けんど、おまさんが自分の幸福を追求したときにどんなことが起こるか、どんな障害にぶつかるか、は語るがよ。」
ジョーゼフ・キャンベル&ビル・モイヤーズ著「神話の力」・・・コロナ禍っちゅう危機の中、この書籍を読みもって深層の世界の旅に出りゃあ、キャンベルさんがメンターとなって導いてくれ、現実世界でどれっばあコロナ禍でピンチピンチピンチが連続したとしたち、もうイカンっちゅう大ピンチやちきっと克服し、最高の宝物を手に入れて帰還し、荒れ野のような世界に生気を与え、いきいきとした平和を世界にもたらすことができるはずながぜよ。
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司牡丹酒造株式会社
Posted by tsukasabotan at
09:13
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Comments(12)
「人は、なぜ他人を許せないのか?」ぜよ!
近年SNS上じゃあ、「炎上」やら「不倫叩き」やら「不謹慎狩り」らあが頻発しゆうけんど、今回のコロナ禍でさらに輪をかけて、「相互監視社会」じゃあ「自粛警察」じゃあ、そんなんが増えていきゆうようながやき。
いったいそりゃあどういう心理のもとで増えゆうがか、そしてそこにゃあいったいどんな意味が潜んじゅうがかを知りたいと思うて、たまたま書店で手にとったがが、本書やったがよ。
「人は、なぜ他人を許せないのか?」(中野信子 著 株式会社アスコム 2020年1月29日発行 1200円+税)っちゅう書籍ながやけんど、今回はこちらをご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 「人は、なぜ他人を許せないのか?」](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/6/b/6b21abc9.jpg)
![2020.6.1写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/c/c/cc5af0b1.jpg)
著者は、脳科学者、医学博士、認知科学者であり、脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行いゆう、東日本国際大学の教授ながやき。
ほんで、まず著者は、いきなり「『我こそは正義』と確信した途端、人は『正義中毒』になる」っちゅうがよ。
他人に「正義の制裁」を加えりゃあ、脳の快楽中枢が刺激され、快楽物質であるドーパミンが放出されるっちゅうがやき。
ほんで、この快楽にハマッてしもうたら簡単にゃあ抜け出せんなってしもうて、罰する対象を常に探し求め、決して人を許せんようになるっちゅうがよ。
こうした状態を、著者は正義に溺れてしもうた中毒状態、いわば「正義中毒」と呼ぼうと思うっちゅうがやき。
この認知構造は、依存症とほとんどおんなじやからやっちゅうがよ。
さらに著者は、正義中毒が脳に備わっちゅう仕組みである以上、誰しもが陥ってしまう可能性があるっちゅうき、まっこと恐ろしいがやき。
また、インターネットやSNSの広がりが、この正義中毒を顕在化さいて、より強めゆうがやないかと考えられるっちゅうがよ。
他人の過ちを糾弾し、自らの正当性が認められることによって、ひとときの快楽は得られるかもしれんけんど、日々他人の言動にイライラし、許せんっちゅう強い怒りを感じもって生きる生活らあて、幸せやとは言えんろう!っちゅうがやき。
ほんじゃき本書じゃあ、正義中毒が苦しいと感じちゅう方に、脳科学的な知見から何らかの救いになるようなメッセージを提供できればと思うちゅうっちゅうがよ。
正義中毒にかかった人らあは、一見すりゃあそれぞれ独自の理論、独自の正義を持っちゅうように見えるけんど、実際は、自分がターゲットにされることを恐れる気持ちから、多数派に流れゆう人が多いと言えると、著者は言うがやき。
社会全体でこういう方向に踏み出すこたぁ、長期的に見りゃあこぢゃんと危険やっちゅうがよ。
多様性を狭めた集団は、短期的にゃあ生産性を向上さいて、出生率も上昇して成功を収めるかもしれんけんど、進化の歴史の上じゃあ滅亡に向かうっちゅうがやき。
言い換えりゃあ、種としての健全な繁栄のためにゃあ、多少コストを感じたとしたち、ある程度の多様性を担保しちょかにゃあいかんっちゅうことながよ。
ここまでが、本書の「はじめに」と「第1章 ネット時代の『正義』・・・他人をつるし上げる悦び」のだいたいの内容ながやき。
次に「第2章」じゃあ、「日本社会の特殊性と『正義』の関係」についてが、語られちゅうがよ。
まず著者は、誤解を恐れんと言やあ、日本人は摩擦を恐れるあまり自分の主張を控え、集団の和を乱すことを極力回避する傾向の強い人らあやと感じるとし、あえて自省的に弱点として考える視点で見りゃあ、日本は「優秀な愚か者」の国っちゅうことになるっちゅうがやき。
ほいたら、なんで日本が現在のような、社会性が高うて、社会や組織の維持のためやったら自分の考えを呑み込むことがよしとされる文化になったがかについて、その理由は以下の通りやろうっちゅうがよ。
⚫日本が島国やから。
⚫気候面の特徴。降雨量が多い。台風も多く、風水害のリスクが高いから。
⚫プレートの境界にあるため火山が多く、地震が多発する場所やから。
⚫統計上の事実として、日本じゃあ江戸時代中盤以降から明治期に産業構造が変わるまで、ほとんど人口が増えてない。3000万人を超えたところで頭打ち。➡鎖国によって交易を行うてなかった江戸時代、国土をギリギリまで食糧生産に使うたち、最大限維持できる人口が3000万人超のレベルやった。
日本は数千年、数万年前から変わらず自然災害が多うて、国土も狭うて、食糧生産のための耕作地も狭いがやき、そうした環境に適応できる、つまり長期的な予測をして準備を怠らん人らあが生き残ったと考えるがが自然やっちゅうがやき。
また、フランスじゃあ「議論する」っちゅう動詞が「人」を目的語に取る(〜と議論する)がに対して、「論破する」っちゅう動詞は人を目的語に取らん・・・つまり、議論は人とするもんやけんど、言い負かすがはあくまで内容や論旨であって、相手を論破するっちゅう使い方はせんけんど、日本の議論は、主張と人格とが分離されんと、容易に人格攻撃へとつながるっちゅうがよ。
また、そんな日本人の性質が変わるにゃあ1000年かかるっちゅうトピックも、こぢゃんと面白かったがやき。
現在の遺伝子多型の割合から、数学社会学的に計算すりゃあ、ある性質を持っちゅうグループが消えるにゃあ、1000年かかるっちゅうことながよ。
続いて「第3章」は、「なぜ、人は人を許せなくなってしまうのか」で、結論から言やあ、そもそも人間の脳は誰かと対立することが自然であり、対立するようにできちゅうっちゅうがやき。
結論から言うたらその一言でおしまいやけんど、この章にゃあ、「同調圧力」「イングループバイアス」「確証バイアス」 「理性は直感に勝てん」「脳は『賢うなり過ぎん』ようにできちゅう?」「一貫性の原理の罠」・・・ちゅう具合に、こぢゃんと面白い内容が、まさにテンコ盛りながよ。
ほんでラストの「第4章」は、「『正義中毒』から自分を解放する」で、誰しもが陥ってしまう「人を許せん」状態から、解放されるための科学的な方法、そして日常生活や習慣のなかで前頭前野を鍛える方法について考察し、同時に、穏やかな気持ちで生きるための「物事の捉え方のコツ」についてらあにも、触れられちゅうがやき。
ほんで著者は、正義中毒から解放される最終的な方法は、あらゆる対立軸から抜け出し、何事も並列で処理することやないかっちゅうがよ。
そのポイントを言葉にすりゃあ、「ああでものう、こうでものうっちゅう感覚を受け止め、できるだっけ多くの人との間で共有し、互いを包み込んでいくこと」やないかっちゅうがやき。
結局、人間はみんなあ不完全な生き物ながやき、まったく違う考え方をする人もおりゃあ、間違いやと思えるような行動をする人もおるがやけんど、そんな人らあも含めて、おんなじ人間やっちゅう大きな愛で、すべてを包み込んでいくような考え方をするしかないがやないかっちゅうことながよ。
「人は、なぜ他人を許せないのか?」・・・このコロナ禍で、どう生きるかっちゅうことに対するヒントが満載の、まさに今お薦め書籍ながぜよ。
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「ゲコノミクス〜巨大市場を開拓せよ!〜」ぜよ!
今回のお薦め書籍は、「ゲコノミクス〜巨大市場を開拓せよ!〜」(藤野英人 著 日本経済新聞出版本部 2020年5月11日発行 1500円+税)っちゅう、何と!お酒を飲まん、下戸(ゲコ)のムーブメントがやってきたっちゅう書籍ながやき。
「おいおい!酒造会社の社長たるもんが、何ちゅう書籍を紹介しゆうがな!」っちゅうて、お叱りを受けてしまいそうなけんど、実はこの書籍、酒類業界の方々は絶対に読んじょいた方がえい、特に日本酒の蔵元にとっちゃあ必読の書やといえるがよ!
![写真1 ゲコノミクス](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/e/8/e858c04d.jpg)
![写真2 ゲコノミクス 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/a/9/a9f3f683.jpg)
何でかっちゅうたら、まず本書に掲載されちゅう衝撃の事実やけんど、厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(平成29年)から、飲酒に関するデータ(全員20歳以上)を見てみりゃあ、「ほとんど飲まん」「やめた」「飲まん(飲めん)」と答えた人の合計は、何と55.4%やっちゅうがやき!
つまり、20歳以上の日本人の半分以上はゲコノミストやっちゅう事実を、まずは全ての前提とせにゃあいかんっちゅうことながよ。
しかも、その割合は年々増えていきゆうっちゅうがやき。
ほんじゃき、酒類業界やったち、ゲコノミストの市場は、もはや無視するこたぁできんっちゅうことながよ。
さらに、今後の世の中としちゃあ、「働き方改革」や「健康経営」の流れらあがあり、さらに「SDGs(持続可能な開発目標)」や「ダイバーシティ(多様性)」や「インクルージョン(包摂)」っちゅう考えらあが主流になっていきゆうわけやき、そっちの文脈からやち、もはや酒類業界はゲコノミストの目線を無視するこたぁできんっちゅうことになるがやき。
さらに著者は、ゲコノミストにゃあ実に多様なタイプが存在しちゅうっちゅうて指摘するがよ。
まずは、,酒が嫌いで体質的にも飲めんっちゅう「真性ゲコノミスト」、次に△酒は好きやけんど、ちびっと飲むだっけで体調が悪うなったりして体質的に飲めんっちゅう「酒好きゲコノミスト」、続いてはB亮租にゃあ飲めるけんど、実はお酒が嫌いっちゅう「酒嫌いゲコノミスト」、最後にい酒は好きやし、体質的にも飲めるけんど、何らかの理由で飲めん、飲まん、飲みとうないっちゅう「選択的ゲコノミスト」、この4つのタイプが大まかな4分類やっちゅうがやき。
ほんでい砲磴◆△気蕕紡人佑癖々がおって、車の運転があるき飲めんとか、妊娠中・育児中のために飲めんとか、加齢、健康不安、病気、ドクターストップらあで飲めんとか、さらにゃあ仕事のパフォーマンスを出すために飲まんとかっちゅう、実にいろんな方々が存在しちゅうがよ。
ちなみに、最近のアメリカやヨーロッパの、特にミレニアム世代にゃあ、あえてお酒を飲まん生き方を選択するっちゅう、「ソバー・キュリアス」がトレンドになっちゅうっちゅうがやき。
「Sober」が「シラフ」の意味で、「Curious」は「ものを知りたがる/好奇心が強い」っちゅう意味やき、「飲まん」っちゅうことをポジティブに捉えた表現やっちゅうがよ。
要するに、ゲコノミストは、実に多様性に富んじゅうっちゅうことで、そん中にゃあ、たとえ今はまったく飲んでくれんかったとしたち、将来的にお酒を飲んでくれる顧客になり得る人もおるっちゅうことながやき。
ここ、こぢゃんと大事ながよ!
,凌佑鰐詰やとしたち、△砲磴▲船咼辰箸笋辰燭薜めるようになる人もちったぁおるろうし、の人やったちある時点から酒好きになる可能性もあるろうし、い凌佑蓮峅燭蕕の理由」がないなりゃあ飲みだしてくれたりするはずながやき。
特に、疲弊が激しい日本酒業界にとっちゃあ、これまでほとんど未開拓やった、ライトユーザー市場の開拓がアフターコロナの命綱やといえるがやけんど、↓い諒々の中にこそ、そんなライトユーザーが潜んじゅうっちゅうことながよ。
この書籍は、そんな日本酒業界の未来の顧客、ライトユーザーの生の声が、彼らの本音が満載やき、こぢゃんと学びになるっちゅうことながやき。
さらに、本業は投資家である著者ならではの視点での、ゲコ市場開拓のヒントらあも満載で、さらにさらに終盤にゃあ、糸井重里さんと著者の「ゲコ×ゲコ特別対談」も収録されちゅうがよ。
糸井さんも著者も、まったく飲めんっちゅうわけやないけんど、飲むこたぁやめたっちゅう方やき、ゲコノミストとノミストの両方の気持ちが分かるようなき、こぢゃんと参考になる対談やったがやき。
「『ゲコノミスト』の活動っちゅうんは、『飲むやつはけしからん』っちゅう話やのうて、『飲まん人の気持ちもわかってや』っちゅうことと、飲まん人が楽しめる場所を増やそう、そうすりゃあみんなあが楽しゅうなるやいかっちゅうんが一番ながやき。」っちゅう著者の言葉にゃあ、まっことノミストとゲコノミストの両者に対する愛がこもっちゅうがよ。
また、「酒飲みはちびちびやりもって、蕎麦屋で待ちゆうやいか。かまぼこと酒で。あるいは、アタリメとかで、蕎麦が来んうちに。うらやましいがやき。あの時間がワシらあにゃあない。」っちゅう糸井さんの言葉や、「男同士とかで、恋人でもないに、お酒をちびちび飲みもって、黙って時間が流れゆうけんど、ほんでも、えい感じ。ありゃあうらやましい。」っちゅう著者の言葉らあにゃあ、まっこと確かにと、思わず膝を打ったがやき。
さらに糸井さんの、「やっぱり情報のやりとりっちゅうんは、情報といいゆう部分に、まっとすごい分量があるがやと思うたほうがえいがやないろうか。酒を飲んだときにちょっとうらやましいがは、意味にとらわれんところでのスキンシップに近いやりとりがあるからやないがかと。」っちゅう言葉にゃあ、ワシが常々語りゆう「日本酒はネットに勝る最強のコミュニケーションツール」に通じちょって、まさに我が意を得たりやったがよ!
「ゲコノミスト〜巨大市場を開拓せよ!〜」・・・飲兵衛にもゲコにも面白うて、酒類業界に、特に日本酒業界に、いまこそ必読の書籍やといえるがぜ
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オンライン飲み会のメリットと、コロナが突きつけた「食」の問題ぜよ!
今回は、先週の5月15日(金)のブログ(およびFacebook)にてご紹介さいてもうた、日本のトップマーケッター壇直仕祇萓犬凌郡、「マーケティング・ジャーニー」〜変容する世界で稼ぎ続ける羅針盤〜(壇直仕 著 日本経済新聞出版本部 2020年4月8日発行 1600円+税)の終盤に、「オンライン飲み会」のメリットやアイデアについてが書かれちょったき、まずはちくとその部分をピックアップし、ご紹介さいていただきますぜよ。
![2020.5.18写真1 マーケティング・ジャーニー](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/2/e/2e19c59b.jpg)
壇沈萓犬蓮以下の通りのオンライン飲み会のメリットを挙げちゅうがやき。
![写真2 目次 オンライン飲み会](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/8/b/8b4ea1bb.jpg)
<オンライン飲み会のメリット>
●住んじゅう地域や家庭の事情らあの制約がある人やち、参加しやすい。日本全国、海外からも参加でき、小さな子供や介護が必要な身内がおるなど、外出しにくい人でも大丈夫。
●実際やってみりゃあ、「こりゃあ流行る!」と確信できるばあ、楽しい。
●予想以上に盛り上がり、参加者は個別に開催しとうなるばあ、伝染力が強い。
●終電に乗り遅れる心配がない。タクシー代や運転代行代がかからん。お酒を注ぐらあの気配りがいらん。酔っぱらいに絡まれる心配もない。
●家族を紹介し合うようなこともでき、より親密な関係を結べる。
●まずオンライン飲み会で仲良うなっちょきゃあ、オフラインでも会いたいとなり、実際に会うたら既に旧知の友人と再会したような感覚になれる。
●会社の同僚らあの近くにおる人よりか、同じ興味を分かち合える遠くの人の方が、実は仲良うなれる。
●パワハラなど、様々なハラスメントが問題になっちゅう昨今、利害関係がない人同士が参加する、リラックスした場でコミュニケーションをとるニーズ自体が高まっちゅう。オンライン飲み会は、そのスキマを埋める役割を担うやろう。
●リアルの飲み会以上に、オンライン飲み会じゃあ幹事的な役割のファシリテーターが重要となる。ファシリテーターが上手にいろんな人らあに話を振ることで、全体が盛り上がることができる。そんなファシリテーターたちの需要が今後高まっていくやろう。
●オンライン飲み会でやり取りすりゃあ、業種、業態、地域を越えたコミュニケーションが盛んになる。そこから発展し、多様な学び合いをし、協力し合い、新しいビジネスが生まれる可能性も高うなる。
また、次の通りの「オンライン飲み会のアイデア」も紹介されちゅうがよ。
<オンライン飲み会のアイデア>
●顔出しNGやち参加OKにすりゃあ、参加者の裾野が広がる。風呂上りやち、パジャマ姿やち、ノーメイクやち参加できる。
●おそらく今後、爆発的にヒットするがは、女性のオンライン飲み会。子育て中の女性が、子供が寝静まって、旦那さんが帰ってくるまでの間、飲みもって子育てや副業らあの情報交換をするっちゅうことが、当たり前になるがやないか。場合によっちゃあ、企業スポンサーがついて、商品モニターを組み合わせるっちゅうことも出てくるかも。
●ビジネス交流会のようなオンライン飲み会も、いずれ一般的になるやろう。単にビジネス情報が飛び交うだけやのうて、雑談の中でビジネスアイデアが生まれることも出てくるはず。その重要性がわかっちゅう人ほど、オンライン飲み会を主催するようになるやろう。
●オンライン飲み会のメンバーに、サプライズでお酒らあのプレゼントを送っちょいて、飲み会の最中に届くようにしちょきゃあ、サプライズの瞬間を目撃することができる。
いまコロナ禍で、高知県酒造組合と土佐酒アドバイザー有志で立ち上げた、オンライン酒場「酔うちゅう部」(https:youtu-bu.jp )内にて、いろんなオンライン飲み会を開催しゆうけんど、確かに上記のようなメリットやアイデアらあを、まざまざと実感しゆうがよ。
コロナ終息後も、オンライン飲み会は間違いのう、新たな「飲み会のカタチ」として、大きゅう育っていくはずながやき!
また、この書籍「マーケティング・ジャーニー」は、「日経MJ」の人気連載コラム「壇直仕気量ね茲縫皀討襯沺璽吋謄ング」に加筆修正を加えて誕生したもんながやけんど、実はこの連載はまだ続いちょって、先日5月4日(月)の同コラムのテーマは「コロナが突きつけた『食』の問題」やったき、そちらもちくと以下に取り上げさいていただきますぜよ。
壇沈萓犬蓮⊃祁織灰蹈覆突きつけた本質的な問題を「食」やとし、デジタル変革と同様に「食の変革」に取り組むべきやっちゅうんが、行き着いた結論やっちゅうがよ。
今回のコロナ問題じゃあ、ほぼすべての業種が経済的な打撃を受けちゅうけんど、最も打撃を受けたがは飲食・宿泊らあの「食にまつわる産業」であるこたぁ疑いようがないがやき。
ほんで、これを乗り切るためにゃあ、政府による大規模な財政出動だけじゃあ不十分やっちゅうがよ。
今必要ながは、緊急事態に対応しもって収束後の成長モデルを描くことやっちゅうがやき。
日本の成長に必要なこととして、その結論が、「食の変革」やっちゅうがよ。
国家戦略として、食にまつわる産業を支援することやっちゅうがやき。
日本の食料自給率は、昭和40年から長期的に下がり続ける一方で、日本の食は海外に頼るがが当たり前やと思われてきたがよ。
けんど、コロナがその弊害を浮き彫りにしたっちゅうがやき。
海外から食材を運ぶ物流が影響を受けりゃあ、自給率が低い日本じゃあ、容易に食不足に陥ってしまうっちゅうがよ。
また、感染症から身を守るために、どれっぱあ免疫力を高める食材かどうかを、誰もが問い始めゆうっちゅうがやき。
こうした状況でクローズアップされてきたがが、飲食業が担うちゅう地域の安全保障やっちゅうがよ。
飲食業は、想像以上にワシらあの生活の安全に直結しちゅうっちゅうがやき。
また、非常時らあに保存できるもんとして、米や味噌、漬物らあの日本の伝統食が再評価されてえいっちゅうがよ。
ただ食の変革っちゅうたち、従来のように「国内農業を支援する」だっけじゃあ足りんっちゅうがやき。
海外から入る安い農作物を使うて、飲食業が発展する図式自体が変わらんと、意味がないからやっちゅうがよ。
今後は農業を支援するだっけやのうて、食を軸に地域生活のトータルな安全保障を再構築することが欠かせんっちゅうがやき。
その担い手として飲食業や宿泊業を戦略的に活用すべきやと、壇沈萓犬蝋佑┐襪辰舛紊Δよ。
ほんで、その一例として、米国のホワイトドッグカフェがつくった生活経済団体「BALLE」を挙げるがやき。
農家や酪農家が地元飲食店に食材を提供することから始まり、廃棄物処理も含めた、食を軸とした生活経済圏を作り上げちゅうっちゅうがよ。
工業化社会じゃあ製造業が経済の担い手で、飲食業・宿泊業は産業政策として重視されてきた業界たぁいえんがやき。
けんど、コロナ後の新しい生活経済圏のあり方を考えりゃあ、極めて重要な役割を果たすことになるっちゅうがよ。
コロナを契機に、日本の食の生活安全保障を真剣に考え、食料自給率を本格的に逆転していく覚悟が問われちゅうがやないかっちゅうて、壇沈萓犬歪め括られちゅうがやき。
この、日本の食の生活安全保障の考えと、食を軸とした生活経済圏の創出っちゅうんは、まさに高知県が得意とする分野やといえ、そういう意味じゃあアフターコロナの最先端に土佐の高知が躍り出る、ビッグチャンスやないかよっちゅうことながぜよ!
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発酵デザイナー小倉ヒラクさんの「発酵文化人類学」ぜよ!
今回もお薦め書籍で、発酵デザイナーとして人気の小倉ヒラクさんの著書、「発酵文化人類学」〜微生物から見た社会のカタチ〜(小倉ヒラク 著 木楽舎 2017年5月1日発行 1600円+税)をご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 発酵文化人類学](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/a/0/a0006c78.jpg)
まずこの書籍は、2017年5月に初版が発行されちょって、ワシゃあ昨年末に2019年5月発行の第6刷を購入し、いつか読もうと思うてそのまんまになっちょったがやき。
実は購入当初、パラパラっとは読んでみたがやけんど、ちくと小難しそうなと思うて、ほったらかしにしてしもうちょったがよ。
それをこの機会に読んでみろうと思い立ち、読み始めてみりゃあ、確かに「発酵学」と「文化人類学」のマッチングやき、小難しい部分は多々あるがやけんど、これがまっこと面白いこと面白いこと!
380ページ以上ある結構厚い本やに、ワシゃあ一気にハマって読み耽り、2日間で読了しちょったがやき。
さて、まず著者の小倉さんは、発酵デザイナーを名乗っちゅうがやけんど、目に見えん微生物の世界のナビゲーターであり、ワシらあの暮らしを支えてくれゆう発酵菌らあのエヴァンジェリスト(伝道師)として、日本はもちろん世界中を巡りもって、世界中で育まれた不思議な発酵文化を伝える仕事をしゆうっちゅうがよ。
![2020.4.24写真2 著者プロフィール](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/b/f/bfd5aed3.jpg)
次に、発酵文化人類学たぁ何かっちゅうたら、以下の通りやっちゅうがやき。
お酒が発酵するっちゅう現象は化学式に変換できる生命工学であり、なんで人それぞれ好きなお酒が違うがかっちゅうんは化学式に変換できん社会学やき、発酵の道っちゅうんは「生命工学と社会学の交差点」やっちゅうがよ。
一方、文化人類学もおんなじような構造になっちょって、様々なオブジェや民話らあをデータとして分解して共通項を再構築して体系化するっちゅうんは情報工学であり、けんどどういて人類がこんなに多様な文化を生み出したがかを考えるにゃあ、データを超えた仮説を生み出す想像力がいる社会学やっちゅうがやき。
具体的なモノからスタートし、抽象的なメソッドとして体系化する。そん時、歴史の奥に隠された「世界のひみつ」の扉が開く。その扉を開けるにゃあクリエイティブな感性と広い視野でものを見る思考力が試される。
つまり発酵文化人類学の定義は、「発酵を通して、人類の暮らしにまつわる文化や技術の謎を紐解く学問」やっちゅうがよ。
ほいたら著者は、なんでそうなれたがかっちゅうたら、次の通りながやき。
著者が、デザイナーとしてバリバリ仕事をやりすぎて、体調を崩してボロボロになっちょった頃、老舗味噌屋の末娘と彼女の大学の恩師である発酵学者・小泉武夫先生の研究室を、訪ねたことがあるっちゅうがよ。
ほいたら著者の顔を見るなり小泉先生は、「お前ッ・・・さては免疫不全やな。味噌汁飲め!納豆と漬物食え!」っちゅうて猛烈プッシュされたっちゅうがやき。
その通り実行してみりゃあ、体調は見事に回復し、「発酵ち、面白い」と興味を持って小泉先生の著書らあを読みよったら、味噌屋の末娘からデザインの仕事を頼まれ、彼女の実家の山梨の味噌蔵を訪ねたっちゅうがよ。
ほいたら、大きな木樽がたくさん並ぶ味噌蔵の中で、微生物が自分を呼ぶ声が聞こえたような気がしたっちゅうがやき。
その微生物の声に導かれるように味噌のデザインの仕事を始めたら大ヒットし、そっから酒蔵や醤油蔵やビールメーカーらあからもデザインの仕事を頼まれるようになり、ついに2014年にゃあ覚悟を決めて「発酵デザイナー」を名乗り、これからは発酵と微生物に関わる仕事しかせんと宣言し、30歳を過ぎて東京農業大学醸造科の研究生になり、世界で唯一の「デザイナー兼微生物研究家」っちゅう不思議な肩書が生まれたっちゅうがよ。
![2020.4.24写真3 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/d/b/dbb54a0c.jpg)
ほいたら内容やけんど、まず「パート1」は「ホモ・ファーメンタム〜発酵する、ゆえに我あり〜」っちゅうタイトルながやき。
このパートのテーマは「ヒトと発酵の出会い」で、微生物の働きが自分らあの世界を豊かにすることに気づいた時、ホモ・ファーメンタム(発酵するヒト)が生まれたっちゅう内容ながよ。
また、日本の創世記にも「神さまのカビ=麹菌」が大事な役割を果たしちゅうとして、このあたりもディープに詳しゅう掘り下げて書かれちょって、まっこと面白いがやき。
次に「パート2」は、「風土と菌のブリコラージュ〜手前みそとDIYムーブメント〜」っちゅうタイトルながよ。
このパートのテーマは、文化人類学者レヴィ=ストロースの有名な概念「ブリコラージュ」を下敷きに、発酵食品を手づくりする楽しさと味噌の奥深さに迫ったっちゅう内容ながやき。
ブリコラージュ(器用仕事)たぁ、一般的にゃあDIYのことで、素人があれこれ工夫してモノを組み立てるっちゅうニュアンスながよ。
レヴィ=ストロースは、世界中の神話を集めゆううちに「なんで世界各地でこれっぱあ多様で摩訶不思議なストーリーが生み出されるがやろう?」っちゅう疑問を持ち、「神話は一種の知的なブリコラージュぜよ」っちゅうて定義したっちゅうがやき。
いわく、「神話的思考の本性は、雑多な要素からなり、かつたくさんあるっちゅうたち、やっぱし限度のある材料を用いて自分の考えを表現することぜよ。」
ありあわせの材料を用いてブリコラージュを行う「器用人」は、明快なコンセプトに基づいて事前に用意された材料で無駄のう物をつくる「エンジニア」と対置されるがやけんど、「器用人」の仕事ぶりについて、レヴィ=ストロースはこんな風に述べちゅうっちゅうがよ。
「いままでに集めて持っちゅう道具と材料の全体をふりかえってみて、何があるかをすべて調べ上げ、もしくは調べ直さにゃあならん。その次にゃあ、とりわけ大切なことやけんど、道具材料と一種の対話を交わし、いま与えられちゅう問題に対してこれらの資材が出しうる可能な解答をすべて並べ出してみる。」
こりゃあまるっきり発酵のことを指しちゅうっちゅうがやき。
「神話」を「発酵文化」に、「器用人」を「醸造家」に入れ替えりゃあブリコラージュの概念はまさに発酵を象徴するもんやと言えるっちゅうて、著者は喝破するがよ。
さらに著者は、そんな発酵ブリコラージュのシンボルが、「手前みそ」やっちゅうがやき。
著者はもう何年も前から、山梨の老舗味噌屋さんとともに、味噌を手づくりする「手前みそワークショップ」を開催しゆうけんど、近年はそれが大人気となっちょって、こりゃあ新たなムーブメントの始まりやっちゅうがよ。
続いて「パート3」は、「制限から生まれる多様性〜マイナスをプラスに醸すデザイン術〜」っちゅうタイトルながやき。
このパートのテーマは「発酵文化の多様性」で、著者が日本の各地で出会うた個性的な発酵食品を解説しもって、土地に伝承されてきた郷土食文化の奥深さを紐解くっちゅう内容ながよ。
現代の科学の目で見りゃあ、奇想天外に見える発酵食品も、実は合理的にデザインされちゅうことがわかるっちゅうがやき。
ほんで、木曽の無塩乳酸発酵の漬物「すんき」や、新島のハードコア発酵干物「くさや」らあとともに、高知県嶺北地方の世にも酸っぱ爽やかな発酵茶「碁石茶」も、詳しゅう面白うに紹介されちゅうがよ。
お次の「パート4」は、「ヒトと菌の贈与経済〜巡り続けるコミュニケーションの環〜」っちゅうタイトルながやき。
このパートのテーマは「生態系を巡る贈与の環」で、文化人類学の主要テーマである「交換儀礼」と、微生物学の主要テーマである「エネルギーの代謝」を重ね合わせもって、生態系の中でどのように物質やエネルギーが循環しゆうがかを見ていくっちゅう内容で、この本の中で一番難しいパートやっちゅうがよ。
確かにかなりディープで難しい内容がてんこ盛りながやけんど、ワシゃあこのパートが一番目からウロコやって、メッチャメチャ面白かったがやき。
けんど、このパートを解説しよったら、メチャクチャ長うなってしまうき、ここじゃあ残念ながら解説はせんけんど、興味がある方は是非本書のご一読をお薦めしますぜよ。
続いての「パート5」は、「醸造芸術論〜美と感性のコスモロジー〜」っちゅうタイトルながよ。
このパートのテーマは「酒とヒトの感性」で、甲州ワインと日本酒の製法と歴史を系譜的に見つつ、人間にとって美たぁ何かをしつこうに掘り下げていくっちゅう内容で、醸造技術の詳細解説と文化論が入り交じる、本書で一番の読みどころやっちゅうがやき。
「日本酒におけるデザインの変遷」のくの「淡麗辛口の美学の誕生」の一部らあに、ワシからしたらちくと「ん??」っちゅうところもあるがやけんど、全体としちゃあ確かにメチャクチャ面白いき、一番の読みどころながよ。
お次の「パート6」は、「発酵的ワークスタイル〜醸造家たちの喜怒哀楽〜」っちゅうタイトルながやき。
このパートのテーマは「醸造家の働きかた」で、日本酒・味噌・醤油・ワインのものづくりに関わる4人の醸造家を紹介しもって、仕事の哲学や、組織やビジネスのモデルづくりの方法論を取り出していくっちゅう内容ながよ。
秋田の「新政」の古関杜氏さんの日本酒づくり、山梨の「五味醤油」の五味さんの味噌づくり、福岡の「ミツル醤油」の城さんの醤油づくり、山梨の「マルサン葡萄酒」の若尾さんのワインづくりらあについて、かなり突っ込んで紹介されちょって、このパートもまっこと面白いがやき。
最後の「パート7」は、「よみがえるヤマタノオロチ〜発酵の未来は、ヒトの未来〜」っちゅうタイトルながよ。
このパートのテーマは「バイオテクノロジーとヒトの未来」で、最先端のバイオテクノロジーと伝統的な発酵技術を比較しもって、これからワシらあがどのように生命と向き合うていくべきながかを考えていくっちゅう内容で、ヒトはヤマタノオロチの剣を使いこなせるがやろうかっちゅうことながやき。
発酵デザイナー小倉ヒラクさんの「発酵文化人類学」〜微生物から見た社会のカタチ〜・・・発酵をめぐる暮らし・文化・社会・テクノロジーらあを、面白うに楽しゅうに、かつディープに知ることができる、まっこと超お薦めの一冊ながぜよ。
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14:34
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「日本文化の核心」〜「ジャパン・スタイル」を読み解く〜ぜよ!
今回もお薦め書籍で、先月発売されたばっかしの新書、「日本文化の核心」〜「ジャパン・スタイル」を読み解く〜(松岡正剛 著 講談社現代新書 2020年3月20日発行 1000円+税)をご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 日本文化の核心](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/2/a/2a28feda.jpg)
この書籍は、日本文化研究の第一人者として「日本という方法」を提唱し独自の日本論を展開しゆう、編集工学研究所所長でイシス編集学校校長の松岡正剛さんの、「松岡日本論」の集大成といえる書籍ながやき。
350ページにおよぶその内容は、「濃い日本」を解読し、この国の“深い魅力”を理解するための、多岐に渡る内容が網羅されちょって、新書たぁ思えんばあ厚いがよ。
しかも著者は、「日本文化はハイコンテキストで、一見、わかりにくいと見える文脈や表現にこそ真骨頂がある」っちゅうて「はじめに」で断言しちゅうばあながやき。
![2020.4.22写真2 著者プロフィール](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/4/e/4e4d97a5.jpg)
こう紹介してしもうたら、とても読めそうにないっちゅうて、ドン引きされてしまいそうやけんど、これがメチャクチャ面白うて、ハマリまくって読みふけってしもうて、ワシゃあ数日で読了してしもうたがよ。
何でかゆうたら、全体じゃあ350ページもあるがやけんど、中身は「16講」に分かれちょって、「1講」がだいたい20ページばあのもんやき、実は意外に読みやすい構成となっちゅうがやき。
![写真3 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/1/8/18228ca1.jpg)
確かに内容は、かなりディープな部分も多うて、わかりにくい表現らあも少のうないがやけんど、自分が興味を持った「構」だっけをピックアップして読むっちゅう読み方もできるき、その読み方で進みよったら、面白いもんやき、いつの間にか全部を読み終えてしもうちょったっちゅうことになりそうな、そんなお薦め書籍ながよ。
ほいたら参考までに、その全「16構」のタイトルとサブタイトルを、以下にご紹介しちょきますぜよ。
【第一構:柱を立てる】古代日本の共同体の原点「柱の文化」から話を始めろう。
【第二構:和漢の境をまたぐ】「中国語のリミックス」で日本文化が花開いた。
【第三構:イノリとミノリ】日本人にとって大切な「コメ信仰」をめぐる。
【第四構:神と仏の習合】寛容ながか、無宗教ながか。「多神多仏」の不思議な国。
【第五構:和する/荒ぶる】アマテラスとスサノオに始まる「和」の起源。
【第六構:漂泊と辺境】日本人はどういて「都落ち」に哀愁を感じるがか。
【第七構:型・間・拍子】間と「五七」調の型と拍子にひそむ謎。
【第八構:小さきもの】一寸法師からポケモンまで。「日本的ミニマリズム」の秘密。
【第九構:まねび/まなび】世阿弥が説く学びの本質。現在日本の教育に足りんこと。
【第一〇構:或るおおもと】公家・武家・家元。ブランドとしての「家」について。
【第一一構:かぶいて候】いまの日本社会に足りん「バサラ」の心意気。
【第一二構:市と庭】「庭」「お金」「支払い」に込められた日本社会の意外性。
【第一三構:ナリフリかまう】「粋」と「いなせ」に見るコードとモードの文化。
【第一四構:ニュースとお笑い】「いいね」文化の摩滅。情報の編集力を再考する。
【第一五構:経世済民】日本を語るために、「経済」と「景気」のルーツをたどる。
【第一六構:面影を編集する】一途で多様な日本。「微妙で截然とした日本」へ。
ほいたらこの多岐に渡るディープな内容から、ワシがこぢゃんと惹かれた部分の一部を、以下にご紹介さいていただきますぜよ。
まずは「第二構」に、「紀貫之の革命」っちゅうパートがあるがやき。
著者はまず、太安万侶が稗田阿礼に口述さいて、それを漢字四万六千二十七文字で「古事記」に仕上げたっちゅう史実を、漢字を音読みと訓読みに自在に変えて、音読みにゃあ後の万葉仮名にあたる使用法を芽生えさいたっちゅうて、これを第一次日本語認知革命やっちゅうて絶賛しちゅうがやけんど、紀貫之の実験は第二の日本語認知革命やっちゅうがよ。
まず貫之は、「古今和歌集」を編纂する際に、その序文に「真名序」と「仮名序」っちゅう漢和両方の序を付けちゅうがやけんど、真名序じゃあ中国における漢詩のルールと目的を掲げ、仮名序じゃあそれを日本に移した場合の和歌独特の変化のスタイルと狙いを書いたっちゅうがやき。
さらに、貫之の実験は、「土佐日記」において前代未聞のもんとなったっちゅうがよ。
当時、日記は男性貴族が漢文で書くもんと決まっちょったに、「土佐日記」は男の貫之が女になって書かれちょって、さらに漢字やのうて仮名で書かれちゅうがやき、「和漢の境」と「男女の境」を二重にまたいだ仮想実験やったっちゅうがやき。
この仮想実験はあっちゅうまに多大な影響力をもたらし、女房らあが仮名日記や仮名文章を好きに書くようになり、「枕草子」も「更級日記」も「源氏物語」も「和泉式部日記」も、こうして生まれたっちゅうがよ。
こりゃあ単なる女房文学の誕生らあじゃあのうて、紀貫之が日本語認知革命を起こし、日本人の思考プロセスに新たな方法による開示が可能なことを教えたがやっちゅうがやき。
「土佐日記」についちゃあ、ある程度は知っちょったけんど、まさかそれほど革命的な存在やったたぁ、ワシゃあまっこと目からウロコやったがよ。
次に「第一二構」に、「かぶいて候」っちゅうパートがあるがやき。
「かぶく」っちゅうんは歌舞伎の語源でもあるけんど、「傾く」っちゅうことやき、いささか多様で、ちょっと大袈裟で、何かが過剰で、どっか異様なもん、それが傾奇(かぶき)やっちゅうがよ。
さらに著者は、中世にも「かぶき者」に似た連中がおって、こちらは「バサラ(婆娑羅)」と呼ばれたっちゅうがやき。
派手な恰好をして、大きな鉄扇をかざし、権威を嘲笑うて風流を好んだ、そんな武士らあのことながよ。
バサラは、この過度な様子を表した言葉で、当時は「過差(かさ)」とも言われ、英語で言やあ、“too much”っちゅう意味で、さしずめ「やりすぎ」「派手すぎ」「人目を引きすぎ」っちゅうことながやき。
ほんで著者は、21世紀の日本文化を活性化させるにゃあ、一方じゃあ伝統文化や伝統芸能の中の「バサラっぽいもん」「歌舞伎っぽいもん」を溢れ出させることと、他方じゃあ近現代日本の表現力の中から過剰なもんや密度の濃いもんやパンクアートや大胆な劇画や過激なアニメのようなもんをふんだんに並べてみることが、かなり重要なことやろうと思うちゅうっちゅうがよ。
それっちゅうんは、今日の日本社会はコンプライアンスに惑わされ、監視カメラと賞味期限に縛られ、安全安心なところでしか仕事ができんようにしちょって、とにかく仕事場だけやのうて、学校でも家庭でも“too much”を見せたらアウトの社会になっちゅうっちゅうがやき。
セクハラ、パワハラらあ、もってのほかながよ。
そこで自粛ながか、自己規制ながかは分からんけんど、多くの現象や表現が衛生無害なもんに向こうちょって、このまんまじゃあ和風に整うた和霊(にぎたま)はともかく、荒ぶるもん(※「和」と「荒」は日本文化じゃあ一対。)まですっかり縮こまってしもうちゅうっちゅうがやき。
こりゃあ「監視社会」であり、「忖度社会」やっちゅうがよ。
バサラやカブキの精神にゃあ「出る杭は打たれる」たぁ反対の気骨が流れてきちょって、出る杭になったち怖れんようにするっちゅう精神やっちゅうがやき。
そのためにゃあ、ときにゃああえて「過差」に言及してみることも大事やっちゅうがよ。
著者は、親鸞の「善人なおもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」っちゅう「悪人正機説」の「悪」たぁ、“bad”やのうて、“too much”やっちゅうがやき。
親鸞は念仏によって「悪」っちゅう“too much”からの逆転を計ったっちゅうがよ。
ほんで、この「講」のラストに著者は、極端を封じよったら、本当の「中道」が見えんなるっちゅうて語るがやき。
「ワシゃあ現状の日本がコンプライアンスを破るもんに目くじらを立てたり、罰則をもうけろうらあてしよったら、本当の『中道』がうんと遠うなるやろうと危惧しゆうがよ。今日の日本にバサラやカブキ者の気骨が失われちゅうことは残念なかぎりながやき。派手な格好をしてほしいっちゅうがやのうて、親鸞の精神が派手やと思えるようになってほしいがぜよ。」
確かに著者の言うとおりで、「バサラ」の心意気だけでも、この現代日本社会に取り戻したいもんながよ。
わずか「二講」のごく一部しかご紹介できざったけんど、これだっけやち、その内容のディープさと面白さは、ちったぁ伝わったがやないろうか。
「日本文化の核心」〜「ジャパン・スタイル」を読み解く〜・・・日本文化について理解を深めたいやったら、まさに必携の書籍ながぜよ。
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13:59
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自分が楽しいがキモ!「読みたいことを、書けばいい。」ぜよ!
今回もお薦め書籍で、「読みたいことを、書けばいい。」〜人生が変わるシンブルな文章術〜(田中泰延 著 ダイヤモンド社 2019年6月12日発行 1500円+税)をご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 読みたいことを、書けばいい。](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/5/3/536e7397.jpg)
![写真2 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/b/4/b435bb64.jpg)
本書は、電通のコピーライター・CMプランナーとして24年間活動された後に独立し、フリーランスのライターとして活躍されゆう、田中泰延さんの初の著書ながよ。
内容は、世間にようある「文章テクニック本」やのうて、「自分が読みたいことを書きゃあ、自分が楽しい」っちゅう原理に基づく「読者としての文章術」であり、書くことで実際に「現実が変わる」っちゅう物語を面白おかしゅうに綴った書籍でもあるがやき。
まず「序章:なんのために書いたがか」じゃあ、本書は「文章術」と明記しちゅうけんど、書くためのテクニックを教えろうっちゅうんやのうて、書くための考え方を示す本やっちゅうがよ。
ほんで、最初に書かれちゅう大切なことは、「文字が少ないこと」やっちゅうがやき、そっからして異質ながやけんど、本書はご覧の通りそれを実践しちょって、1ページあたりの文字数は下手したら絵本並みに少のうて、1冊(約270ページ)読み終えるがに1時間かからんばあで、しかも実際によう売れゆうっちゅうがやき、サスガながやき。
![写真3 文字が少ない!](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/f/8/f891de4d.jpg)
「第1章:なにを書くがか」じゃあ、文章の分野について紹介しちゅうがよ。
まず、ネットで読まれゆう文章の9割は「随筆」で、こりゃあ「事象と心象が交わるところに生まれる文章」やっちゅうがやき。
ちなみに、事象を中心に書いたら「報道」や「ルポルタージュ」になり、心象をメインに書きゃあ「創作」「フィクション」になるっちゅうがよ。
この流れの中で著者は、「定義をしっかり持ちゃあ、自分がいま、なにを書きゆうがかを忘れるこたぁない」っちゅうがやき。
ほんで、「ことばを疑うこと」から始めにゃあいかんっちゅうがよ。
その単語に自分がはっきりと感じる重みや実体があるか?わけもわからんまんま誰かが使うた単語を流用しちゃあせんか?っちゅうがやき。
自分自身がその言葉の実体を理解することが重要で、そうやないと他人に意味を伝達するこたぁ不可能やっちゅうがよ。
続いて「第2章:だれに書くがか」じゃあ、一般的にゃあ「ターゲットを想定しょう」っちゅうけんど、著者はターゲットらあ想定せんでえい、自分で読んで面白けりゃあえいっちゅうがやき。
ただし、「ワシが言いたいことを書いちゅう人がおらん。ほいたら自分が書くしかないぜよ!」っちゅうことを出発点にすることが大事で、誰かがもう書いちゅうことやったら読み手でおったほうがえいっちゅうがよ。
お次の「第3章:どう書くがか」じゃあ、いきなり「自分の内面を語る人」はつまらん人間であり、チビッとやち面白う感じる人っちゅうんは、その人の外部にあることを語りゆうっちゅうがやき。
随筆たぁ、結局最後にゃあ心象を述べる著述形式やけんど、そのためにゃあ事象を提示して興味を持ってもらわにゃあいかんがよ。
ほんでその事象たぁ、つねに人間の外部にあるもんで、心象を語るためにゃあ事象の強度が不可欠やっちゅうがやき。
ほんじゃき、物書きは「調べる」が9割9分5厘6毛で、ライターの考えらあ全体の1%以下でえい、その1%以下を伝えるためにあとの99%以上が要るっちゅうがよ。
また著者は、ググったり、アマゾンで普通の書籍を買うたりして調べるっちゅうんは調べたことにならんとし、1次資料に当たらにゃあ話にならんっちゅうがやき。
ほいたらどこで調べるかっちゅうたら、そりゃあ図書館やっちゅうて、図書館での調べ方らあについてを、結構詳しゅうに紹介しちゅうがよ。
ほんで、「巨人の肩に乗る」っちゅう言葉を取り上げるがやき。
こりゃあ、歴史の中で人類がやってきたことの積み重ねが巨人みたいなもんやき、ワシらあはその肩の上に乗って物事を見渡さん限り、進歩は望めんっちゅう意味ながよ。
つまり、図書館で1次資料に当たれっちゅうんは、ひとえに「巨人の肩に乗る」ためであり、さらに「巨人の肩に乗る」っちゅうんは、「ここまでは議論の余地がないろうがよ。ほいたらこっから先の話をしょうか」っちゅう姿勢やっちゅうがやき。
また著者は、感動が中心になけりゃあ書く意味がないっちゅうがよ。
もし書く対象に対してまったく愛がなけりゃあ、調べる過程でどっかを愛するっちゅう作業をせにゃあいかんっちゅうがやき。
ほんで、愛と敬意が文章の中心にありゃあ、おまさんの書くもんにゃあ意味があるっちゅうがよ。
さらに著者は、結論の重さは過程に支えられるっちゅうて、これこそ文章が持つ力の根源でもあるっちゅうがやき。
順を追って考え、順を追って書き記していくことが自分自身の理解への道のりそのものであり、結果として人の気持ちを動かす文章となるっちゅうがよ。
その「思考の過程に相手が共感してくれるかどうか」が、長い文章を書く意味やっちゅうがやき。
ほんでこの章の最後に、具体的にゃあどう書くかっちゅうたら、書く形式は起承転結でえいっちゅうがよ。
構造的にゃあ、「起:実際の経験やっちゅう前書き」、「承:具体的になにがあったか」、「転:その意味はなにか。テーゼ化」、「結:感想と提言。ちょっとだけ」やっちゅうがやき。
つまり起承転結たぁ、“見、帰納、1蜈茵↓け喘押△笋辰舛紊Δよ。
続いての「第4章:なぜ書くがか」じゃあ、まず著者は、書くことは世界を狭うすることやっちゅうがやき。
真っ白な原稿用紙は大宇宙の全てを含んじょって、茫漠とした大海原やったに、何かを書き出すだけで、世界は削られてしまうっちゅうがよ。
ほんじゃき、書くことは世界を狭うすることながやけんど、その小さい何かが、あくまで結果として、おまさんの世界を広うしてくれるっちゅうがやき。
著者は、「自分が読みたかったき」っちゅう衝動にもとづいて書いてきたけんど、それを何度も積み重ねていくうちに、思いもせんかった場所に立つことになったっちゅうがよ。
書いたもんを読んだ誰かが、予想もせんかったどっかへ、ワシを呼び寄せてくれるようになったっちゅうがやき。
ほんで著者はこの章の最後に、「書くこたぁ生き方の問題」やっちゅうがよ。
自分のために書いたもんが、誰かの目に触れて、その人とつながる・・・孤独な人生の中で、誰かとめぐりあうこと以上の奇跡らあてないとワシゃあ思うっちゅうて語り、書くこたぁ、生き方の問題であると続けて、自分のために書きゃあえい、読みたいことを書きゃあえいっちゅうて締め括るがやき。
さて、ここまでの本文の内容やち、笑いもって簡単に読めるに、なかなか奥が深いがやけんど、実は本書にゃあさらに「付録」として「田中泰延が書いた記事10選」と「田中泰延について書かれた記事5選+おまけ」があり、さらにさらに「広告の書き方」と「履歴書の書き方」と「書くために読むとえい本」っちゅう「文章術コラム」まであるがよ。
しかもその「付録」と「文章術コラム」は、普通の書籍と同じばあの大きさの文字(つまり本文よりかかなり小さい文字)で書かれちゅうき、それぞれがこれまた結構深うて、こぢゃんと役に立つ内容ながやき。
「読みたいことを、書けばいい。」〜人生が変わるシンブルな文章術〜・・・一見しただっけやと、スッと読み終わりそうで、中身の薄い書籍やと思うてしまいがちやけんど、実は中身の濃い、なかなか凄い良書ながぜよ!
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08:54
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いま、まさに読むべき書籍、「運気を磨く」ぜよ!
今回は、いま、まさに読んじょくべきお薦め書籍として、田坂広志さんの「運気を磨く〜心を浄化する三つの技法〜」(田坂広志 著 光文社新書 2019年10月30日発行 820円+税)をご紹介さいていただきますぜよ。
![写真1 運気を磨く 表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/7/7/778a280c.jpg)
![写真2 運気を磨く 裏表紙](https://livedoor.blogimg.jp/tsukasabotan/imgs/0/5/05a16d7f.jpg)
この書籍は、非科学的と言われもって、永い歴史の中で誰もがその存在を信じちゅう「運気」っちゅうもんを、著者が自身の科学研究者としての背景から、科学的根拠や最先端の科学的仮説らあを駆使して、解き明かしていくっちゅうもんながやき。
まず著者は、この「運気」に関しちゃあ、古今東西、無数の本が出版されちょって、そこにゃあ「運気」を向上さいたり、「えい運気」を引き寄せるための様々な方法が述べられちゅうけんど、それらあを試したち、あんまり効果がないと思う人が多いがはなんでかっちゅう疑問に対して、それにゃあ明確な理由があるっちゅうがよ。
従来の方法は、いずれも、心の世界を「ポジティブな想念」で満たしゃあ、「ポジティブなもん」を引き寄せ、「えい運気」を引き寄せるっちゅうことを述べてきたがやき。
その考えは、決して間違いやないけんど、現実にゃあ、ワシらあの心の奥深くにゃあ、すでにポジティブな想念を上回る多くのネガティブな想念があふれちゅうもんやき、このネガティブな想念の力が、ポジティブな想念の力を打ち消してしまうっちゅうがよ。
ほんで、さらに大きな問題は、ワシらあの心の中をポジティブな想念で満たそうと思うたち、心の不思議な性質がゆえに、むしろ逆に、心の奥深くにネガティブな想念が生まれてしまうことやっちゅうがやき。
ほんじゃき、ワシらあが、ホンマに「えい運気」を引き寄せたいと思うやったら、心の中をポジティブな想念で満たす前に、何よりか、心の中に数多く存在しちゅうネガティブな想念を消しちょかにゃあいかんっちゅうがよ。
さらに、心の中をポジティブな想念で満たそうとするとき、心の奥深くにネガティブな想念が生まれんような、賢明な方法を採らにゃあならんっちゅうがやき。
ほいたら、どうすりゃあ、心の中のネガティブな想念を消すことができるがか?
さらに、どうすりゃあ、心の中をポジティブな想念で満たすことができるがか?
その方法についてを、本書じゃあ、従来たぁ全く異なる方法として、紹介しちゅうがよ。
そりゃあ、そもそも、ポジティブな想念とネガティブな想念っちゅう分離や対立を超えた、「究極のポジティブな想念」を心の中に実現する方法やっちゅうがやき。
そんな方法について、著者がこれまでの人生において体験してきた「運気」と呼ばざるを得ん数多くの出来事らあを紹介しもって、自身の科学研究者としての背景から、科学的根拠や最先端の科学的仮説らあを駆使して、明快に解説していくがよ。
特に、その仮説として、いま、現代科学の最先端、量子科学の世界で議論されゆう「ゼロ・ポイント・フィールド仮説」についてまで、紹介されちゅうがやき。
ほんで、そうした「科学的仮説」を踏まえ、「運気」っちゅうもんが現実に存在することを認めたうえで、人生において「えい運気」を引き寄せる方法について述べちゅうがよ。
特に、著者が永年実践してきちゅう技法として、以下の「三つの技法」を紹介しちゅうがやき。
嵜誉犬僚慣を改める」
◆嵜誉犬硫鮗瓩鯤僂┐襦
「人生の覚悟を定める」
さらに著者は、それぞれ、「三つの習慣」「五つの解釈」「五つの覚悟」について、語られちゅうがよ。
【第一】「無意識のネガティブな想念」を浄化していく技法
〈第一の習慣〉自然の偉大な浄化力に委ねる
〈第二の習慣〉言葉の密かな浄化力を活かす
〈第三の習慣〉和解の想念の浄化力を用いる
【第二】「人生でのネガティブな体験」を陽転していく技法
〈第一の解釈〉自分の人生にゃあ多くの「成功体験」があることに気がつく
〈第二の解釈〉自分が「運の強い人間」やっちゅうことに気がつく
〈第三の解釈〉過去の「失敗体験」が実は「成功体験」やったっちゅうことに気がつく
〈第四の解釈〉自分に与えられた「幸運な人生」に感謝する
〈第五の解釈〉自分の人生に与えられた「究極の成功体験」に気がつく
【第三】「究極のポジティブな人生観」を体得していく技法
〈第一の覚悟〉自分の人生は、大いなる何かに導かれゆうと、信じる
〈第二の覚悟〉人生で起こること、すべて、深い意味があると、考える
〈第三の覚悟〉人生における問題、すべて、自分に原因があると、引き受ける
〈第四の覚悟〉大いなる何かが、自分を育てろうとしゆうと、受け止める
〈第五の覚悟〉逆境を越える叡智は、すべて、与えられると、思い定める
詳しゅうは本書を読んでいただきたいがやけんど、つまり、最終的に本書の思想は、いかにして「ネガティブな想念」「ネガティブなもん」「不運な出来事」らあを否定していくかっちゅう思想やのうて、本来ワシらあの人生においちゃあ、「ネガティブな想念」も「ネガティブなもん」も「不運な出来事」も無いっちゅう、「全肯定」の思想、すなわち「絶対肯定」の思想を述べちゅうがやき。
ほんで、この「絶対肯定」の思想を体得すりゃあ、ごく自然に、一つの真実に気がつくやろうっちゅうがよ。
そりゃあ、ワシらあの人生においちゃあ、本来、「えい運気」も「悪い運気」も無いっちゅう真実ながやき。
本書は、「どうすりゃあ、人生において『えい運気』を引き寄せることができるがか」っちゅう問いから話を始めたけんど、「運気」っちゅうもんの本質に迫りゃあ迫るばあ、あたかも蜃気楼のように、その言葉そのものが消えていくことに気がつくっちゅうがよ。
けんど、「えい運気」っちゅう言葉が消えたことによって、ワシらあは、最初に求めよったもんを失うわけやあないと、著者は断言するがやき。
なんでかいうたら、そのとき、気がつきゃあ、ワシらあは、真に求めちょったもんを手にしちゅうからやっちゅうがよ。
田坂広志著、「運気を磨く〜心を浄化する三つの技法〜」・・・まさに、コロナ禍のいま、読んじょくべきお薦め書籍ながぜよ!
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